キャプテンの吉田孝行は東日本大震災の発生から1週間のチームの雰囲気を「重かった」と振り返った。だが、それも募金活動やチャリティーマッチを重ねるに連れて、徐々に和らいでいくことになる。
ヴィッセル神戸選手会が復興支援活動を始めたのは、地震発生から5日後の3月16日。練習場の最寄り駅「西神中央駅」前での募金活動からはじまった。その後も2週間に渡り、神戸市内の商店街や地下街、大型ショッピングモールなどの繁華街を中心に選手は声を枯らしてきた。3月19日には、ホームズスタジアム神戸で鳥取との練習試合を行い、義援金への協力を呼びかけた。この日、スタジアムに集まった観客は4,476人、義援金は4,621,281円にのぼった。
印象に残ったのは、この試合のハーフタイムで田中英雄がスタンドに向かって呼びかけた言葉。「1人の人間として毎日、選手たちは複雑な想いで過ごしています。みんなで話し合った結果、チャリティーマッチや募金活動をしています。16年前に神戸は震災を経験し、そこから復興した。その神戸魂を(東北の)被災地へ送りたちと思っています」
試合結果は3−0で神戸が勝利。だが、その結果以上にこの試合は、神戸にとって大きなものになったようだ。
試合後、和田監督は「たくさんの方に来ていただき、やってよかったと思います。震災を経験した神戸が先頭をきって何かをしなくてはいけないし、率先して義援活動を行っている神戸の選手たちを誇りに思う」と述べた。
冒頭の吉田孝行キャプテンの話の続き。
「チームの雰囲気は重かったけれど、義援活動や鳥取との練習試合を通して、選手たちも少しは力になれていると感じたと思う。少しずつだけど、みんなサッカーに集中できるようになった」
その後、ガンバ大阪やサンフレッチェ広島とのチャリティーマッチなどを通し、Jリーグ再開へ向けて気持ちを高めてきた神戸の選手たち。再開を直前に控え、大久保嘉人は「いいサッカーやるだけっしょ、オレたちは」と前を見据えていた。
●再開に向けて 和田昌裕監督コメント
「Jリーグが中断して約1カ月半が過ぎました。まだまだ被災地では苦しんでおられる方も多いと思います。いち早い復興を望んでおります。
神戸としては、開幕時には間に合わなかった選手もケガから復帰しており、いい方向に進んだ期間でした。ただ、チャリティーゲームや練習試合と開幕戦の浦和戦を比べると、パワーやスピードといった点で大きな差がありました。でも、Jリーグ再開に向けて選手にもスイッチが入っていますし、いい状態で再開を迎えられると思います。対戦相手の甲府はしっかりブロックを組んで、速いカウンターを仕掛けてくるはずですので、そのペースにハマらないように注意したい。そして、いいサッカーを見せたいです」
●再開後のスケジュール
■第7節
4月23日(土)J1 第7節 甲府 vs 神戸(14:00KICK OFF/中銀スタ)
4月29日(金)J1 第8節 神戸 vs 大宮(14:00KICK OFF/ホームズ)
以上
2011.04.20 Reported by 白井邦彦
















