4月23日(土) 2011 J2リーグ戦 第8節
横浜FC 1 - 3 鳥栖 (14:03/ニッパ球/3,783人)
得点者:1' 早坂良太(鳥栖)、22' 池田圭(鳥栖)、63' 木谷公亮(鳥栖)、90'+3 藤田優人(横浜FC)
スカパー!再放送 Ch183 4/24(日)深02:30〜
☆totoリーグ |中断期間を振り返るJ2編
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7週間ぶりにJリーグが再開した。練習試合を除いて本当の意味での実戦は2戦目であり、第2の開幕戦とも言える状況。開幕戦にあるような緊張感、そして時折強風と豪雨がスタジアムを襲う難しいコンディション。それだけに、先制点を取れれば悪い意味での緊張感から抜けられる一方、後手を踏めば困難な状況を打開するのは難しくなる。その大事な先制点は、いとも簡単に鳥栖が手中に収めることとなった。
開始直後のスローインからのプレー、野田隆之介のポストプレーの落としたボールを國吉貴博がバイタルエリアでフリーで受ける。そして、ファーサイドに右サイドに走り込んでいた早坂良太にボールが渡ると、すかさずシュート。応対した中野洋司に当たってコースが変わったボールはネットを鋭く捉えた。たった30秒での電撃的な先制劇であるが、横浜FCから見れば、スローインからの守備で、ボランチ、ファーサイドでのマーキングが不徹底になっていることで発生した「起きてはいけないこと」(岸野靖之監督)が重なった失点だった。
岸野監督は「動揺もあった」と振り返ったが、失点の時間を考えると、戦い方をクリアにして立て直すことも可能な状況だった。事実13分ぐらいからは、横浜FCがペースを握り、鳥栖を圧倒する時間となった。18分、19分と立て続けに放たれた西田剛のシュートは枠こそ捉えなかったが可能性は十分な場面だった。ボランチに入ったルーキー佐藤謙介も、ボールの捌き役として機能しはじめた。
しかし、そういう良くなった時間に、再び鳥栖がゴールを挙げる。22分、鳥栖の早いリスタートのクリアが不十分になったところを早坂が岡本知剛にボールを繋ぐ。ここで、横浜FCのボランチ藤田優人はボールサイドで鳥栖の3人を相手にチェックに行く。中央にポジションを取っていた佐藤は國吉をケアしてファーに引っ張られる。高地系治はセットプレーの準備でDFラインに吸収された状態だった。人数自体は足りていたが、局所的にマークが足りない状況が作り出されると、岡本は野田にボールを預け、野田は裏に走り込んだ池田圭にスルーパスを出す。そして池田は易々ゴールを決める。1点目と場面こそ違うが、細かなマークのズレとチェックの遅れを見逃さなかった鳥栖が効果的に加点をする。前半のシュート数は、横浜FCが5本で鳥栖が4本。決して横浜FCが後手を踏んでいたわけではないが、ディテールでの甘さがゴールの差になって現れた。
後半開始、中央に偏りすぎて鳥栖の守備の網に引っかかっていたと見た岸野靖之監督は、高地と佐藤のポジションを交換し、サイドでのプレーを増やす指示を与えた。しかし、2点ビハインドになったことで焦りが生じたのか、ワイドに展開して崩すスペースを作る前にクサビのパスを入れて鳥栖のボランチにカットされるシーンが目立った。そして、63分鳥栖に決定的な3点目が入る。朴台洪がフリーキックを与えると、國吉が蹴ったボールはファーサイドでフリーになった木谷公亮がヘディングで合わせてゴールネットに突き刺した。この後、横浜FCは攻撃的な選手をピッチに送り出す。三浦知良は、強引なまでのドリブルとシュートで横浜FCを鼓舞する動きを見せ、荒堀は右サイドを積極的に突破して気を吐いたが、一度チームとして噛み合わなくなった歯車は、ばらばらになったまま動かなかった。90+3分に、荒堀が右サイドを突破して作り出したチャンスのこぼれ球を藤田優人が押し込んで1点を返すが、試合としては鳥栖が余裕を持って逃げ切ることとなった。
優勝が目標の横浜FCにとっては、開幕の連敗は許されない事態。主力に怪我人が続出している状況で、特に開幕前から課題となっていたボランチの組み合わせの問題が実戦の場で露呈した。試合を通したシュート数は横浜FCが14本で鳥栖が11本で決して劣っているわけではないし、前半の中盤で鳥栖を圧倒した場面には、横浜FCの底力の一端を見ることができた。一方、守備の局面での甘さがそのポテンシャルを台無しにしてしまう現実を見せつけられた。ボランチを中心とした守備の安定は急務と言えるだろう。
一方の鳥栖は、中断期間中に練習を繰り返したプレッシングとボールの取り所の意思統一がピッチ上で形となる会心の勝利となった。練習してきたことを迷いなく続けるという点で横浜FCを大きく上回ったのは間違いなく、今後の鳥栖の大きな土台になる試合となった。尹晶煥監督もJリーグ初勝利を達成。再開初戦で横浜FCに快勝したことは、クラブ、サポーターにとって大きな一歩となるだろう。
岸野監督が試合後述べたようにサッカーはメンタルの部分が大きいスポーツ。だからこそ、メンタルを左右するような状況が勝負どころとなる。横浜FCは敗戦という高い代償を払い、鳥栖はメンタルで有利に立ち相手を自滅に導くことの効果を認識した試合となった。
以上
2011.04.24 Reported by 松尾真一郎
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