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ケガで戦線を離脱していた選手たちが戻りつつある。まずは稲本潤一。4月29日の名古屋戦で負傷した稲本は5月29日のG大阪戦にて登録メンバーとしてベンチに入ると、6月5日に行われた広島とのヤマザキナビスコカップ1回戦第1戦に先発出場している。この甲府戦に出場する事になれば6試合ぶりのリーグ戦への復帰となる。また5月20日のC大阪戦中に負傷していたジュニーニョも回復しておりメンバー入りが有力である。
この甲府戦には間に合いそうにはないが、その他にも二人のGKや、あのFWの選手などもコンディションをあげつつあり、川崎Fの選手層は急速に厚みを増しつつある。その結果としてチーム内の競争が激化し、チーム力の底上げにつながることが期待される状態だ。そのような現状について相馬直樹監督は「ゲームに出たい意欲も伝わってきた。いい競争をやってきている」と目を細める。
レギュラークラスの選手の復帰は、そのまま先発メンバーの組み合わせの変更に直結する。9日に行われた紅白戦でもいくつかのパターンが試されており、ポジション取りを狙う選手たちによる激しい戦いが繰り広げられていた。そうした中、注目すべき点として挙げておきたいのが中村憲剛のポジションである。サイドハーフとしてのポジションで今季の戦いをスタートさせていた中村は、稲本の負傷欠場によりボランチにポジションを移し、柴崎晃誠とのコンビで結果を出してきた。例えば直近のリーグ戦3試合では鹿島、C大阪、G大阪のACL出場クラブとの3連戦を2勝1分で乗り切っており、チームとしてその実績は捨てがたいものがある。
ケガから復帰した稲本への期待感と、サイドハーフ、ボランチでの中村のパフォーマンスをそれぞれに考えた上でメンバーが決められる事になるが、相馬監督が試合当日にどのようなフォーメーションを採用しているのか。試合展開を大きく左右することになるその決定を見守りたいところである。
また、トップフォームを100%とすると、現状は「80%」だと話すジュニーニョの起用方法にも注目したいところ。80%と自己評価する一方、見た目はかなりコンディションを戻してきている印象があり、実戦復帰の可能性は高い。その一方で、ジュニーニョの穴を埋めてきた小林悠と矢島卓郎とのコンビがこなれてきている点も見過ごせない事実であろう。その小林は今季の3得点が、いずれも途中出場の試合でマークされたものとなっており、ゴールへの嗅覚に優れたものを持っている事がわかる。また、ファーストディフェンスの重要性が語られてきた今季の川崎Fにあっては、FWの選手の戦術理解の重要性は高い。献身的に動きまわるという点での小林への評価が高いこともあり、FWのメンバー選考では相馬監督の頭を悩ます事となりそう。
今節対戦する甲府に関しては、ハーフナー マイクに合わせる攻撃パターンについて警戒する声が上がっていた。例えばセンターバックの井川祐輔は、ハーフナーと同様に長身の名古屋のケネディにしてやられた過去を引き合いに出し「ハーフナーに放りこまれたら190cm以上あるので厳しいが、ケネディとやって負けているので、負けたくないし仕事はさせたくない」と意気込みを口にしていた。そしてその対策として「体をぶつけて飛ばさないということ。特徴のある入り方をするので、気をつけたい」と話していた。ちなみに「クロスが入ってこないのが一番いいけど」と付け加え、うっすらと前目の選手の頑張りに期待をかけていた。
そのハーフナーと組む事が有力な阿部吉朗について井川は「去年の湘南戦で点を取られている。嫌なタイプが二人並んでいるという感じです」と述べており、かなりの警戒感を見せていた。失点が止まらない川崎Fではあるが、この試合では甲府の攻撃陣を抑えこむことができるのかどうか、注目したい。
甲府は12節の横浜FM戦での0−4での大敗を受け、続く山形戦で1−1と守備を改善。1試合前のヤマザキナビスコカップ清水戦では1−0と勝利を収めており、戦いを修正してきている事がわかる。甲府としてみれば、川崎Fが攻撃的に出てくる事を想定しているはずで、そうした川崎Fの戦い方を織り込んだ戦術を取ってくるはず。この点を踏まえ、川崎Fとすればいかに攻めている局面で集中を切らさないようにするかが問われる試合となりそうである。
ちなみに「ボールキープでは上回れると思うので(マイボールを失った後の)切り替えの時のカウンターをケアしないといけないし、切り替えを早くしたいですね」と話す稲本の考えは、チーム内にきっちりと浸透していた。
リーグ戦は、この甲府戦が5連戦のスタートとなる。その点について井川は「この連戦で勝ち越しか、より多くの勝利が取れればと思いますし、ここは大事だと思います」と話し、連戦の初戦の重要性を口にしていた。もちろんその観点は相馬監督も同じで「一つ目を勝ちでスタートさせたい。たくさんの人に来ていただいて、結果を出していきたいと思います」と話し、より多くのサポーターの後押しを期待していた。
以上
2011.06.10 Reported by 江藤高志













