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5月29日の第14節、東京Ｖのホームで行われた前回の対戦（ /jsgoal_archive/game/2011/20110200030520110529.html ）前の時点で、両チームはともに勝点8、東京Ｖの13位に対して鳥取は14位と、ほとんど同じ位置につけていた。しかし現在は、東京Ｖの消化試合数が1試合多いとはいえ、勝点差は大きく広がり、7位の東京Ｖに対し、鳥取は18位にまで順位を下げている。今季2度目の対戦は、Ｊ2初年度で苦戦を強いられている鳥取が、Ｊ1昇格を目指す東京Ｖに挑戦する構図となる。
鳥取は、8月27日に岐阜を下して連敗を5で止めたものの、その後は1分け2敗と再び失速している。9月4日の鳥栖戦（ /jsgoal_archive/game/2011/20110200030320110904.html ）は、前半の2失点を後半立ち上がりまでの3得点で逆転した後、立て続けに4点を奪われ、再逆転されて3−6の大敗。翌節の岡山戦（ /jsgoal_archive/game/2011/20110200030320110910.html ）は、後半に先制しながらも追い付かれて1−1で引き分け、熊本との前節（ /jsgoal_archive/game/2011/20110200030520110918.html ）は前半の2失点が響いて0−2の完封負けと、連敗ストップをその後の巻き返しにつなげられなかった。
東日本大震災による中断明けからしばらくは、前線からのチェイシングを軸に守備から主導権を握る戦いで、まずまずの結果を残していた。だがその後は、攻守のバランスが崩れて徐々に下降線を描き、思うような戦いができていない。守備陣が相手の攻撃力に屈した試合もあるが、攻撃陣が簡単なミスで相手にボールを渡してしまい、守備の時間が長くなって負担が増していることが影響した試合も多く、現在は9試合連続失点と、苦しい状況が続いている。
一方の東京Ｖは、7−2で大勝した9月18日の第28節・横浜FC戦（ /jsgoal_archive/game/2011/20110200030220110918.html ）のように、ツボにはまったときの爆発力はすさまじい。大勝したかと思えば、決定機を逃して苦戦するなど、シーズンを通しての安定感に欠ける面もあるが、歯車がかみ合えば、前半だけで一気に勝負を決められるだけの破壊力がある。今節はマラニョンも出場停止から復帰し、さらに迫力が増すはずだ。
鳥取としては、この攻撃力をいかに封じるかがポイントの一つ。早い時間で先制点を奪うと攻撃の勢いが増す傾向があるだけに、粘り強く守って無失点の時間を長くすれば、勝機も見えてくる。ただし、現実的に失点してしまうことも考慮に入れ、それを挽回するだけの攻撃の意識も忘れてはならない。松田岳夫監督も「ゼロで抑えることができればいいけど、最近はできていないので、それ以上に点を取らないと勝てない。守備はもちろんだけど、攻撃についても、こだわっていかなければいけない」と語り、今週の練習でもさまざまな形で攻撃の連係を確認。前線の選手がタイミング良く動いてボールを収め、周囲がフォローして厚みのある攻めにつなげるなどのメニューに、多くの時間を割いた。
東京Ｖは21日に札幌とアウェイ（ /jsgoal_archive/game/2011/20110200030120110921.html ）で戦った後、そのまま鳥取に移動して中2日で戦うため、ホームで待ち構えて中5日の鳥取と比べると、コンディションでは圧倒的に不利。相手守備網を切り裂くパスワークは、個々の豊富な運動量が支えていることもあり、疲れが出る前に勝負を決めてしまいたい思惑もあるだろう。前述の通り、早い時間に先制できれば攻撃陣が勢いづくが、鳥取は逆にそれを許さなければ、相手の焦りやいら立ち、運動量の低下によって、流れを引き寄せることができる。
鳥取は6月19日の第17節、湘南を4−0で下した衝撃的な勝利以来、すでに3カ月以上もホームでの勝利から遠ざかっている。一方の東京Ｖは前述の札幌戦に敗れ、Ｊ1昇格に向けて、これ以上勝点を落とせない。それぞれに必勝を期して、激しい攻防が繰り広げられそうだ。
以上
2011.09.22 Reported by 石倉利英
