スカパー!生中継 Ch308 後06:55〜
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今季、名古屋がリーグ戦で喫した敗戦はわずかに3試合。そのひとつが甲府とのアウェイマッチだ。AFCチャンピオンズリーグのUAE遠征から中3日で迎えた一戦は、増川隆洋曰く「あんなに体が動かなくなるとは」というほどの悪コンディションで臨み、完敗。1−3というスコアを築いたのはもちろん甲府の実力だが、名古屋にしてみればディスアドバンテージに負けた試合でもあった。その次戦から築き上げた16戦連続無敗という快記録は、その結果への反発力も大きかったに違いない。現在の順位は名古屋が2位、甲府が降格圏内の16位だが、名古屋にとってのこの一戦は、まずはリベンジを期するものとなる。
前々節で連続無敗記録がストップした名古屋だが、昨季同様にリーグ戦での連敗をしない強さを前節で見せつけた。しかもストイコビッチ監督体制下では鬼門となっていたアウェイ等々力での川崎F戦で見事な逆転勝利。ケネディが得点ランク単独トップに躍り出る2ゴールを挙げ、難敵を退けた。これで13ゴールと昨季の18ゴールに迫る勢いで得点を量産する長身ストライカーは、前回の対戦時は欠場していた文字通り大きな武器。甲府のゴール前には186cmダニエルがいるが、194cmのケネディを相手に制空権を確保することは難しいだろう。アウェイということで甲府はカウンター狙いの引いた布陣で挑んでくることが予想されるが、その上から攻略の糸口を作る背番号16の存在は、何とも頼もしい限りだ。
しかし甲府の攻撃陣も侮れない。前節ではツートップに相性のいいハーフナー マイクと片桐淳至を組ませ、サイドハーフに柏好文とパウリーニョを配したが、この4選手の縦への推進力は素晴らしかった。特にサイドハーフの2名は運動量も多く、突破のアイデアも豊富。さらには交代選手には元名古屋でスピードのあるダヴィと、得点技術の高い阿部吉朗が控えており、攻撃の駒は質、量ともに揃っている。大黒柱ハーフナーは苦しいチーム状況の中で10得点と安定した力を発揮しており、この日も甲府のキーマンとなるだろう。中盤で落ち着いた守備とパスさばきを見せる山本英臣と合わせ、甲府の攻撃のバリエーションの多さは注目しておきたいところ。浦和に勝利し、鹿島と引き分けてきたここ2試合の好調ぶりも、この試合の予想を難しくさせる要素だ。
ともに194cmの長身FWを前線の起点とするチームだが、その使い方は実に対照的だ。ケネディにパスを当て、全体の押し上げを図る名古屋と、ハーフナーをカウンターの起点とする甲府。彼らがその後ゴール前でフィニッシャーとしての役割を負うのは同じだが、パスの距離や展開の速さが違う。ゲームとしては名古屋が支配する形が大半を占めるだろう中で、前線で孤軍奮闘する割合はハーフナーの方が多くなることは必至。サポートの多いケネディが足元の技術を生かしてパスワークに積極的に参加するのに対し、ハーフナーは独力での突破、そして競り合いのセカンドボールを片桐や柏、パウリーニョがシュートに持ち込む形がメインとなるだろう。どちらのスタイルが正解というわけではない。どちらが成功させるかで、試合の流れはいかようにも変わる。彼らのプレーは、結果を左右する重要なファクターとなるだろう。
名古屋は16日間で5試合という真夏の過酷な日程が、これでようやく一段落する。首位を追う一番手としての位置をキープする意味でも、ホームでの連敗を避ける意味でも、良いイメージのままこの後の小休止に入るためにも、甲府との一戦は勝利が欲しいところ。疲労困憊の体を奮い立たせ、王者の地力を見せつけるような展開を期待したい。
以上
2011.08.26 Reported by 今井雄一朗













