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【J2:第28節 熊本 vs 鳥取】レポート:試合を通しては鳥取がペースを握るも、若い2選手のゴールを守って熊本が逃げ切り、11試合ぶりの無失点で5試合ぶりの勝利。(11.09.19)

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9月18日(日) 2011 J2リーグ戦 第28節
熊本 2 - 0 鳥取 (19:03/熊本/5,200人)
得点者:11' 大迫希(熊本)、40' ソンイニョン(熊本)
スカパー!再放送 Ch185 9/20(火)前11:00〜
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心配された雨もほぼ持ちこたえ、湿度88%という日中の蒸し暑さも試合が終わる頃には少し和らいで、まるでチームが夏の間の苦境を抜け出そうとする兆しのようでもあった。

 ゲームとしては見応えのある展開とは言いがたく、サッカーそのものも決していい内容ではなかったにせよ、試合後に高木琢也監督や選手たちの口からも聞かれたように、熊本にとっては何より「勝つ事が重要だった」鳥取との一戦。大迫希とソン イニョンが決めた前半の2ゴールを守った熊本が、実に11試合ぶりとなる完封で5試合ぶりの勝利を挙げて順位を1つ上げる結果となった。それでも90分を通して見れば敗れた鳥取の方がボールを圧倒的に支配していたが、そうした展開にも関わらず熊本が勝ちきった背景には、攻守においてそれぞれ2つの要因があったように思われる。

 まず守備における1つ目のポイントは、この試合で熊本が布陣を変えたことだ。これまでの4-4-2から、中盤に3枚を並べる4-3-2-1という配置にし、1トップには初先発となるソン イニョンを据えた。高木監督は、攻撃におけるコンビネーションの面、そして縦に行く力を考慮して先発を入れ替えたと話しているが、大迫と武富孝介、武富と代わって入った斎藤和樹、そして片山奨典と吉井孝介のMF陣が鳥取のパスワークに対して我慢強くチェイスをかけては玉際で激しく当たってボールを奪い、中盤の底ではエジミウソンがカバーとスペースのケアに徹し、最終ラインはバイタルに入ってくるボールをはね返し続けた。

 もう1点は、しっかりとブロックを作って対応したこと。これまでの熊本の場合、いい試合を演じる際は前から積極的にプレッシャーをかける形が少なくなかったが、この試合ではややリトリートした状態でハーフウエイライン付近からボールにアプローチをかけている。結果として「ボールを回させてしまったことで、選手にはかなりの負担がかかってきた」(高木監督)のも事実だが、鳥取にとっては「守備の策略にはまって」(松田岳夫監督)しまい、ハメドら前線は流動的に動いていたものの飛び出せるスペースはほとんどなく、決定的なチャンスは前後半それぞれ1回程度ずつしか作れない形に終わっている。

 攻撃では、11分の大迫の先制点の場面からも分かる通り、この試合に向けて取り組んだバイタルエリアを崩すトレーニングの成果が、きっちり表現できたことが挙げられる。先制したシーンは吉井のくさびのパスがスイッチになって武富がワンタッチでつないだものだが、その前の段階でもボールを動かす事で相手を動かし、得点を決めた大迫も、吉井につないだ後で再びボックス内へ入り込む動きで武富からのパスを引き出している。後半は消耗もあって効果的な攻撃の場面は少なかったが、前半は先制した場面の他にも、35分、38分とボールを奪ってからの早い切り替えでサイドへ展開してから好機を作っており、ロングボールに頼っていた印象はない。そしてもう1つは、やはりここ数試合で再び見られるようになった点を取る姿勢。40分の追加点はソン イニョンの個の技術もあるが、ボール奪取は斎藤のチェイスなどの効果であり、全体で取った得点と言えるだろう。

 振り返ってみれば、この時点でゲームの大勢は決まっていたと言っていい。ただ、後半の残り45分の戦い方については、まだ一考の余地がある。実際のところ、2−0という状況はほぼセーフティと言える範囲かもしれないが、メンタルをどちらの方向で保つかによって展開が変わってくるのはサッカーではよくあること。高木監督も「気持ちは守りに入るな」とハーフタイムに指示している通り、熊本としてはこのまま無失点に抑えつつ、チャンスがあれば追加点を挙げて突き放すということが、後半のテーマとなったことは明らかだった。

 しかしながら、後半は完全に鳥取のペース。ボランチの吉野智行に替えて前線に住田貴彦を投入し、システムにもアレンジを加えた鳥取は後半立ち上がりからラッシュをかけて熊本陣内に攻め込む。フィニッシュのクオリティもあって得点は奪えなかったが、松田監督の攻撃的な交代策も奏功してチャンス自体は前半以上に作っており、鳥取は今後、それらをしっかりとゴールに結びつける事が求められる。

 もちろん、前がかりになりすぎて失点してしまうようでは本末転倒だし、意図的に引いたわけではなく押し込まれて出て行けなかったという方が実情に則しているかもしれない。だが熊本としては、鳥取の拙攻に助けられたという側面があったことにも目をつぶってはいけない。この試合においては、展開としてほぼ守勢にあったことも影響して、特に後半はチーム全体として「守り抜く」というベクトルで共通認識を持てていたことが無失点につながった一因と言えるが、やはり45分間自陣で守り続けるのは現実的ではなく、押し込まれた展開の中でいかに自分たちの時間を作って流れを変えるかは、今後の課題の1つだ。

 それでも、大迫やソンら若い選手がしっかりと結果を出し、また久々の先発となった片山、地味ながら堅実に仕事をこなした左サイドバックの筑城和人らが、停滞感のあったチームに刺激を与える役割を果たした事は間違いない。今季初対戦となる次節の栃木(9/25@栃木グ)、続いて徳島(9/28@鳴門大塚)と、上位陣との対決となるアウェイの連戦で、再びチームとしての真価が問われる。

以上

2011.09.19 Reported by 井芹貴志
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