☆ヤマザキナビスコカップ特集ページ
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ニッパツ三ツ沢球技場で行われる「横浜F・マリノス対ヴィッセル神戸」。そこで想起されるのが、09年4月の同カード。リーグ戦の戦いだったが、会場は今回と同じく三ツ沢だった。結果は5−0と横浜FMが爆発。得点の内訳は、渡邉千真、山瀬功治(現川崎フロンターレ)が各2得点、狩野健太が1得点である。
渡邉にあの大勝劇について聞くと、「あ〜、ありましたねえ」と懐かしむ。その試合で決めた、神戸・宮本恒靖を片腕で抑え込みながらのループボレーを、思い出すファンの方も多いかもしれない。
渡邉は過去の神戸戦で、4戦出場し4得点をマーク。本人も「(神戸は)感覚的に相性がいい。点がよく取れている」と話す。ただ、その理由を聞くと「分かりません。たまたまですよ」と苦笑い。とはいえ、いいイメージをもつだけに、「今季は1試合での複数得点を決めていない。神戸戦では貪欲にゴールを狙う」と意気込みを語った。
逆に神戸の選手たちも、横浜FM戦にそこまで悪いイメージをもっていないのではないだろうか。2年前の大敗後、公式戦での対戦は3分1敗。敗れた試合は、昨年10月のアウェイ戦(0−1)になるが、途中に警告2枚で河本裕之が退場し、そのあとに失点。また、終盤には大久保嘉人が一発退場となっている。要は数的不利な状況が敗因の一つに挙げられるわけで、「やられた」という感覚は薄いかもしれない。
また、他のゲームの際は、中盤からガツガツ仕掛ける守備と、奪ってからのシンプルな速攻で、横浜FMを押し込む場面をしばしば見せていた。しかも、今季はリーグ戦で3連勝を飾るなど、チーム力は上昇傾向にあるので強気なはず。
ただ、一つ気になるのは大久保嘉人が出場するかどうか。大久保は翌週のリーグ第14節、ベガルタ仙台戦での出場停止が決まっている。それを見越して、大久保の代役を起用する可能性があるからだ。勝負どころで途中出場するかもしれないが、果たして…。
横浜FMでは、日本代表の栗原勇蔵の代わりに、青山直晃が中澤佑二とセンターバックを組む公算が強い。今季清水エスパルスから移籍してきた青山は、これまでベンチ入りこそしていたが、出番はなかった。試合勘などで多少不安はあるが、中澤、波戸康広など、熟練の戦士たちがフォローしてくれるだろう。また、青山自身も日本代表の経験もある中堅。気負わず、落ち着いてゲームに入るに違いない。
また、ケガで離脱していた横浜FMの小野裕二が今回、復帰するかもしれない。彼は6月1日の練習で全体練習に合流。ランニング中には「きついッ!」と言いながらも、見守るスタッフや記者たちに、笑顔を見せながら走っていた。その余裕は、状態がよくなったという証だろう。ただ、神戸は小野に対して「因縁」というと大げさだが、意識するはず。前記した昨年10月の対戦で決勝点を挙げたのが、彼だからだ。また、大久保は小野と交錯したシーンで退場処分を受けている。トリコロールの背番号10が出場することで、ゲームに何かしらの化学反応が起きそうだ。
以上
2011.06.03 Reported by 小林智明(インサイド)













