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【J2:第8節 熊本 vs 岐阜】レポート:新加入2トップのJ初ゴール2発で先行した熊本が、岐阜の反撃を1点に抑えて初の開幕連勝。(11.04.24)

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4月23日(土) 2011 J2リーグ戦 第8節
熊本 2 - 1 岐阜 (13:05/熊本/5,381人)
得点者:9' 長沢駿(熊本)、16' 仲間隼斗(熊本)、65' 川島眞也(岐阜)
スカパー!再放送 Ch186 4/24(日)深00:00〜
totoリーグ中断期間を振り返るJ2編
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「取れる時には取れるし、チャンスは必ず来ると思うので、それまで焦らずに、その瞬間の為に練習していければ」
 2日前に話を聞いたとき、長沢駿はこう話していた。そう信じていたチャンスは、立ち上がり9分に訪れる。リスタートからの流れで下がってきたボールを、岐阜のGK野田恭平がクリア。これをファビオがカットすると、浮いたボールはピンポイントのパスとなって長沢へ。落ち着いて胸でコントロールし岐阜DFの追走をかわした長沢は、野田の動きを見て冷静に、しかし鋭く低い弾道のシュートをゴール右隅に突き刺した。
 試合後のインタビューでも話していたが、この日は先月亡くなったおばあさまの四九日にあたっていたという。またトレーニングマッチで点が取れなかったことに対しては、高木琢也監督から「あまり考えるな」と言われていたと明かした。

 立ち上がりからギアが入らなかった一方の岐阜は、これを境にようやく目が覚めたようではあった。だが熊本のアグレッシブな姿勢がまだ優勢で、16分に追加点が生まれる。右サイドでのスローインの流れからこぼれたボールを原田拓が猛然と拾い、深い位置からゴール前に山なりのクロス。DF陣に囲まれながらも打点の高いヘッドで長沢が狙い、野田が弾いたボールにきっちり詰めていた初先発の仲間隼斗が流し込んだ。
 先制した場面も、岐阜が下げたボールに対して仲間がチェイスをかけており、いずれも序盤から積極的にプレッシャーをかけていた成果だ。岐阜はこのプレッシャーに対して判断の遅さが見られ、長いボールを入れてもトップに効果的に収まらず高い位置で起点が作れない。そうした展開から、前半はセカンドボールの争いもほぼ制した熊本のペース。得点につながった場面以外にも、前線の流動性とテンポの良いボール運びから20分ファビオ、36分仲間と決定的なチャンスを迎えている。ハーフタイムに高木監督が選手たちに話しているように、もう1点加えればゲームは決まっていたと思われる。だが逆に「後半の入りをもう1度しっかり集中しよう」という懸念が現実のものになった。

 岐阜の木村孝洋監督は、後半開始時から永芳卓磨を下げて川島眞也をピッチへ送り、「うちの守備をかきまわしていた」というファビオへの対応を指示。合わせて橋本卓をやや高めに上げて前線へ絡ませると、一転して流れは岐阜に。前半に比べ、シンプルに前に預けてサポートに入るという攻撃で熊本を押しこみ、ついに65分、左コーナーキックから川島が合わせて1点差に詰め寄った。その直後には19歳のFW阪本一仁を投入し前線をさらに活性化、終盤にかけても猛攻を仕掛ける。
 熊本も67分に仲間と代わった武富孝介が左サイドからのドリブルでアクセントをつけ、75分に長沢と交代した松橋章太が抜け出すなど、追加点のチャンスもあったが突き放すことはできず、最後は矢野大輔を最終ラインに入れて守備を固めてしのぎ、なんとか勝点3をもぎ取った形。シュート数は90分で熊本14本、岐阜6本となっているが、コーナーキックは熊本の2本に対し岐阜は12本(うち後半7本)と圧倒、サイドからの攻撃では岐阜の方に勢いがあったのは明白だ。
「リードしている時に不安定になってバタバタすることがある」と、福王忠世と原田が揃って口にした通り、熊本はリードして以降の試合運び、そして後半の入りが課題。「常に何か修正点があって、それを改善していくという流れでのチームづくりが続いていく」と高木監督は言う。中断期間にゴールが生まれていなかったことも、この試合で解消されたわけではなく、「攻め続け、チャンスを作り続けること」(同監督)で、安定した試合運びを身につけなくてはならない。

 一方の岐阜だが、僅かなところで集中を欠き、開始から15分前後で2点のビハインドを負ってしまったことが結果的には響いた。木村監督も話しているように、後半に修正できるだけの対応力をもって試合に臨めば、立ち上がりから優位にゲームを進めることも可能だろう。九州のチームを相手に開幕2連敗となったが、次節ホームに帰り、今節執念の逆転勝ちを見せた水戸にどう対応するか注目したい。
 
 ともあれ、私たちのもとにJリーグが帰ってきた。試合前にスタジアムを歩いていると、あちこちに笑顔があって、この日が来るのを待ちわびていたサポーターの思いが溢れていた。1ヶ月前の開幕の時ともその雰囲気は微妙に違っていて、ただ、愛するクラブを応援できること、その時その場にいられること、周りに仲間がいること、そんな今まで当たり前だと思っていたことが、実はとても恵まれていて、こんなにも幸せなのかと、改めて感じさせられたものである。
 試合が行われる90分とその前後を合わせたほんの数時間でしかないけれど、傷ついた心を癒す力は、サッカーと、スタジアムにもある。

以上

2011.04.24 Reported by 井芹貴志
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