スカパー!生中継 Ch182 後01:50〜
☆totoリーグ |中断期間を振り返るJ1編
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「早く試合がしたい。それが今の正直な感想」(丹羽大輝)。
その言葉は、チームに所属する27人全員の、そして福岡をサポートする人たちに共通する思いだろう。
様々な思いを胸に抱き、様々な人たちの思いを背負い、そして過ごした1カ月半。それは決して簡単な時間ではなかったはず。モチベーションをどこに置いていいかわからなくなったとしても、それはやむを得ないことだった。実際、中断直後のチームには、糸の切れた凧のような危うさが漂っていた。
しかし、3月20日からの5日間のオフを挟んで、選手たちは精悍な顔つきでピッチに戻ってきた。「どんな状況に置かれたとしても、今やれることを力の限りにやること。それがプロとしての責任」。見つけた答えは極めて明確だった。それを表現する場所が23日に帰ってくる。
中断期間中に取り組んだのはチームの連動性を高めること。キーワードは「選手同士の距離感」だった。
新しいメンバーが加わったチームは、個々の頑張りは感じられても、チームとしての意思統一に欠けた。その影響は守備面に顕著に現れ、そして攻撃の手数を失うことにもつながった。練習試合で結果が出ない日々に、周囲からは再開後のリーグ戦を心配する声が上がっていた。しかし、選手たちの口から聞こえてくる言葉は、常に前向きのものばかりだった。その頃の様子を中町公祐は次のように振り返る。
「自分たちのチームの状況を見れば、やるべきことがたくさんあった。それに対して1人、1人が前向きに取り組み、スタッフを中心に、いま足りないところは何かと反省しながらトレーニングに取り組めていた」
チームに変化が感じられ始めたのは、4月2日に行われたチャリティーマッチの鳥栖戦のあとから。適正な距離感を保って形成された2枚のブロック。常にコンパクトに保たれたゾーン。前線からのプレスに連動して、高い位置から人数をかけてボールを奪う守備。そして、ボールを奪うと素早く攻守を切り替えて、人数をかけてゴール前に迫る。「まだ満足はできない」と、篠田善之監督は表情を緩めないが、中断直後に抱えていた問題点は修正され、チームとしてどのように戦うかが明確になった。
「新しい年になって、新しい選手も入って、コンビネーションの面では時間を置かないと難しい面もあった。中断期間を有効に使うことによって、新しい選手と、以前からいる選手がフィットすることができ、わかり合えてきた。いまは本当にいい状態」(丹羽大輝)。
全員が「いい守備が、いい攻撃を生む」という言葉を口にする。
迎える再開初戦の相手は清水。福岡はアウェイに乗り込んで勝利を目指す。今シーズンからJ1で戦う福岡にとっては、どのチームも格上。ここまで順調にチームを作ってきたとは言え、どの試合も簡単ではなく、清水との戦いでも、押し込まれる時間帯が長くなることが予想されている。しかし、それは大きな問題ではない。現状を把握し、どうすれば勝利を手にすることができるかを考えて戦うこと。それが福岡に求められていることだ。
「うちのチームは前半に勢いが出る。その前半で、どれだけチャンスを作って、決定機を確実に決められるかが大事だと思う。開幕戦の反省を踏まえて、とにかく攻めきる、ゴールを取るために前に出る、ということを続けたい。簡単な試合ではないが、だからと言って縮こまる必要もない。前半からガンガン行きたい」(松浦拓弥)。
守備を固めてカウンター勝負は福岡が目指すところではない。積極的な守備に支えられた、積極的な攻撃。それを清水にぶつける構えだ。
そして、大震災からの復興に長い時間が必要とされる中でリーグ戦を戦うことについて、丹羽大輝は話す。
「このクラブハウスがあって、練習場があって、車に乗れて、当たり前のことを当たり前にできることの幸せを改めて実感することができたし、サッカーができる喜び、幸せを感じながら毎日を過ごせている。その気持ちを僕たちは発信していかなければならないし、被災者の方たちに少しでも勇気や元気を与えられるように、プレーで伝える義務がある。同時に、福岡のサポーターに勝利を届けるのが僕たちの使命。改めて開幕するという気持ちで清水戦に臨みたい。みんなで協力して目の前の相手に立ち向かい、ひたむきにプレーするという福岡の特長を、多くの人たちに見てほしい」
求めるものは勝点3。福岡のスタイルを発揮しつくした先に、それは待っている。
以上
2011.04.22 Reported by 中倉一志
















