スカパー!生中継 Ch184 後00:50〜
☆豪華賞品が当たる!totoリーグに投票しよう!
----------
徳島の攻撃はゲームを重ねるたび連携の高まりを見せている。ボールホルダーを追い越す動きやクロスオーバー、3人目の動き出しやいい距離でのサポートなど、ゴールを奪うための連動が戦いの中でどんどんスムーズさを増してきていると言っていいだろう。事実それを裏付けるように、前節の岐阜戦では選手たちが多彩な崩しを披露。前半こそ最後のところを突破できなかったものの、迎えた後半には2列目に位置する衛藤裕を中心に岐阜の守備網を幾度となく切り裂き、それによって勝利をぐっと引き寄せる2点目も奪って見せた。
だが、それだけの好調さがあっても、今節における徳島最大のカギは攻撃でないと見る。逆に、守備。そちらの方の出来がこの一戦での命運を左右するのではないかと思われてならない。
と言うのも、顔を合わせるのが非常に多く攻撃的アクションを仕掛けてくる栃木だからだ。
「水沼(宏太)らが広いエリアを自由に動いてくるし、サイドバックもどんどん高い位置へ入り込んでくる」と美濃部直彦監督も警戒するが、栃木の前へ向かう意識は抜群に強い。全員が常にボールを前進させてくるし、そのための起点も前線やサイドでしっかり作ろうとしてくる。またリカルド・ロボを筆頭にDF陣までもが見せるフィニッシュへの貪欲さは大きな脅威と言えよう。実際前節・愛媛戦では敗れながらもその数は20本にまで達していた。
さらに栃木について続ければ、一度主導権を握られるとそれを取り戻すのが相当難しい相手であるのは間違いない。「しっかり鍛えられた穴の少ない組織」(美濃部監督)であることから、ひとたびリズムを掴まれてしまったなら簡単にはピッチ上の流れを変えられないであろう。
そう考えると、徳島がすべき優先事はおのずと絞られてくる。それは栃木の良さを厳しく消していく守備。それによってまず何よりゲームの空気を自分たちのものにしていきたい。そしてその守備のポイントとなるのはおそらく、全体をコンパクトに保つ最終ラインの押し上げではないだろうか。もちろんそれには裏に空くスペースというリスクも伴うが、押し上げなくてはブロックの間で起点を作られ彼らの形へと引きずり込まれてしまう。だからこそ最終ラインは勇気を持ってプッシュアップし、起点作りのボールが入ってきたところをことごとく潰していかなくては。
そこで徳島としてはセンターバックの三木隆司が重要なキーマンになろう。「目の前の試合で勝点をひとつずつ積み上げていくことが大事」と迎える戦いへ静かに闘志を燃やすこのディフェンスリーダーが経験に裏打ちされた巧みなラインコントロールを徹底できたなら、きっとチームは望む結果へ向かって舵を取れるはずだ。
言わば徳島にとって今節の戦いは、守備から入るゲーム。しかし決して受け身的な意味合いのものではない。それは自分たちの進化している攻撃を活かすための準備である。そのことを踏まえた上でチームの戦いには注目したい。
さて、四国地方は昨日例年よりもかなり早い梅雨入りが発表された。しかも近付く台風2号の影響で明日は本格的な降雨が予想され、ゲームはかなり厳しいコンディションの中で行われることになりそうである。が、徳島も栃木も今季掲げる目標は昇格。それだけに両者とも勝点3を目指す執念に湿りなど見せるわけはない。ピッチでは激戦と呼ぶに相応しいぶつかり合いが繰り広げられるだろう。
果たして勝利をもぎ取るのは、11節からの4連勝に加え今季開幕からのホーム4連勝も懸かる徳島か!?それとも立て直しによる連敗脱出で再浮上を狙う栃木か!?目の離せない一戦のホイッスルが今からもう待ち遠しい。
以上
2011.05.27 Reported by 松下英樹













