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【第90回天皇杯4回戦 浦和 vs 磐田】レポート:浦和、守備の奮闘で磐田にリベンジ! 天皇杯優勝を目指し、ACLへの旅は続く(10.11.18)

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11月17日(水) 第90回天皇杯4回戦
浦和 1 - 0 磐田 (19:02/埼玉/11,129人)
得点者:42' エジミウソン(浦和)
チケット情報天皇杯特集
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「磐田に1つ借りが返せた」(宇賀神友弥)。浦和は今シーズンのリーグ戦で2度対戦し、2度辛酸を舐めさせられた磐田に1ー0と勝利。無敗行進をことごとく止められた因縁の相手にリベンジを果たし、天皇杯準々決勝進出を決めた。

浦和はこの日も磐田の組織的な守備に手を焼いた。柏木陽介をケガで欠いた影響もあり、パスをつないでゲームを作ることがなかなかできなかった。磐田は前回と同じように高い位置から厳しくプレッシャーをかけ、浦和にDFラインからのビルドアップを許さなかった。
磐田の守備は見事に整備されていた。センターバックに圧力をかけてワンサイドをカット、サイドバックにボールが入ったらボランチへのパスルートを切りながら追い込んでいき、苦し紛れにサイドハーフにパスが出たところで激しくボールを取りにいった。前線のエジミウソンに無理矢理クサビのボールを入れても、結果は同じだった。選択肢を削り取りながら最後は狙い通りのポイントでボールを奪うという、プレスのお手本のような守り方だった。そして、プレッシングが間に合わない時はブロックを築いてスペースを消した。
一方、なかなか攻撃の形を作れなかった浦和も、守備では奮闘した。ボールを失ったら素早くプレッシャーをかけて奪い返しに行き、相手に時間を与えなかった。攻守の切り替えが鈍かった磐田はカウンターで脅威を与えることができず、「ボールを奪ってからの判断が遅かったし、前半は横パスが多くて、相手にプレスをかけられた」と柳下正明監督が振り返ったように、横パスをつないでいるうちに攻め手を失っていった。

試合はこう着状態が続いたが、最初にビッグチャンスを迎えたのは磐田だった。19分、上田康太が左足でゴールに向かうようなクロスを蹴ると、GK山岸範宏が成岡翔の動きに気を取られてボールに反応できず、クロスが直接ゴールマウスに吸い込まれた。しかし、判定は成岡のオフサイドでノーゴール。この場面、成岡には広いスペースと時間があり、クロスが上がる前にフリーでオフサイドラインを確認できる余裕があった。浦和としては相手に助けられた格好となった。
前半は互いの守備が目立つ展開となり、静かに時間が過ぎていったが、42分に突如動きを見せる。カウンターの応酬からポンテがスペースへボールを出し、左サイドを駆け上がった高橋峻希がグラウンダーのクロスを入れると、GK川口能活がこれを処理し切れず。こぼれ球をエジミウソンが押し込み、浦和が均衡を破った。

ビハインドを背負った磐田は、後半に入って攻撃のギアをシフトアップ。開始早々に成岡がシュートを放つと、その後も立て続けにゴールを襲う。前半の45分間でわずか2本のシュートしか打てなかった磐田だったが、後半は立ち上がりの3分間で3回もチャンスを作った。「前にボールを預けよう」と柳下監督から指示を受けたサックスブルーの戦士たちは、前半に比べて明らかに縦への推進力を強めていた。
浦和は磐田の勢いに押され気味となったが、徐々にカウンターで反撃。72分、鈴木啓太のパスからサヌが決定的な場面を迎えると、74分には堀之内聖がミドル。その1分後にはワンツーで崩したポンテのパスからサヌがシュートを放った。
なんとか1点を返したい磐田も80分、ジウシーニョのクロスを前田遼一が頭で落とし、ゴール前に入っていた菅沼実が決めにいったが、シュートはバーの上。その3分後には途中出場で存在感を見せていた松浦拓弥がカウンターから決定的なシュートを放つも、GK山岸のファインセーブに阻まれる。
「人数をかけてボールが回るようになったし、前にボールが入るようになった。ミスも少なくなって、いい形で前にボールが入って、そこからサイドに回して何度かチャンスも作れていた」。那須大亮が唇を噛んだように、後半の磐田には前半で見られなかった力強さがあった。途中出場で入った選手たちも勢いを加速させていた。しかし、浦和は守備が最後まで崩れず、1点のリードを最後まで守り切った。

磐田との対戦は「前田との戦い」と同義だが、この日は危険なストライカーに自由を与えなかった。「山さんが何もさせなかった」と岡本拓也が称えたように、空中戦では山田暢久が圧倒的な存在感を示した。一方で、足元にボールが収まったら奪い取るのはほぼ不可能と、改めて前田の異能に驚かされたが、それでも連動した厳しい寄せで次のプレーは許さなかった。
浦和らしい攻撃は鳴りを潜めた。「確かに内容に関しては批判すべきところはあった」とフォルカー フィンケ監督が語ったように、会心の内容だったわけではない。しかし、負傷者が相次ぎ、チームの軸となっていた柏木も欠くなか、粘り強い守備で勝利をつかみ取れたことは大きい。天皇杯優勝まで残り3勝。浦和の冒険はまだ終わらない。

以上

2010.11.18 Reported by 神谷正明
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