6月25日(土) 2011 J2リーグ戦 第18節
水戸 2 - 3 F東京 (16:04/Ksスタ/5,021人)
得点者:54' 森重真人(F東京)、60' 梶山陽平(F東京)、66' 保崎淳(水戸)、79' 石川直宏(F東京)、89' 村田翔(水戸)
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序盤からF東京の流麗なパスワークに水戸は翻弄される。ボールの取りどころがはっきりしないため、水戸はいつもの激しいプレスをかけられず、自陣に押し込まれる展開を強いられることとなった。しかし、「F東京の個人技(の高さ)とパスワーク(のうまさは)分かっていた」と柱谷哲二監督が言うように、試合前からそういう展開を想定済み。どんなに攻め込まれようと、水戸は焦ることなく、むしろ攻め急ぐF東京の隙を突いたカウンターからチャンスを作り出す展開を作った。
しかし、54分に森重真人に見事なFKを決められ先制点を許すと、60分には梶山陽平にPKを決められてしまう。プラン通りに試合は進み、「流れの中では崩されていない」(柱谷監督)にも関わらず、2点のビハインドを負ってしまったことで、チームの緊張の糸は切れかかりそうになった。
だが、そこから水戸が底力を発揮する。その根底にあったものは、「鳥栖戦のような試合をしてはいけない」(塩谷司)という思いであった。2失点目を喫して、集中力を欠き、ホームで大量失点での敗戦を喫するという屈辱をもう二度と味わいたくないという思いが選手たちを鼓舞した。
水戸は下を向くことなく、チームが一つとなって果敢にF東京を攻め立てる展開を築いた。それが66分のPKを呼びこんだ。左サイドでロメロ・フランクと島田祐輝がテンポのいいパス回しを見せてF東京のプレスをかいくぐり、ペナルティエリア横に走り込んだ村田翔へ。ボールを受けた村田は縦に切り込むかと見せかけて、ヒールパスを送ると、走り込んだ保崎淳が勢いに乗ってペナルティエリア内に突入した。そして、保崎が倒され、水戸がPKを獲得したのだ。1つのボールに4人以上が関わって獲得したPK。「2点取られてもやることを変えなかったからPKを獲得できた」と島田は胸を張った。保崎が蹴った意表を突くチップキックシュートはGKに止められるものの、こぼれたボールを保崎自らが蹴り込んで1点差に迫る。
その勢いのまま、猛攻を仕掛けたいところだったが、71分に岡田佑樹がこの試合2枚目の警告を受けて退場処分に。水戸は数的不利となり、さらに79分に梶山からのスルーパスを受けた途中出場の石川直宏にゴールを決められ、再び2点差とされる。万事休したと思われた。
だが、水戸はたくましかった。決して攻め手を緩めず、最後までF東京に襲いかかった。そして89分、左サイドを突破した島田がクロスを上げる。DFにクリアされるものの、セカンドボールを拾った村田が冷静にボールをコントロールし、深い切り返しでDFをかわしてから左足を一閃。ゴール左隅に突き刺し、再び1点差に迫ってみせたのだ。
結局、1点が届かず、水戸は4試合ぶりの敗戦を喫したものの、選手たちはまさに“闘将魂”の権化として最後まで勝利をひたむきに追い続けた。「“やりきる”“出し切る”ことはできたと思います」と柱谷監督は選手たちを称えた。水戸として、今できることをすべて出し切っただけに悔いはなかった。
しかし、それでも勝てなかったという事実に関しては重く受け止めなければならない。特に前半からミスが多く、自分たちで流れを悪くする連続であった。精神的な強さにより、1点差という接戦に持ち込んだが、技術面や戦術面においてF東京が数段階も上であることは明白であった。サッカーには“気持ち”は必要だ。しかし、“気持ち”だけで勝てないのもサッカー。この日痛感した力の差をこれからいかに埋めていくか。「選手の成長を待つのか、選手を替えていかないといけないのか。夏にはそういう判断が必要になってくると思います。ただ、なんとかこの選手たちでやりたいので、選手たちの成長を祈っています」。柱谷監督の温かくも厳しい言葉から何を思うか。“善戦”が称えられるのも今のうちだけ。チーム始動当初からチーム作りの目安にしていた「夏場」にいよいよ突入する。これから水戸は本当の強さを身につける段階に入ることとなる。
3連勝でついに昇格圏内の3位に顔を出したF東京。堅固な守備に苦しんだものの、しっかり勝ち切る強さを身につけたことは何よりの収穫と言えるだろう。それはJ2の戦いに慣れてきた証拠でもある。
その中で最も大きな収穫は石川直宏のゴールだ。けがで苦しみ続けてきた石川が調子を上げてきていることは今後に向けての大きな財産となるに違いない。また、負傷で離脱していた鈴木達也の復帰も勝利に花を添えることとなった。「交代選手が具体的な仕事をしてくれたことが今後に向けて心強い」と大熊清監督も石川の復帰を手放しで喜んだ。
リーグ開幕からけが人が続出するなど、悪いニュースばかりが転がり込んできたチームに、やっと明るいニュースが舞い込み始めてきた。チームとしての底を脱したことは間違いない。いよいよJ1昇格の最有力候補が本領を発揮しだした。それを印象付けるのに十分なゲームであった。
以上
2011.06.26 Reported by 佐藤拓也
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