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前節鳥取戦、水戸は開始8分に失点を喫してしまうものの、その後、村田翔を中心にペースを握り、サイドを起点に厚みのある攻撃を繰り出した。そして、45分に同点に追いつくと、後半はさらに猛攻を仕掛けた。73分には右サイド岡田佑樹からのクロスをファーサイドに走り込んだ遠藤敬佑がフリーでヘディングシュートを放つ場面があったものの、惜しくもゴールポストに嫌われ、ゴールならず。再三築いたチャンスを決め切れず、勝点2を失った感の強いゲームとなってしまった。「勝てたゲームだったね」と柱谷哲二監督も苦笑いを浮かべた。
しかし、「アウェイで勝点を取れたこと。そして、しっかりイニシアチブを握れたことは成長だと思います」と柱谷監督が語るように、今までのアウェイ戦とは異なり、アグレッシブな姿勢を前面に出してゲームを支配してみせたことはチームの確かな成長と見ていいだろう。5試合勝利から見放されてはいるものの、“本当の力”がつきつつあることを証明した試合でもあったのだ。
柱谷監督はチーム作りに手ごたえを感じているようだ。現在、2勝3分2敗で10位という成績ながらも「こんなに早くここまで来るとは思わなかった」と語る。今季、これまで複数失点を喫したのは、第9節岐阜戦のみ。それ以外は1失点以下に抑えており、安定したディフェンスがチームを支えている。また、どの試合でも後半は水戸が運動量で相手を圧倒。今節に向けても「後半勝負に持ち込みたい」と柱谷監督が言うほど、フィジカル面には自信を持っている。「第一段階のフィジカル面をクリアし、第二段階のディフェンスもある程度安定している。今は第三段階のオフェンスに取りかかれている」と柱谷監督は充実した表情を見せているのだ。
あとは、5試合でわずか2得点という攻撃をいかに構築していくか、だ。ただ、「決して悲観する状態ではない」と柱谷監督が言うように、攻撃に関してもある程度の手ごたえをつかむことができている。前節鳥取戦も中盤でボールを支配し、左右に揺さぶりをかけて、鳥取ゴールを襲う展開を築いた。攻撃的MFには今季はじめて小澤司と島田祐輝というコンビが起用されたものの、中に入ってスルーパスを繰り出す小澤とサイドから鋭い突破を見せる島田の特徴を生かしながら切れのある攻めを見せることができたこともチームとしての成長と見ていいだろう。今節も個々の能力を最大限に発揮しながら、攻め込みたい。
問題の決定力に関して、「チャンスをもっと多く作れば、点は決まるはず」と島田は課題克服に自信を見せる。大事なことは中盤のイニシアチブを握ること。「相手の鳥栖はサイドから攻め込むチーム。そういうチームは主導権を握ると強いけど、逆に攻められるとサイドは上がってこれない。だから、自分たちでしっかりボールを持つことが大事になってくる」と小澤も今節に向けて、中盤での主導権争いの重要性を語る。これまで同様、受け身になるのではなく、常に先手を取る意識を持つことが重要となる。そうすれば、必ず点を取ることはできるだろう。いくらシュートを外しても決して下を向く必要はない。次のチャンスを決め切ればいい。そのぐらいの意気込みで戦ってもらいたい。
対する鳥栖は現在3位につけており、好調をキープしている。サイドを起点にスピーディーな攻撃が武器のチームである。「J2で一番バランスのいいチーム。基本に忠実なとてもシンプルなサッカーをしてくる」と柱谷監督も力を認めている。リーグで2番目に反則が多いチームではあるが、それは「激しく戦うというのは、クラブの伝統。厳しく、激しく戦うということが浸透している」(柱谷監督)証拠でもある。戦術面や技術面もさることながら、球際や1対1の局面での強さがチームの強さの根源と言えるだろう。今節もアウェイながら、強い気持ちで水戸に向かってくるに違いない。ただ、ホームでは3連勝中と強さを見せている反面、アウェイでは1勝1分2敗と勝ち切れない試合が多い。このまま上位を維持するためにもアウェイに対するネガティブなイメージは払しょくしておきたいところだろう。そういう意味でも今節の戦いは重要になってくるに違いない。
厳しく、激しく向かってくる鳥栖に対し、水戸は臆することなく、アグレッシブにサッカーを繰り広げられるか。ともにチームとして目指すサッカーがはっきりしており、迷いなくお互いにぶつかり合う“激戦”という言葉がふさわしいゲームとなるに違いない。
以上
2011.05.27 Reported by 佐藤拓也













