スカパー!生中継 Ch183 後07:20〜
試合速報一覧 | クラブサポーター対抗totoリーグ
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降格となった京都。選手たちからは一様に「申しわけないと思っています」と口にしていた。渡邉大剛は「今度降格したら本当にクラブがダメになってしまうという思いで、なんとか阻止しなければという気持ちで戦ったんですが…」と悔しさをにじませた。
だが、リーグ戦はまだ終わっていない。京都は気持ちを切り替えて次の試合に備えなければならないはずだ。
選手たちは、秋田豊監督から「サポーターやファンに気の抜けたプレーは見せられない。来年につなげるためにも闘おう」と声をかけられたという。
昨年、一昨年と、最終戦では大量失点を喫して敗戦している(2008年の清水戦は1-3、2009年の広島戦は1-4)。残留を決めた後での気の緩み、それがこの結果を招いた。
ここまで、勝たなければならない理由はただ一つ「残留争いを勝ち抜くため」だった。その理由を失った今、同じ様な結果を招く危険性は大いにある。だからこそ、これまで以上に気持ちを奮い立たせなければならない。選手にとっては、ここからが本当に自分自身を試される戦いになるはずだ。
サポーターの皆さん。西京極での残り2試合、こういう状況だからこそ、どうか、皆さんの声で、選手の背中を押し、共に闘ってやってください。
その京都の相手も、残留争いに巻き込まれている大宮。現在、勝点34で14位につけ、降格圏17位の神戸(勝点30)とは勝点差4という状況。大宮にとっても絶対に負けられない戦いとなる。
大宮の攻撃の核はラファエル。ここを経由して得点が生まれる。渡邉も「ラファエルをしっかりと潰したい」と警戒を高めていた。前節、大宮は名古屋に2−1で敗れた( /jsgoal_archive/result/2010/1114/20100100010820101114_detail.html )が、ラファエル、石原直樹、李天秀の連係が冴え、得点を奪っている。ラファエルを抑え込むのはもちろんだが、石原、李天秀といった選手の走り込むスペースを埋める意識も大切だろう。
京都は、前節・浦和戦( /jsgoal_archive/result/2010/1114/20100100010320101114_detail.html )の先制されたシーンで、まずFWエジミウソンへのチェックが甘く、裏へ走るサヌを捕まえられずシュートを打たれ、さらに、ゴール前に詰めたエジミウソンへの対応で後手を踏むという失態を演じた。水本裕貴、郭泰輝、染谷悠太とディフェンスが3人いながら、2人の動きに翻弄されたのだ。今節も同じ轍を踏んではならないだろう。そのためにもサイドバックも中に絞るなど柔軟な対応も必要になるはずだ。
今節のポイントは、どちらがカウンターを仕掛けるか、ということだろう。残留争いを勝ち抜くためにも大宮のほうが是が非でも勝点3を積み上げたいはずだ。だからこそ、大宮としてはリスクが少なく、チャンスをものにできるカウンターの形を数多く作りたいところ。リード出来ればそのまま逃げ切り。たとえ同点でも、京都がしびれを切らして出てくるのをじっくりと待つ心づもりはできているのではないか。
「ここのところいいゲームをしていない。少しでもサポーターと喜べる様、しっかりと勝ちたい」と、これからのゲームへの決意を語ったのは安藤淳。ここまでの一番の課題に「得点を取れていない」ことを挙げた。「ミスを恐れては攻撃はうまくいかないと思うし、チャレンジしてのミスは仕方ない部分もある、それをカバーするのがチームだとも思う」と話した。その意識ももちろん大切だが、大宮はそれを狙っているということも考える必要はあるだろう。焦らないこと、さらに、相手を揺さぶる冷静な視野も必要なはずだ。今節、この判断を安藤には期待したい。彼がどこまで速攻、遅攻を切り分け、攻撃を組み立てられるか。組み立てるよりも最終ラインからロングボールを入れて、そのこぼれを拾うほうが効果的かも知れない。前半と後半で戦い方を大きく変える必要が出るかもしれない。来年につなげるというのなら、こうした互いの戦術を俯瞰する眼を養わなくてはならないだろう。
J2では相手が引いて守ることは十分想定できる。そこを焦れずに崩すポイントを見出だす。こうした戦術眼とドンと構える精神力は今後の京都に必要なはずだ。
「気持ちの入ったプレーが大事」と渡邉は言った。闘う気持ちも大事だ。だが、サッカーを洗練させていく必要もあるはずだ。特に、相手のカウンター攻撃を耐えきる守備を会得していくことは、必ず次につながる。試合の中で学ばなければならないことはまだまだたくさんある。気持ちを引き締め、未来につながるゲームに期待したい。
以上
※文中で「降格」「昇格」と表記していますが、正式な決定はJリーグ理事会で行われます。
2010.11.19 Reported by 武田賢宗













