6月26日(日) 2011 J2リーグ戦 第18節
千葉 2 - 2 栃木 (19:03/フクアリ/9,611人)
得点者:2' リカルドロボ(栃木)、25' 深井正樹(千葉)、34' 米倉恒貴(千葉)、40' リカルドロボ(栃木)
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試合終了後、千葉の選手には千葉サポーターから少なからぬブーイングも混じった拍手や声援が送られた。目前のライバルに勝てば再び首位に立てる一戦での引き分けという結果。アウェイゲームで思うように勝点が取れない中、前節まで5戦全勝だったホームゲームでの連勝ストップ。それらは、何よりも結果が全てといえるようなJ1昇格争いをしている千葉にとってはブーイングすべきマイナス材料と考えたサポーターがいたのかもしれない。だが、人の考え方は千差万別とはいえ、筆者にはブーイングは違和感があった。
栃木のDF大久保裕樹のロングスローの情報は入っていたうえに、セットプレーなどで失点があった試合のあとには「ゾーンで守っているならば、自分のゾーンでは体を張って相手に絶対に自由にやらせてはいけない」と何度も反省したにもかかわらず、あまりにもあっさりと失点した2分の場面。ペナルティエリアの中に千葉の選手は多くいたのに、セカンドボールの処理がうまくできず、栃木のFWリカルド ロボに角度のないところから見事に同点弾を決められた40分の場面。そして後半のアディショナルタイムに千葉がペナルティエリア前まで攻めながら、シュートがないまま試合終了となった場面。お粗末ともいえる、これらのもったいない場面は、ブーイングされても仕方のない材料だと思う。
だが、試合全体を見れば、拍手や声援を送るべき材料も少なくなかったはずだ。オーロイが累積警告で今節は出場停止となった時、他の選手の力を信じて期待しつつも「点が取れるのか?」と不安を感じた千葉サポーターはいたはずだ。しかし、千葉は2点取った。オーロイに代わって1トップを務めたFW久保裕一は、ポストプレーヤータイプではないのに前線で体を張った。ゴールこそなかったが、スペースへ抜け出す動きのうまさを発揮してMF米倉恒貴の得点をアシスト。ボールを追って動き回った久保の姿は、6月23日に熱中症でダウンした選手のものとは思えなかった。また、守備でも奮闘したFW深井正樹は、今季の好調ぶりを表わすような豪快なゴールを決めた。「『魂』で戦います」と言っていた米倉は、果敢にゴール前に飛び込んでスライディングシュートで得点した。
千葉のチーム全体を見ても、立ち上がりはなかなかいい形でボールが回らなかったが、前半の中盤あたりからはパスをつなげられるようになり、優位に試合を進めていた。右はMF山口慶、左はDF青木良太の両サイドバックは、今節は攻め上がる回数がこれまでになく多いほうだった。オーロイがいる時と同じようなロングボールの攻撃ももちろんあったが、栃木の組織的なプレス守備に対しては状況によっての地上戦と空中戦の使い分けが必要だった。オーロイ不在時のオプション、攻撃のバリエーションの増加が課題の千葉にとっては、今節はわずかでも進歩の手応えのある一戦だったとはいえないだろうか。
試合開始早々の先制ゴールで波に乗り、序盤はリズムをつかんだ栃木だが、一発で千葉のDFの背後を狙うパスは出し手と受け手の意図が合わなかったり、精度を欠いたりした。持ち味の鋭いカウンター攻撃も見られたが、千葉にスピードダウンさせられたり、シュート決定力を欠いたりで、千葉を突き放すゴールが奪えない。オーバーラップが得意な左サイドバックのDF那須川将大の攻め上がりがあまり目立たなかったことが象徴するように、ボールを奪ったあとのパスミスでリズムを失った感がある。また、守備ではマークミスで相手をフリーにさせて失点を招き、思うように主導権を握れなかったのが悔やまれる。
千葉は昨季の同数試合消化時と勝点、得点、失点の数に大差がなく、今節の引き分けは上位3チームから1勝もできずにJ1昇格を逃した昨季を思い出させるのかもしれない。昨季の千葉は強くなかった。そして今季の千葉もまた、松田浩監督が率いて3年目で攻守の成熟度が高い栃木に競り勝てなかったようにまだ強くない。結果しか見ないならば、例えば後半のアディショナルタイムのゴールでの勝利は盛り上がるし、チームの粘り強さを感じさせる。だが、本当に強いチームは後半のアディショナルタイムに入る前に試合を決めている。強いチームになってJ1に上がろうともがきながら戦っている選手を目の前で見ながら、今の千葉の力を過信してマイナス材料しか見えないブーイングならば残念だ。
以上
2011.06.27 Reported by 赤沼圭子
J’s GOALニュース
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