6月29日(水) 2011 J2リーグ戦 第2節
大分 1 - 0 横浜FC (19:05/大銀ド/5,384人)
得点者:55' 井上裕大(大分)
スカパー!再放送 Ch185 6/30(木)後07:00〜
☆豪華賞品が当たる!totoリーグに投票しよう!
----------
中2日の連戦ということもあり、選手たちの足はいつもより重かった。前節から遠征が続いているアウェイチームは、中盤でのつなぎでミスが多く自らピンチを招く。対するホームチームも、アタッキングサードでのアイデア、ラストパスの精度を欠いてチャンスをフイにしてしまう。
互いにミドルレンジからのシュートでしかチャンスをつくれなかったが、28分に柳沢将之が2枚目の警告を受け、大分が優位な状況になる。実際にゴール支配率はそれまでにも増して一方的なものになっていく。ただ、その数的有利は大分にとって歓迎すべきものではなかった。
「相手が1人少なくなってから普通なら楽な展開になるのだが、厳しい試合になった」(田坂和昭監督)。自陣で8人がブロックを形成した横浜FCを崩し切れなかった。
引いた相手を崩すことは、どのチームも苦手としているだろうが、大分の若いボランチの2人には、少し荷が重すぎたのかもしれない。これまで中盤の底は、全試合先発で出場していた宮沢正史を軸に相棒が決まっていた。今節は週末の北九州戦を含め「3連戦を見据えて」(田坂監督)、宮沢はベンチスタートとなった。ピッチに送り込まれたのは4年目の井上裕大と2年目の幸野志有人だった。
難しいシチュエーションだったことは確かだ。守備を固める相手にカウンターをケアしながら試合を組み立てていかなければならず、警戒するあまり横パスが増え、相手に脅威を与えるタテパスが出るシーンは、ほとんどなかった。
横浜FCのボランチ寺田紳一は、攻撃に人数をかけられないなか、タメをつくりサイドハーフの上がりを促す。3バックの大分が5バックにならざるを得ない状況を作り出し、苦しめたのとは対照的だった。
井上、幸野には苦しい展開だからこそ、若者らしさを見せてほしかった。ガムシャラさ、必死さ、強引さを。空回りになってもいい。苦しいときこそ突破口となるのは、えてしてそうしたプレーであるからだ。
試合を決めたゴールは、井上のセカンドボールに対する意識の高さから生まれたものだが、1人少ない相手に1点だけでは寂しい限り。これまでリードしながら逃げ切れなかったチームが1点を守り切れたのは成長であるが、追加点を奪えなかったことは大きな課題である。今季初の連勝の価値にケチをつけるわけではないが、勝ったときこそ兜の緒を締めたい。
一方、1人少ない状況で最後までホームチームを苦しめた横浜FCは、寺田の配給から、カイオ、藤田祥史、野崎陽介らサイドの選手が絡み、幾度となく決定機をつくった。「このチームはもっともっと良くなる」と岸野靖之監督が振り返ったように、可能性を感じさせた試合となった。
以上
2011.06.30 Reported by 柚野真也













