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【水戸:鈴木隆行選手加入会見】出席者のコメント(11.06.08)

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本日、水戸市内で鈴木隆行選手の加入記者会見が行われました。
会見での出席者のコメントは以下の通りです。
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●沼田邦郎代表取締役社長:
「本日は大変お忙しい中、鈴木隆行の加入会見に足を運んでいただき、誠にありがとうございます。私は08年4月から水戸ホーリーホックの社長を務めていますが、水戸ホーリーホックをどうしても変えたい。そういう意味で萩原強化部長、そして柱谷哲二監督に来てもらいました。その中で今回鈴木隆行選手が水戸に加入することでありまして、これは水戸の長い歴史の中の新たな1ページと考えています。本当に皆さま方には、この水戸、Jリーグで1番経営基盤が小さい、観客動員の少ないチームではありますが、みなさまの力を借りまして、水戸を変えていきたい。そして日本のサッカーを変えていきたいと思っております。ぜひとも、これからも皆様のお力で水戸ホーリーホックを支えていただきたいなと思います。本日はありがとうございます」

●萩原武久取締役強化・育成部長:
「本日は雨の中、多くの方にお集まりいただき、ありがとうございました。水戸ホーリーホックに鈴木隆行選手が加入していただくこととなりました。我々水戸にとってこんなにうれしいことはありません。まず、彼が水戸ホーリーホックに加入する経緯は監督と本人からお話があると思います。我々水戸は大変経済的に厳しい状況にあります。その中で彼はアマチュア契約でプレーしたいという申し出を受けました。みなさん御存じの通り、プロ登録の他にアマチュア契約でプレーするという契約が日本サッカー協会にはございます。アマチュア選手というのは、報酬や利益を目的とすることなくプレーをする選手。それは彼の本当に強い希望で、困窮状態にある水戸のために無給でプレーをしたいという申し出を、我々はありがたく受け入れることとしました。

我々水戸ホーリーホックは12シーズンを迎えております。大変厳しい状況の中でこれまで苦しい順位が続いています。そこで今年は平均年齢23.9歳です。30歳を超えている選手は本間幸司と吉原宏太の2人だけです。そこに今回、鈴木選手から話がありました。そこで2つの理由で我々は決断しました。
1点はワールドスタンダードを体験していること。それはみなさんがご存じのようにワールドカップを経験している。もう1点はブラジル、ベルギー、セルビア、アメリカ。4カ国でプレーしています。この経験値は限りなく大きなものと我々は思っています。先ほど申し上げたように、23.9歳という若い選手たちにとって、これはとてつもなく大きな意義を持つと思っています。
もう1点は彼のFWとしての経験値です。これはただ足先だけで、技術がうまいだけではなくて、本当にチームのためにひたむきにボールを追いかけまわして、最後点を入れる。02年のベルギー戦のあの得点。たぶん今の日本代表や水戸ホーリーホックにも欠けているのは、あのプレーじゃないかなと思います。そういった意味で彼が加入したことで大きな効果を上げることができることを我々は期待しています。もちろん、点を取ってチームを勝利に導くこともですが、点を取るだけではなくて、ゴール前でどんなプレーをするか。見ていただいている観客のみなさんがドキドキするようなシーンを演出してくれると期待しています。

彼は茨城県日立市の出身です。3月11日の震災後、いろんなことを悩みながら彼も決断してくれました。水戸のためになりたい。茨城のために力になりたい。その結果として、アマチュア登録してほしいということで、我々も甘んじて受けて、力を借りることとなりました。背番号は30番です。今年度、柱谷監督になって、また新たなエネルギーを加えて、再生に拍車がかかることができると信じて疑いません。みなさんの温かい支援をいただきたいと思います」

●柱谷哲二監督:
「みなさん、こんにちは。本日は鈴木隆行のために大勢の方に来ていただき、ありがとうございます。水戸ホーリーホックはじまって以来はじめてじゃないかと思うぐらい多くの方に来ていただきました。私の就任会見よりも報道陣が多いので、少し悔しい思いをしています(苦笑)。彼はまだコンディションはよくないですが、しっかりとコンディションを作って、水戸ホーリーホックのために頑張ってもらいたいですし、水戸ホーリーホックのためにゴールをたくさん取ってくれることを期待して、今後彼と一緒に水戸ホーリーホックを強くしていきたいと思います」

●鈴木隆行選手:
「今回水戸ホーリーホックに加入することとなりました鈴木隆行です。本日はよろしくお願いします」

〜質疑応答〜

Q:ホーリーホック加入の経緯と理由を教えてください。
「今回、ホーリーホックに加入することとなったのは、震災があって、茨城県が非常に元気がなくなっているということで、本当に単純に茨城のために何かできればと思い、こういう行動を取りました。やっぱり、サッカーで協力をしながらやっていきたいと思いました。水戸のクラブも震災で大変なことになっているということを聞いたので、チームの方に何か協力できないかということで柱谷監督に電話を入れまして、ぜひ協力させてくださいとお願いしました」

Q:アマチュア契約ということですが、なぜそのような契約を自ら提案して決断したのか?
「震災が起きて、非常に経営も苦しいということを聞いていたので、もちろん、チームに途中から入るということなので、予算的にも相当苦しいと。それならば、チームに迷惑をかけないように加入したかったので、僕の強い希望でアマチュア契約ということにさせていただきました」

