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勝者がいれば敗者もいる勝負の世界。優勝の栄冠に輝くのは1チームだけで、その他のチームには、優勝を逃した悔しさが残る。とはいえ、J2には“昇格”という成果を得ることができるチームが、ほかに2チームある。鳥栖は優勝どころか、その昇格の可能性もなくなってしまった。対する柏は、昇格を決めて優勝の可能性を持つチームである。戦う前に結果が見えそうな対戦カードであるが、鳥栖の選手たちにはその状況の差を微塵も見せないメンタルを持っている。
「プロの世界に消化試合は無い」と言ったのは、FW豊田陽平。2試合連続得点をあげ、チームの連勝に貢献している。彼は今節の試合でも得点を貪欲に狙っている。今節もその強さを見せてくれるに違いない。
「昇格を決めたチーム相手に、何が足りなかったのか、何ができるのかを試す」と語気を強めたのは、MF早坂良太。ここまでチーム唯一の全試合出場を続ける頼れる選手である。優勝を狙う柏相手に手抜きを彼が許すはずが無い。
「タレントは多いが、全員で集中して戦えば、恐れる相手ではない」と気丈さを見せたのがGK室拓哉。サッカーを始めて、自身初の主将として今季はチームを牽引した。2試合連続完封が、偶然のものでないことを証明してくれるだろう。
「いつものことを当たり前にやることができれば、結果は出る」と好調さを見せるDF飯尾和也。鳥栖の闘将として戦う気持ちを前面に押し出してチームを鼓舞する。彼がいれば、不甲斐ない試合など行うはずが無い。
彼らだけでなく鳥栖のユニフォームをまとう誰もが、異口同音にその闘志を見せている。昇格を決めた柏であろうが、今節まで2敗しか喫していない柏であろうが、優勝が目前の柏であろうが、今節は相当な苦戦を強いられるであろう。それだけ、鳥栖の勇士たちは充実した備えを見せている。
対する柏は、前節に試合が組まれていなかったとはいえ、天皇杯4回戦を水曜日17日に戦ったばかりである。相手はJ1での上位争いをしているG大阪で、延長戦までもつれ込んだ試合だった。中2日でのアウェイ戦で、コンディションに不安が残る。しかも、ここまで攻撃の起点ともなる活躍を見せていたDF近藤直也を出場停止で欠く。MFレアンドロ ドミンゲスも天皇杯4回戦での退場により出場停止となった。FW工藤征人は、第16回アジア競技大会2010広州のU-21日本代表として今節はチームに帯同できない。
首位を走るチームとはいえ、不安な要素が多い。状況だけを見れば、苦戦を強いられそうな状況であるが、今節の結果次第では優勝が決まる一戦である。不安を補うだけのモチベーションは持っているに違いない。その証拠に、第27節(対札幌・日立柏サッカー場)で5−1と快勝し、中二日で臨んだ第28節(対福岡・レベルファイブスタジアム)もアウェイ戦でありながら、2−0と底力を見せつけた。しかも、90分間を選手交代もせずに11人で戦い終えている。
力強さの中には、ハンディとも言える状況を跳ね返すだけのフィジカルを持っている。気力が充実している鳥栖とはいえ、こちらも苦戦を強いられるに違いない。
サッカーの試合では、状況を変えるチャンスは意外と多い。しかし、実際に流れを変えきってしまうプレーを出し続けることは、非常に難しいことである。ならば、球際で強くプレーをし、好守の切り替えを素早く行うことで、相手をひるませ流れを引き寄せることができるはずである。そこに必要なものは、“勝ちたい”という闘争心であり、実力を持続させる集中力である。勝点差が開いた相手との戦いでも、プロフェッショナルとしてのプライドを持って戦いさえすれば、白熱した試合になるのがサッカーである。今節も、気持ちを持ったアスリートたちの“勝利”に対する想いをスタジアムで堪能したい。
サッカーは、気持ちを持っている選手にボールが集まるスポーツである。
※文中で「昇格」と表記していますが、正式な決定はJリーグ理事会で行われます
以上
2010.11.19 Reported by サカクラゲン













