スカパー!生中継 Ch179 後06:50〜
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8月に入って1勝2分と、まだ負けていない愛媛。結果を振り返れば確かに1勝4敗に終わった7月から上向いたように感じられる。しかし、それは「3戦負無し」と胸を張れるような内容までには至らない。前々節のホーム、湘南戦では無失点で切り抜けたものの攻撃面での迫力を欠き、スコアレスドロー。その闘争心を欠いた試合に、バルバリッチ監督は「試合に出るだけで満足してはいけないし、出場するだけで満足するのならその辺の草サッカーでやればいい」とまで言い放ち、まくしたてた。
そして、前節の北九州戦は前半で2点をリードしながら、試合終了間際に追いつかれてまさかのドロー。「先に2点を取って、気持ちが守りに入ってしまったのかもしれない。ああいう状況でもそれまで通り、ゲームを進めなければ」と悔やんだのは新加入のDF大野和成。愛媛で初先発を成し遂げた試合はほろ苦いデビュー戦になったが、下を向いている時間はない。今節、ホームに迎える相手は3位の栃木。前節では首位のF東京を2−1で下し、勝点1差に迫る強敵だ。「強力なツートップを抑えることが大事」と、大野はロボとサビアのツートップを警戒するが、新しい愛媛のディフェンスラインはよりコミュニケーションを図ることが肝心。「人への強さには自信があるので、まわりの選手と連動できればよりボールが奪いやすくなる。しっかり声を出したい」とも大野は語るが、栃木に負けずコンパクトに、そして組織的な守備で相手の攻撃を封じたい。
この守備に対して、愛媛は攻撃面でも前節の北九州戦で新戦力が初スタメンを果たした。さっそく齋藤学のゴールをアシストした、FWの金信泳だ。「裏に抜け出す形が多かった」と齋藤は北九州戦を振り返ったが、金がターゲットに入ることで齋藤のスピードを生かす形も増えた。金が受け、齋藤が前に走るスピードを殺さずゴールに結び付けた北九州戦の2点目は、まさにその形だ。「シンヨンはキープができるので、タメができてチームが落ち着く。その時に2列目からどんどん出て行けば、いい攻撃ができると思う」と石井謙伍は語るが、齋藤と金の速さと強さを生かして厚みのある攻撃ができれば栃木のブロックを破ることも可能だろう。
ただ、裏を返せば攻撃ではまだまだ個の力を持つツートップに頼りすぎているということ。安易にロングボールに頼れば突破の糸口を見つけられなくなるばかりか、時間と共にラインが間延びしかねない。愛媛は特に後半、こうした傾向から勝点3を逃しているだけにしっかりとポゼッションをできるかがひとつのポイントだろう。奇しくも前回のアウェイ、栃木戦の後にバルバリッチ監督は「恐れずにポゼッションができれば、やれることがわかったと思う」と指摘。雨の中でもしっかりとボールをつなぎ、流れを引き戻したことで後半の逆転劇に結びつけたことを評価した。
しかし、いずれにしても栃木は難敵。「攻撃も守備も強い。ポゼッションができるし、相手に対応できる。運動量も落ちない良いチーム」と齋藤は最大級の賛辞を送るが、「隙はある」と攻略に自信ものぞかせる。齋藤と同年代で横浜FMの先輩、水沼宏太はF東京戦で決勝点を奪った勝利の立役者だが、若きアタッカーの対決も今節の見所のひとつ。大野や金、サビアといった新戦力の個の力を目の当たりできる楽しみもあるし、両チームの規律を持った組織力も見所。どんな展開になるのかは予想が困難だが、様々な角度から楽しめる好カードであることは間違いなさそうだ。
以上
2011.08.27 Reported by 近藤義博













