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【J2:第2節 鳥取 vs 岐阜】レポート:ホーム連勝と、6連敗が止まる引き分け。それぞれ課題とともに、収穫も得る勝点1に(11.06.30)

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6月29日(水) 2011 J2リーグ戦 第2節
鳥取 1 - 1 岐阜 (19:03/とりスタ/2,633人)
得点者:51' 佐藤洸一(岐阜)、68' 水本勝成(鳥取)
スカパー!再放送 Ch183 6/30(木)後00:30〜
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京都、湘南と昨季のJ1クラブにホームで連勝中の鳥取と、6連敗で最下位に沈んでいる岐阜の対戦は、それぞれの連勝と連敗が止まり、引き分けで勝点1を分け合う結果となった。

鳥取のホームでの連勝を支えていたのは、それぞれが運動量豊富に、かつ的確に動いて相手を追い込んでいくディフェンスにあったが、この日は思うようにボールを奪えず。松田岳夫監督が「連戦ということもあり、守備のところでプレスが効き切らなかった」と語った守備の機能不全が、リズムに乗れない要因となった。さらに、攻撃の狙いがディフェンスラインの背後のスペースに偏り過ぎたことで、中盤の選手が前線に入り過ぎる場面が目立ち、相手のラインが下がっているときでも、中盤でパスをつなぐことができない。背後のスペースは岐阜攻略の狙い目としていたところで、実際にそこを突いて作ったチャンスもあったが、縦に早い展開が増えたことでボール支配率が下がり、「自分たちがボールを持っている時間が少なかった」(松田監督)という状況が続いた。
鳥取はこの日、2列目の中盤の一角、吉野智行が前節の負傷で欠場し、代わりに鶴見聡貴が同じポジションで先発。プレーの特性と、これまでの起用法を考えれば、右サイドの実信憲明を吉野のポジションに移し、鶴見を右サイドで使う選択肢もあったが、松田監督は鶴見の突破力や運動量を、バイタルエリアの攻略に生かしたい狙いがあったという。しかし結果的に前述のように、鶴見や小井手翔太が前に入り過ぎて機能せず、攻撃全体がリズムに乗ることができなかった。

何とか連敗を止めたい岐阜は、佐藤洸一が「守備から、うまくできていた」と振り返ったように、強い危機感と勝利への意欲が、序盤からボールホルダーへの厳しいチェックとなって表れていた。26日にナイトゲームを戦って中2日の鳥取に対し、中3日で体力面のアドバンテージがあったことも奏功し、中盤の攻防で優位に立つ。ゴールに近づいてからのプレーが精度を欠いて前半は得点を奪えず、鳥取に背後のスペースを狙われてピンチもあったが、流れは決して悪くなかった。

そうした中で後半立ち上がりの51分、岐阜が先制点を奪う。鳥取のセンターバック、喜多靖が負傷交代を余儀なくされ、後半開始から交代で入っていた水本勝成が試合の流れに乗れないまま、不用意にボールをキープしたところを狙ってボールを奪うと、大きなサイドチェンジを経て、攻め上がってきた野田明弘がセンタリング。「ニアに見せかけてファーに流れて、来ないかな、と思っていたら来た」という佐藤がヘッドでたたき込んだ。6連敗中は2得点のみ、それもセットプレーとPKによるものだったが、久しぶりにそれ以外の形で得点を奪い、さらに優位に立つかと思われた。

しかし、その後は鳥取が主導権を奪う。59分に鶴見に代えてハメドを投入し、4−4−2に変更すると、そのハメドの突破力を生かして反撃に転じた。岐阜が「2トップのパワーに対して疲れもあり、足元が不安定になった」(岐阜・木村孝洋監督)こともあり、敵陣に迫る回数が増える。68分には、ハメドがDF数人を振り切ってシュートに持ち込み、CKを得ると、1度目はクリアされたが、2度目のCKで、美尾敦の蹴ったボールに水本がヘッドで合わせ、汚名返上となる同点ゴールを奪った。

これで、さらに鳥取は押せ押せの展開に。70分には、再びハメドが左サイドに流れてパスを受けると、ペナルティーエリアに入ったところで対峙したDFをかわし、フリーとなった。ボールはすでにゴールラインを割ろうかという位置にあり、シュートは難しいかと思われたが、ほとんど角度のない位置から左足を小さく振り抜き、GKの頭上を越えるループシュート。超絶技巧のスーパープレーだったが、右ポストに当たったボールはピッチ側にはね返り、惜しくも同点はならなかった。
その後、ドドも投入して前への圧力を強め、セットプレーからもチャンスを作った鳥取に対し、岐阜も終盤は粘りを発揮して徐々に押し返す。4分のアディショナルタイムも終わろうかという終了直前には、交代出場の新井涼平が相手のミスを突いてボールを奪い、一気にカウンター。左サイドでは染矢一樹が完全にフリーとなっており、パスが通っていれば劇的な決勝点、というシーンだったが、新井のパスがずれてシュートに持ち込めず。染矢はその後の流れからシュートを放ったが、わずかに外側に外れ、直後に試合終了のホイッスルが鳴った。

岐阜は、佐藤が「勝ち切りたかった」と語ったように、結果的に先制点を生かすことはできなかったが、木村監督が語った「メンタル面で、これまで以上の準備や、試合に取り組む姿勢を持って戦った」という姿勢が積極性につながり、連敗は止めることができた。依然として苦しい状況に変わりはないが、木村監督は「選手だけで勝利をつかめるとは思っていません。われわれスタッフ、ファン、サポーター、みんなの力をプラスに変えて、何とか次は勝点3を目指す、勝ち取る試合をしていきたいと思っています」と次節、ホームでの京都戦(7/3@長良川)への思いを語った。
鳥取も、後半の勢いを思えば、逆転できなかったことが悔やまれるが、これまで先制された4試合は全敗していたことを思えば、苦しい状況から盛り返したことはプラスと言える。次節は再び中2日、アウェイに乗り込み、F東京との『ゲゲゲのダービー』(7/2@味スタ)。体力面の厳しさが増す中で、チームのベースである守備からリズムをつかめるかがポイントになりそうだ。
 
 以上


2011.06.30 Reported by 石倉利英
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