スカパー!生中継 Ch181 後02:50〜
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連敗を止めた26節の山形戦以降、川崎Fは公式戦で5試合で負けなしと数字上は結果を出しつつある。ただ、個々の試合を振り返ると、決して楽観できない内容であるのも事実だ。例えば先週の天皇杯2回戦。対戦したアルテ高崎の粘り強い守備は見事なものではあったが、ただ、それにしても狙い通りのカウンターを決められて延長にまでもつれ込んでおり詰めの甘さが露呈してしまった。
リーグ戦は、前述の山形戦を含めた直近の3試合を2勝1分けと負けなしで来ている一方で、それぞれの試合で奪った得点はわずかに1点ずつ。得点力に自信を見せてきた川崎Fにとって、決して胸を張れる数字ではない。ただ、この3試合での失点はわずかに1。天皇杯2回戦でも1失点は喫しているが、守備に安定感が出つつあるのは事実であろう。
一般的に、サッカーのチーム作りについて「まずは守備から」という言葉が聞かれる。川崎Fはそのセオリー通り、相馬直樹監督の攻撃的サッカーに守備を付け加えてきたと言える。つまり、自慢の攻撃力をある程度封印し、勝ちにこだわるサッカーを推し進めてきたのである。そうして戦いの引き出しを増やそうと狙い、実現してしまうところに川崎Fの力強さがあるのかもしれない。
川崎Fは降格圏から着実に距離を取る一方、優勝の可能性はすでになく、リーグ3位までに与えられるACLの出場権獲得も絶望的な状況にある。客観的に見て戦う意味を見出しにくいチーム状況にあるのは間違いない。ただ、それでも中村憲剛は「モチベーションはあります。目の前の試合に勝ちたいということ。消化試合はないです。サポーターの皆さんは自分たちのプレーを楽しみにしてきてくれていますし、そういう意味で、モチベーションは高いです」と話す。
また、柴崎晃誠もモチベーションは高いと話す。夏場に喫した8連敗を「借り」と表現し、それを「返すくらいの気持ちで、残り試合は戦います」と話すのである。その言葉の中から、負け過ぎたとの思いが伝わってくる。
同じような言葉は矢島卓郎の口からも聞かれた。「負け過ぎているので、ここからまくりたい(取り返したい)ですね。等々力ではリーグ戦で勝てていないですしね。サポーターは、それでも(勝てない中)いい雰囲気を作ってくれているので、勝って盛り上がりたいです」とサポーターへの気持ちも含めて勝利への貪欲さを口にしていた。
そんな川崎Fが迎え撃つのは13位の新潟。降格圏にあたる16位甲府との勝点差は僅かに5点しかない。リーグ戦の残り試合数が6であることを考えると、少しでも勝点を積み重ねなければならない状況にある。
新潟の強みは、前線の外国人選手の流動的な動きと、サイドからの強烈な攻撃力である。特に左サイドのチョ・ヨンチョルと酒井高徳の縦のラインは脅威である。横浜FMを相手に4ゴールをたたみかけた前節は、失点26とリーグ2位の守備力を誇ってきた横浜FMの守備陣に対し、この縦のラインが連続でゴールを奪う事でチームに勢いをつけている。川崎Fにとっては、抑えるべき重要なポイントとなるだろう。
相手のストロングポイントを抑えるべき川崎Fの右サイドはサイドバックの田中裕介と、田坂祐介の両選手が出場停止となっており苦しい。その一方で、W杯予選のタジキスタン戦でザッケローニ監督の期待に応えた中村がチームへと復帰しており、その中村の起用方法を含めて相馬直樹監督の采配に注目が集まる。
川崎Fはこの試合に合わせ、陸前高田市の小学生を川崎市内に招待。1泊2日の修学旅行の締めくくりとして、この新潟戦に招待している。生活空間が奪われた陸前高田市の被害状況を実際に目にた選手たちは、その被害の大きさにショックを受ける一方で、子供たちの笑顔によって元気をもらっている。だからこそ、その陸前高田市からやってくる子供たちに勝利を喜んでもらいたいと意気込んでいる。
足に若干の痛みを抱えている事もあり、出られるかどうかわからないと前置きをする菊地光将が「勝利を(子供たちに)見せたいという気持ちはみんな思っていると思う。それが普段とは違うモチベーションになっていると思うし、しっかり勝って勝つ姿を見て喜んでもらえるように、チーム一丸となって勝ちたい」と話すと、中村もゴールシーンや、勝利に沸く「等々力の雰囲気を味わって欲しい」と話していた。また、この新潟戦での活躍を心の支えにリハビリに励んできた稲本潤一も「陸前高田ではサッカーをやれなかったので、選手としてプレーしているところを見せたい。しっかり勝って、雰囲気とかサッカーの楽しさを味わってもらうのがいいお土産になると思う。勝ちたいですね」と気持ちを込めていた。
考えてみると、川崎Fの連敗はアウェイの新潟戦から始まっている。その新潟が相手ということもあり、リベンジを果たしたい所であろう。また、遠く川崎まで足を運んでくれた子供たちを笑顔で陸前高田への帰途についてもらうことができるのかどうか。川崎Fにとっては、通常とは違った意味での期待がかかる試合となる。
以上
2011.10.15 Reported by 江藤高志













