11月23日（火） 2010 J2リーグ戦 第36節
岡山 1 - 2 富山　（17:03／カンスタ／6,026人）
得点者：23' 江添建次郎（富山）、66' 小林優希（岡山）、71' 江添建次郎（富山）
スカパー！再放送 Ch182 11/25（木）深00:00〜
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このゲームのゴールは、３つのセットプレーから決まった。富山・安間貴義監督は、「熊本戦で見えたように、岡山は折り返されたところで足が止まる傾向があったので、上手くずらせることが出来た。もうひとプレー出来た富山の選手が得点に値すると思う」。岡山・影山雅永監督は、「最初の失点は速いボールをぎりぎりで逸らされ、難しいものとなった。ただ、自分がマークするボールと相手に関しては責任を持ってやらなければ」と話した。富山は、膝の故障を抱えて思うように力を発揮できていなかった江添建次郎がセットプレーから2ゴールを決め、ゲームを制した。

前節からスターティングメンバーを7人入れ替えた富山は、このゲームで約1ヵ月ぶり、札幌戦以来の4バックを敷いた。システムとしては、どこで誰をぶつけるかということだけを決めて、数字の羅列にはあまり意味を持たせなかったという。アンカー的位置に江添を置き、中盤の長山一也、朝日大輔が自由に走りながら、1トップの苔口卓也にシンプルにボールを出してくる。富山は前半16分から立て続けに2度決定機を作るが決められず、岡山も同様にチャンスを外した後の前半23分、苔口のFKを金明輝が落とし、これを江添が左足で決めて先制。

0−1のまま後半に入ると、今度は岡山・小林優希が直接フリーキックをゴールに突き刺して66分、ゲームを引き戻す。しかし5分後の71分、先制点とほぼ同じ経由でポストに跳ね返ったボールを再び江添が決める。守備的になった富山に対し、岡山はチャンスを作ったが、結局追加点は奪えなかった。影山監督は、「負けて言うのも何ですが、やろうとしていることはふんだんに出せたと思っている」と語った。結果にはつながらなかったが、川原周剛の前にボールをつなぐ、しゃれたアクセントも新しかった。「相手はしっかりブロックを作ってきて、僕らはアンカーの回りで受けて、ポゼッションも出来ていたが、ペナルティーエリアの内に入るアイデアや迫力がもう一歩必要だった」と川原は振り返る。

岡山は開幕から夏の終わりまで、堅い守備を築きながらも得点力不足に悩んできた。その後、岸田裕樹、白谷建人のスピードある2トップが機能し始め、サイドからの積極的な攻撃参加を誘う得点パターンを築き上げてきた。しかしシーズン戦2試合を残した今、取り組むのは、セットプレーからの失点防御だ。敗れると、第31節・岐阜戦でのDF後藤圭太のJ初ゴールしかり、せっかくの素晴らしいゴールの印象が曇ってしまうのが口惜しい。「シュウゴウさんに相談」した上で、空いたファーのスペースを狙った小林のフリーキックは、昨年5月の熊本戦で約27mの距離を決めて以来の「ごはん3杯はいける」快挙となったが、勝利で飾れなかったからには、残り2試合に同じか、それ以上のことを期待したい。

富山は今週日曜にアウェイで徳島と、最終節はホームに戻って愛媛と対戦する。新たなメンバーを試みながら新体制のべースを作り、オプションも増やしたことで、残り2戦は楽しみなものとなっているはずだ。岡山にとって今回のゲームは、終盤に向けて上がってきた状態の隙を見つけ、現在位置を前向きに確認できる機会となった。次節の相手は、J1昇格を決めた柏。これはもうJ1のチームとの対戦と言っていいだろうから、伸びやかにプレーするためにも、週末までにセットプレー対策を講じなければならない。

以上

2010.11.24 Reported by 尾原千明