6月25日(土) 2011 J2リーグ戦 第18節
東京V 4 - 0 岡山 (18:03/味スタ/2,846人)
得点者:6' 菊岡拓朗(東京V)、9' 河野広貴(東京V)、34' 河野広貴(東京V)、60' マラニョン(東京V)
スカパー!再放送 Ch181 6/26(日)深02:00〜
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試合前までともに3勝3分5敗同士だったが、14位東京Vと15位岡山、たった1つの順位差には大きな差があると感じるほど、内容・結果とも東京Vの一方的なゲームとなった。
東京Vは、5-1で大勝した前節・富山戦からの良い流れを、チームとしても個々としてもしっかりと持続することができていた。
前節を振り返り、多くの選手が「先制点が大きかった」と語っていたが、前半6分、菊岡拓朗がCKで直接ネットを揺らしてこの試合も先制に成功すると、同9分には森勇介のクロスに河野広貴が合わせ追加点。「森さんを見て、絶対に低いボールが来ると思ったから、本当は一瞬止まって出るのやめようかとも思ったけど、信じて走り込んだらピッタリ合った。当てるだけだった」。わずか3分で2−0とし、完全に主導権を奪った。
そして、個人にとってもチームにとっても、より意義があったのはここからだったのではないだろうか。
前半35分、自らの起点から、菊岡拓朗が出したトリッキーな浮き球に阿部拓馬が反応し折り返すと、相手DFのクリアがルーズになって流れたボールに走り込んだのは、河野。迷わず放った左足シュートはポストを叩いたが、「返ってきた(笑)」というように真正面に戻ってきた絶好球を右足で振り抜いた。自身プロ入り初だという1試合2ゴールには、河野の変化が表れていたように思う。
「今までは、1点取ったらそれで満足して止まっちゃうところがあった。でも、今日は守りに入らず声を出し続けたら上手く2点が入っちゃった。みんな本当に喜んでくれて、2点を取ることの気持ちよさを初めて知りました。去年、とにかく点が取れなくて本当に苦労したので、取れる時に取っとかないという気持ちは正直強い。その後、3点目も狙ったんですが、それがアシストになってくれて、それも良かった。これからも、どんどん点を取っていきたい」
昨季の苦悩が、ゴールへの貪欲さを格段引き上げたようだ。それがプレーとして表れていたこと、また、1試合で2得点、もしくはそれ以上の得点を挙げることの喜びを実感できたことは、本人にとっては非常に大きな価値があったのではないだろうか。「1点取れたから、これからは入るようになると思う」今後の爆発を誓う21歳の言葉を信じたい。
そして、前述で河野が語ったアシストは、後半15分のマラニョンへのものだった。ドリブルで中央を突破した阿部からのマイナスのパスで放ったシュートを、新加入ブラジル人が頭で押し込んだ。マラニョンにとっては、これが移籍後初ゴール。人柄が良く、チームメイトみんなから愛されている彼の得点は、チーム全員に喜びをもたらせたという意味でも価値があった。
ハーフタイム、川勝良一監督は「横浜FC戦の経験を生かそう」と指示を与えている。横浜FC戦、つまりは2点リードしてからの逆転負けの屈辱の経験を生かそうということであり、「4点目を取りに行く気持ちが一番大事」ということだろう。それをきっちりとやり遂げたことは収穫だ。
また、ゴールという結果にはならなかったが、この試合で最も鍵となっていた阿部のキープ力、運動量、スピード、ゴールへの推進力は圧巻だった。さらに、土屋征夫、高橋祥平の両センターバックがオーバーラップからビッグチャンスを作ったシーンは、点差に関係なく追加点を目指す姿勢の表れだったろうし、後半16分から、この試合が最後となる高木善朗を投入したことで、彼のゴールへ対する姿勢と、「善朗にゴールを決めさせてあげたい」という仲間の思いがよりアグレッシブな攻撃を生み、結果として無失点にもつながっていたのではないだろうか。
一方の岡山は、「まずはしっかりと守って」というゲームプランを、わずか6分で挫かれたのが大きく響いたようだ。反撃に出たくても、東京Vの巧みなボール回しに奪いどころを見いだせず、あっという間に2点目を失っていた。チームの攻撃の形である、1トップのチアゴに入れてそのセカンドボールを周りが狙うという形も、チアゴにボールを送る前に寸断された。また、小林優希、澤口雅彦といった機転のきく中盤選手も、守備に回る場面が多く、なかなか思うようにボールを保持することができなかった。「ゲームを作れる人がいるかいないかがヴェルディとの差だなと感じました」と、小林優は悔しそうに語った。そして、「苦しい状況だけど、何とかしなければいけない。まずは点をとるためのゲームを作れるようになることから取り組んでいきたい」と続けていた。
試合後、高木善朗は大量得点で連勝したチームへ、「僕がいなくても、問題なく強いチーム。絶対に昇格すると信じています」とエールを送り、オランダへと旅立った。同じヴェルディの下部組織の先輩・河野が口にした通り「善朗がいなくなるのは寂しい」。しかし、この試合で見られた、阿部、河野、マラニョン、菊岡ら攻撃陣のテクニックとアグレッシブさ、佐伯直哉、小林祐希らの展開力とカバー力、森、和田拓也の攻撃的両サイドバック、そして、土屋征夫、高橋祥平、GK柴崎貴広の堅守。加えて福田健介、平繁龍一らベンチメンバーに加え、飯尾一慶、平本一樹、富澤清太郎らも復帰へ向け着々と爪を研いでいることを思えば、高木の言葉にもうなづく。
始動から「全員で昇格を」と積み上げてきただけに、一人抜けてしまったことは非常に残念だが、未来有望なチームメイトを快勝という最高の形で海外へ送りだした川勝ヴェルディ。ここからはまた、残りのメンバーで、より強く、より楽しいサッカーを追求し、よりまとまったチームを作り上げていきたい。
以上
2011.06.26 Reported by 上岡真里江
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