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【J2:第18節 徳島 vs 湘南】レポート:スタメン変更で起こした変化を見事勝利に結び付けた徳島。佐藤のハットトリックも飛び出し湘南を撃破。(11.06.26)

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6月25日(土) 2011 J2リーグ戦 第18節
徳島 4 - 0 湘南 (18:34/鳴門大塚/3,558人)
得点者:3' 島村毅(徳島)、58' 佐藤晃大(徳島)、68' 佐藤晃大(徳島)、88' 佐藤晃大(徳島)
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徳島も、湘南も、今節の一戦を戦うにおいては変化が必要であった。前節までの良くない流れを断ち切るための明確な変化が─。だからこそどちらも4人ずつ前節からスタメンを変更。中にはケガからの復帰も含まれるが、それでも両者はゲームに入るチームの姿を変えることでそれを起こそうと試みたのである。
そして結果から言えば、まさにそれが功を奏す形で勝利を掴んだのは徳島。チームは久しぶりにスタメンへ名を連ねた選手たちに牽引されて躍動し、見事トンネルを抜け出すことに成功した。逆に湘南はそうした策も効果を生み出すには至らず。光明を見出せないまま3連敗となる敗戦を喫してしまった。

開始から僅か3分、徳島は9節(千葉戦)以来9試合ぶりの先発となった右サイドバック・島村毅がいきなり期待に応えて見せる。スローインを津田知宏へ投げ入れると自らそのリターンを受けて中央へカットイン。湘南の寄せが甘いと見るやさらにもう一歩中へと運んで迷わず左足を振り抜き、素晴らしい弾道のミドルを叩き込んだのだ。すると、積極性に満ちたこの島村のゴールがチームを目覚めさせる強烈な刺激剤となる。事実その後の徳島は、柿谷曜一朗が60m以上を単独ドリブルで持ち上がりフィニッシュにまでもっていけば、衛藤裕も抜群の広い視野でループシュートを狙い、また組織としてもテンポのいいボール回しで局面を崩すシーンを幾度となく披露するなど、一気に攻勢を強めていった。

それに対し湘南は、「もう少し攻守にわたって走力を使いたかった」(反町康治監督)ことでアジエルと坂本紘司を先発から外していたことにより中盤での収まり所がなく、なかなか組織としての戦いを構築できない。その上またしても許した早い時間帯の失点が精神的に響いたのだろう。選手たちには早い時間から苛立ちのようなものが感じられ、それを表すようなミスもピッチ上では見受けられた。ただ、それだけ苦しい状況にあった前半を1失点で凌いだことは湘南にとって悪くなかったはず。そしてハーフタイムを挟んで56分にアジエルとルーカスを同時投入した時には、徳島の守備陣が時折リスクマネジメントを少し欠くような部分を見せていたことから、抜け目ない彼らにそこを突かせればきっとゲームをひっくり返せると狙っていただろう。

しかし、そうした湘南の目論見をすぐさま徳島の背番号18がひねり潰す。湘南が前記の2人を送り込んできた直後の58分、4試合ぶりにスタメンとして最前線を任された佐藤晃大が西嶋弘之のクロスを打点の高いヘディングで合わせて貴重な2点目をもぎ取ったのである。さらにこの得点でハッキリ自信を蘇えらせた佐藤はここから止まらない。その10分後に「練習でもあまり見たことがない」と美濃部直彦監督も驚いていたほどの豪快ボレーで再びネットを揺らすと、88分には徳重隆明のお膳立てをもらってハットトリック達成。湘南の息の根を完全に止めるチーム4点目を挙げた。
と、ここで加えて触れておきたいのだが、この一戦全体における佐藤の働きを見ればその3ゴールも貢献の一部に過ぎないと言えるだろう。前線での献身的なチェイシング、攻撃に移ったときの起点作りと、彼は非常に高い評価に値する動きを序盤から継続。先制点を奪った島村をこの日のチームの始動スイッチと表現するならば、佐藤は紛れもなく90分にわたって組織に活性をもたらし続けたパワフルな駆動エネルギーであったと言えるのではないだろうか。

いずれにしても徳島は自らにしっかり変化を起こして白星のない状況から脱出。しかもこれだけいい形での勝ち方をしたことにより、チームには次節以降へ繋がる勢いも付いたことだろう。とは言え、今回突如1ヶ月にもわたって苦しんだように、チームはちょっとした部分であっという間に状態が変わってしまう難しいもの。それだけに「まだまだ甘いところが見え隠れしているのでそこを修正しながら、そして連戦になるのでコンディションを整えながら頑張っていきたい」と話した指揮官のもと、選手たちはいっそうの厳しさを持って翌日からまた己を磨き、常に万全の準備をして眼前の戦いへ向かわなくてはならない。

さて最後に、2戦連続の4失点で3連敗となった湘南についてだが、今は細かなこと云々よりもとにかくメンタル面の立て直しが最優先のように思われる。やや見失ってしまった感のある自分たちをもう一度取り戻すことがきっと復活への第一歩であろう。それを感じているからこそ高山薫も「湘南らしさを出していけるように選手間でよく話し合いをし、次に向けて切り替えて頑張りたい」と口にしていたが、チームは中3日でやってくる次節でこそ何としても変化を発生させて現状を打破しなければならない。

以上


2011.06.26 Reported by 松下英樹
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