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【J1:第7節 川崎F vs 仙台】川崎F側プレビュー:クラブ史上最も難しい相手との対戦。私情を捨てて、100%の力で仙台を迎え撃ちたい(11.04.23)

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4月23日(土)J1 第7節 川崎F vs 仙台(14:00KICK OFF/等々力チケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
スカパー!生中継 Ch180 後01:50〜
totoリーグ中断期間を振り返るJ1編
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3月29日に大阪・長居競技場で行われたチャリティーマッチの試合前。仙台サポーターのカップルに撮影を依頼すると彼のほうが「メッセージを書いてきたので、それも撮ってもらっていいですか?」と申し出てくれた。「もちろん」と待っている間、少しばかりの身の上話を聞くこととなった。彼女のほうは気仙沼の出身だそうで、震災当日の夜にTVに映し出された炎に包まれる故郷の映像を見て、ただただ泣くことしかできなかったという。痛ましい話に心を痛めつつ待っていると、彼が用意したのが「みんなありがとう」と書かれた横断幕だった。「重いものを背負いながらも、人は感謝できるものなのだなぁ」と泣きそうになりながら、撮影させてもらった。(撮影した写真はこちら
凛とした目線と、柔らかな笑顔が印象的な2人だった。巨大な地震とそれに続く津波。そして、気仙沼を襲った大規模な火災といった震災の傷は全く癒えていないのにも関わらず、全国、全世界からの善意に謝意で応えようとするその気持ちに心が洗われる思いだった。

そんな仙台サポーターが愛するクラブ、ベガルタ仙台とこのタイミングで対戦しなければならないことが、少しばかり心苦しい。それはもちろん選手も同じ心情で、たとえばキャプテンの井川祐輔は「完全に僕ら、ヒール(悪役)ですよね。だけど、被災地だからということは見せず、90分間はそれを忘れてプレーしたい。それで結果を見て感動してもらえるような試合をしたいですね」と話している。また中村憲剛も「グランドに入れば(やりにくさは)ないと思います。震災後は心を痛めていましたが、グランドに立つ90分間はそれはない」と言い切る。そんな2人の心情は、川崎Fのすべての選手に当てはまる心情でもある。彼らは、被災地のクラブへの支援の思いと、試合とを完全に切り分けている。

相馬直樹監督が率いる川崎Fは、サッカーとしてのおもしろさを実現すべくチームづくりを進めてきている。相手ボールに対する最初の守備のかけ方に始まり、相手ボールをいかに奪い取るのかに主眼を置く攻撃的な守備がまずひとつ。そしてそこからの素早い切り替えで相手ゴールを陥れられるチームに。
そうした姿勢は、開幕戦となった山形戦での戦いに反映されていた。すなわち、サイドチェンジよりも縦への崩しのパスを優先させる攻撃の組み立てである。3月5日の山形戦では、ボールサイドの選手が、縦方向のパスコースを常に意識し、それを優先させるパスワークを見せていた。がら空きの逆サイドにフリーの選手がいるからそこを使うのではなく、まずは攻撃、シュートにつながる選手へのパスを優先させる組み立てとして、その戦いの特徴は際立っていた。

相馬監督が新任であることもあり、この1カ月半もの中断はコンビネーションを高める効果をもたらすものと考えられたが、現実はそう甘いものでもない。ポゼッションはできるのだが、フィニッシュへと結びつける2手3手前の組み立てに問題があり、思うように相手ゴールに迫れないのである。また気になる部分がある。2月4日の中央大学との練習試合で完封して以来、練習試合での失点が続いているのである。もちろん、中には90分(つまりレギュラー組)では無失点という試合もあるにはあるのだが、それにしてもこれだけ失点が続いていることについてはあまり気分のいいものではない。
失点の形も、ある程度ボール支配率を高めながらワンチャンスの速攻で決められるというものが多い。つまり攻めこむことがバランスを崩す結果を生み出し、それが失点につながるという悪循環に陥っているようにも見える。そうした課題が、この試合でどの程度修正できているのか、注目してみたいと思う。

朗報があるとすれば、ケガのため出遅れていたジュニーニョが実戦に出られる程度にまでコンディションを戻してきた点である。本人に聞くと「まだ80%程度」とのことだが、それにしてもベンチ入りできる程度にまでは体調が戻ってきているのはプラスであろう。先日行われた千葉との練習試合でも活躍を見せており、この試合でもその働きに期待が集まる。
もちろん、ジュニーニョ一人に頼らずとも高いクオリティーを持つ選手を多数抱えているチームである。「(中村)憲剛さんに限らず、柴崎さん、稲本さん、(田中)裕介さんと、どこからでもパスが出てくる」と登里享平はパスの出どころの多彩さを口にし、だからこそゴールに近づきたいのだと意欲を見せていた。山形戦で度肝を抜くようなドリブルシュートを決めた矢島卓郎もコンディションを維持している。ケガの山瀬功治も戻ってきた。そういう点では、ジュニーニョの出番のない、もしくは安心して今季初めてのピッチを踏めるような試合展開になっていることを期待したいと思う。

すべての被災者の思いを背負うことが確実な仙台は、すさまじいモチベーションでこの試合に臨むはず。ただ、その思いを全力で受け止め、跳ね返すことが、この試合を楽しみにしつつ見ることになる人たちへの感謝の表し方であろう。「手を抜いたらスポーツではないし、見に来てくれた人に失礼だと思う」(井川)という気持ちを持って、川崎Fは仙台を迎え撃つ。仙台が超えるべき壁の大きさを、実感させるべく、戦う。

以上

2011.04.22 Reported by 江藤高志
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