Q:アメリカのクラブからは指導者としてのオファーがあったとのことですが。
「(ポートランド・)ティンバースの方からは昨年末にコーチとしてチームに残ってくれないかということを言われまして、すごい悩んだんですが、一度引退して、オファーを受けようと話を進めていたのですが、今回こういう形で水戸の方に協力したいという気持ちが強くなったという話をしました。で、向こうからも『頑張ってこい』と言われました。また、ティンバースに帰りたい気持ちもありますが、これからどうなるか分かりませんし、チームの方からはぜひまた帰ってきてくれと強く言われたので、すごくありがたいなと思っています」

Q:プロ生活は鹿島アントラーズから始まって、また茨城県に戻ってきました。現在の心境は?
「また茨城に帰ってくるとは本当に思ってなかったし、今でもまだプレーする実感が沸かないんですけど。鹿島からはじまって、また地元でプレーできるということで、すごく幸せを感じています」

Q:海外を渡り、得たものは? そしてホーリーホックに伝えたいことは?
「やっぱり海外に出ることは人間的にも成長するし、視野も広がる。それが一番の魅力で、僕自身もすごく成長したし、視野も広がった。いろんなことを知ることができましたし。経験を積むことやいろんなことを見ることが成長につながるんだよとみんなには教えられたらなとは思っています」

Q:水戸は若いチームです。精神的に引っ張っていく存在になると思いますが。
「みなさん分かっていると思いますが、決して僕はそういうタイプではないです(苦笑)。でも、年齢も35歳ですし、そんなことも言っていられない年齢に達していますので、ぜひチームの力となって、自分のできることはすべて出していきたいなと思います」

Q:昨日から練習に合流しましたが、合流した感想は?
「やっぱりサッカーは厳しいなと、すごく思いました。経験や技術だけではやっていけないスポーツだなと改めて思いましたし、走力や下半身の筋力がなければできないスポーツだなと実感しました」

Q:水戸の一員として、チームの目標と自分の役割をどのように考えていますか?
「チームの目標はJ1に上がること。僕の目標もチームをJ1に上げること。それ以外はないです」

Q:柱谷監督から「たくさんゴールを決めてほしい」との言葉がありましたが、何ゴールを狙いますか?
「できるだけ多く取りたいと思います」

Q:柱谷監督からの言葉で心に響いた言葉は?
「一番うれしかったのは、『プレーヤーとしてぜひやってくれ』と言われた時ですね。非常に悩んだんですけど、そう言っていただけるのであれば、プレーしようと思いました」
Q:アメリカのチームを辞めた後は何をしていましたか?
「昨年退団してから、震災がなければ渡米して向こうのチームに合流することになっていたんですけど、震災がありまして、基本的にずっと子育てしてました。それ以外のことは何もしていませんでした」

Q:監督にお伺いしたいのですが、35歳となった鈴木選手の成長した部分はどこだと思いますか?
柱谷監督:
「きちんと会話ができるようになりましたね(笑)。若い時は会話になってなかったから。本当にちゃんと話ができるようになって、正直びっくりしています(笑)。もう一つはですね、人の気持ちを思いやれるようになりましたね。それまで、彼は若い時、僕は『僕ちゃん選手』と呼んでいるんですけど、『俺のために、俺のために』という気持ちだけでプレーしていました。でも、今、話をすると、そうではなくて、『水戸のためにやりたい』と言ってくれました。これだけ人は変わるんだなと思いました」

Q:鈴木選手はどうですか?
「監督から言われた通り、自分のためだけに人生を過ごしてきたというか、生きていたので、さすがに子供もできまして、35歳にもなって、そういう生き方を変えていきたいなということも今回の決断の一つだったと思います」

Q:今までの話を聞くと、水戸に加入を決める前は引退を考えていたということでよろしいでしょうか?
「そうですね。引退を考えていました。引退の決断をしたことは、ティンパーズからオファーをいただいたからですね。オファーがなければ、別のチームを探していたんですけど、ぜひチームに入ってほしいという、すごくありがたいオファーをいただき、こんなチャンスはないということで、家族と相談して、迷ったんですけど、決断しました。

Q:そうすると、その決断を変えたのは震災だったということですか?
「そうですね。それ以外はないです」

Q:実際に日立市などの被災地に足を運ばれましたのでしょうか? それと水戸市などを見ての感想をお伺いしたいのですが。
「日立市の方に実家がありまして、もちろん実家の方には帰りました。茨城の状況をだいぶ見ました。思った以上にひどいなというのが、感想ですね。それほどテレビなどの報道でも伝えられてないですし、そういうところでなぜだろうと思うところはありますね」

Q:実際に足を運んで、茨城のために何かしたいという思いになったのでしょうか?
「そうですね。やはり、家族や親せきは被災しましたし、元気もなくなっていたので、家族に喜んでもらえるようなことをしたいというのも今回のきっかけの一つとなりました」
Q:最後にファン・サポーターにメッセージをお願いします。
「僕の目標もチームの目標もJ1に昇格することであって、僕が加入して、できることというのは、それほど多くはないと思うのですが、一生懸命僕自身は頑張りますので、ぜひスタジアムに足を運んでもらって、チームの応援をしてもらいたいなと思います。やはり、サポーターの協力なくして、J1には上がれないので、ぜひ協力をしていただきたいなと思います。本日はありがとうございました」

以上

■水戸ホーリーホックNEXT MATCH
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