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【J2:第12節 水戸 vs 熊本】レポート:水戸、熊本の堅守を崩しきれずにスコアレスドロー。だが、目指すべきものは見えている。3試合連続無得点を悲観すべきではない。(11.05.15)

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5月14日(土) 2011 J2リーグ戦 第12節
水戸 0 - 0 熊本 (13:05/Ksスタ/2,694人)
スカパー!再放送 Ch183 5/17(火)深02:30〜
totoリーグ
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試合終了とともに岡本達也はグラウンドにひざから崩れ落ち、大粒の涙を流した。結果は0対0。水戸は負けたわけではない。しかし、数あるチャンスを決めておけば、勝てた試合だっただけに、岡本がそれだけ責任を感じるのも無理はない。その象徴となったのが、85分のプレー。左サイドを突破した島田祐輝がGKを引きつけて、中央に折り返し。走り込んだ岡本がガラ空きのゴールに流し込むだけだったにも関わらず、目の前のDFにぶつけてしまい、チャンスを逸したことが、勝利を手放す大きな要因となった。

これで3試合連続無得点。決定力不足は深刻な状態にある。ただ、反省する必要はあるが、下を向く必要はまったくないだろう。「崩すということに関してはできていた」と柱谷哲二監督が振り返るように、流れの中で堅固な熊本のディフェンスを崩すシーンを何度も作ってみせた。チームの目指すアグレッシブなサッカーを選手たちが体現できたことを、今はポジティブにとらえるべきだろう。

前節北九州戦で水戸は狙いとしていたサイドチェンジを1度も出すことなく、敗れることとなった。今節のテーマは、いかに勇気を持ってボールを回し、ゴールに迫ることができるかというところ。その部分の改善は図れたと見ていいだろう。前半こそ、「勇気がなかった」(柱谷監督)ところもあり、熊本に主導権を握られる展開を招いたが、後半に入って「ボランチがボールに絡み出した」(柱谷監督)ことで水戸が流れをつかむ。ボランチの村田翔と西岡謙太が果敢にサイドチェンジを繰り出し、熊本の守備を翻弄。さらに67分に小澤司と遠藤敬佑が投入されると、2人の切れのある動きから再三決定的なチャンスを作り出した。

熊本よりも水戸が勝っていたもの。それはゴールに向かう意識だ。「見た目はウチの方が押しているけど、ゲームをコントロールしていたのは水戸だった」と熊本・高木琢也監督は語る。熊本は水戸のプレスにかからないように早い段階でサイドに展開することで押し込むことはできたものの、ゴール前にボールを入れることができず、87分に長沢駿がGKと1対1となった場面以外、ビッグチャンスを作ることはできなかった。対照的に水戸は相手のプレスにかからないようにするのではなく、相手のプレスをかいくぐるために果敢に縦パスを入れ、強気の姿勢を貫いた。前半こそ、縦パスのミスが多く、流れをつかめずにいたが、後半、やや下がった位置で起点となった村田が鋭い縦パスを入れたことで熊本の急所を突くことができた。水戸の攻撃的な姿勢がゲームをコントロールしたのだった。

惜しむらくは前半と後半の差がありすぎること。それはリーグ再開後、ずっと続く課題だ。「前半から後半のようなサッカーをしないといけない。いつも立ち上がりが悪い。エンジンのかかりが悪い」と塩谷司もチームの欠点を指摘する。毎試合のように後半は相手を圧倒することができており、それだけの力があることを誰もが分かっているからこそ、前半の動きが歯がゆく見えてしまう。「誰が(シュートを)外したとかではなく、チーム全体の力がまだまだということ」(村田)。この試合で勝てなかった最大の理由は決定力不足ではなく、前半の動きの悪さにあったと考えるべきだろう。

ただ、どの選手も同様の反省の弁を述べており、現状を悲観的にとらえる必要はなさそうだ。チームの強化に一足飛びはない。特に今の水戸は基盤をしっかり作る時期だけに、一つひとつ目の前の課題を丹念に克服していけばいい。ゴールも必ず近いうちに決まるはずだ。この日失った勝点2は未来に対する投資と思いたい。柱谷・水戸は目的地を見誤ることなく、順調に前進している。自信を持ってさらに前に進んでいってもらいたい。

「勝点1を取れたことは、素直な気持ちで言うと、よかったと思います」と試合後、高木監督が胸をなでおろしたように、熊本にとっては勝点1を獲得できたことをよしとしないといけない内容であった。前半からボールをつなぐ意識はあるものの、ゴールに迫るシーンは作れなかった。逆に後半は水戸のアグレッシブなサッカーに圧倒される展開。その中でなんとか耐え抜いて勝点1を獲得した。チームが掲げる「J1昇格」を達成するためには、アウェイでも勝点3を獲得する力を求められる。だが、長いシーズンを考えると、負けないことも重要。悪い流れを耐えきって勝点1を取れたことは、むしろチームの成長として見るべきだろう。こうしたきわどい試合で勝点を拾っていくことでチームは成長していく。シーズン終盤、この日獲得した勝点1が大きな意味を持つかもしれない。

以上

2011.05.15 Reported by 佐藤拓也
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