6月26日(日) 2011 J2リーグ戦 第18節
京都 1 - 1 横浜FC (18:04/西京極/8,075人)
得点者:59' 中山博貴(京都)、75' カイオ(横浜FC)
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好調な京都と横浜FCの激突は、互いに譲らず1−1のドローとなった。内容は、互いの気持ちが充分に伝わる、期待に違わぬ素晴らしいものだった。
メンバーは両チームとも前節と同じ。前半から互いの思い、思惑が見えて来た。横浜FCは守備から入った。カズ(三浦知良)も守備意識が高く、京都の縦パスを警戒。奪った後も判断速く展開していく。京都は横浜FCのロングキック一本のサイドチェンジに対し、ラインを下げることなく落ち着いて対応。互いに譲らずの印象だった。39分に野崎陽介がドリブルから切り崩そうとした場面が、前半の決定機だったという位か。
後半、CKから秋本倫孝が頭で合わせる場面を作ると、その辺りから京都がリズムを掴み始め59分、中山博貴がスコアを動かす。最前線から少し落ちて久保裕也がボールを受けると少し持ち、斜め右の内藤洋平へ。そこからDFの間にポジションを入れ込んだ中山博貴へ。ワントラップでDFより一つ前に出ると落ち着いてゴール上部へ蹴り込み、京都が先制する。
対する横浜FCは八角剛史を入れて(OUTカズ)3バックにフォーメーションを変更、反撃を計る。すると75分、セットプレーの流れたボールをつないで、左から藤田優人がクロスを入れると西田剛が頭で折り返し、藤田祥史が頭で落とすと最後はカイオが左足を振り抜き同点弾を叩きこむ。
これを受け京都はドゥトラを投入(OUT伊藤優汰)、打ち合いの様相を呈する様になる。79分には金成勇が抜群のターンで前を向いてアーリークロスをドゥトラに合わせ、82分には逆にカイオが柔らかいシュートで狙いバーに弾かれ、86分にはドゥトラが中盤で奪ってサイドへ展開し、最後はヘディンシュートでゴールを狙うなど、互いに見せ場を作り合う。だが、1点が遠く結局1−1のままドロー。白熱した試合は勝点1を分け合う結果となった。
「戦略を持って臨んだ」とは横浜FCの岸野靖之監督。京都のサイドを突く攻撃を横浜FCは繰り返した。だが、京都もこれに対し、素晴らしい対応をみせた。
このサイド攻撃に対し、京都は慌てることなく、ラインを下げずに強気に対応したのだ。「絶対にやられたくないという気持ちでやっています。負けられない状況が続いているので、僕としては気持で負けないことが大事かなと思って意識しています」と酒井隆介が語った通り、気持ちのプレーが、観ている方にも伝わる最終ラインだった。
DFがラインを保てる要因として、前線からの守備が挙げられるだろう。前線が質の高い守備をするから最終ラインが安定し、最終ラインが安定するから、前線も守備ができる。つまり全員が意識を合わせて守備をしているということで、それがスタンドで観ていて強く伝わってきた。
さらに言うと、染谷悠太、酒井隆介は京都のCKで、相手ゴール前まで上がり、攻撃が終わると全力でポジションに戻る。加藤弘堅も左CKが流れて相手スローインとなるや否や全力でポジションに戻っていた。中山の得点後、染谷はセンターサークルで相手がキックオフの準備をしているのを制するかの様に歓喜の輪を見つめ、皆が戻って来てから自分のポジションに入っていった。これらのプレーから、選手が本当にゲームに入っているなと感じさせてくれるのだ。こうした精神的部分でも、わずかな試合の中で大きく変化した選手の成長ぶりは頼もしく映る。
岸野監督は京都の戦い方、というか守備について試合後の会見でコメントを残しているが、それについて一つだけ。
後半、ドゥトラ投入後から、京都は相手守備陣からボールを奪ってチャンスにつなげている場面を作っていたが、その数は草津戦よりも多く感じさせた。草津との違いは、それが点になったか、ならないかだけだろう。つまり、京都の守備についての分析は進んでいるが、それでも、京都は自分たちのプレッシングでチャンスを作っている、ということである。
特徴とはそういうものだろう。高さのあるチームが高さを武器にし、走力のあるチームが走力を武器にするように、京都は京都の特徴を武器にする。分析されたとしても武器になるということではないか。
さらに言えば、京都の特徴は守備の部分だけではないはずだ。京都は、積極的な守備で主導権を握れ、かつまた、攻撃でも主導権を握れるチームだと思っている。守備の特徴、攻撃の特徴、これらは言わば両輪。どちらかが特に強いということではないはず。
草津戦、そして、今節の横浜FC戦、京都は崩して得点を挙げている。この攻撃も京都の特徴であるし、京都はその練習を繰り返ししている。よく大木監督が口にする「練習通りのことをしてくれれば」という意味はそういうことなのだろう。
誤解が出ない様に補足すると、京都の特徴ある攻撃は出ている。得点シーンはそうなのだから。だが、それをスタートから弛ませることなく出し続けることがポイントになる、ということなのだろう。
今節のゲームは面白かった。横浜FCの対京都の戦略から、京都の一歩も引かない気持ちをみせた守備。そして、京都らしい得点、だが、横浜FCの意地の一撃。勝点1の分け合いは悔しさの方が勝るだろうが、だが、それぞれの気持ちが溢れだしてくる素晴らしい内容だったのではないだろうか。次節もまた期待したい。今度は勝点3も共に……。
以上
2011.06.27 Reported by 武田賢宗
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