10月15日(土) 2011 J1リーグ戦 第29節
福岡 0 - 3 仙台 (16:03/レベスタ/7,191人)
得点者:21' 松下年宏(仙台)、68' 松下年宏(仙台)、82' 武藤雄樹(仙台)
スカパー!再放送 Ch180 10/16(日)深02:00〜
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「戦略としては全員守備。手堅い守備、厳しさある守備、ということだった。勝点3がどうしても欲しいチームは出てきてくれる。だから、相手を出てこさせて裏を突くというメンタリティでいいというゲームをした」(手倉森誠監督)
振り返れば、すべては仙台の狙い通りに進んだ試合。福岡を完璧なまでに術中にはめこんで勝利を手にした。福岡は2連勝の勢いを持続できずに完敗。次節の新潟戦で引き分け以下の結果に終われば、甲府、浦和の結果次第でJ2降格が決まる。
「試合は我慢比べになる」。浅野、手倉森両監督が戦前に予想した通りの展開で試合は進んでいた。立ち上がりの時間帯に押し込んだのは仙台。しかし、福岡は仙台にシュートチャンスを与えない。そして福岡のファーストシュートは9分の城後寿。これを機に福岡が盛り返すが、仙台も最終ラインを突破することを許さない。互いに相手の守備網の綻びを探るようにしながらボールを回す展開が続くが、互いの守備ブロックは簡単には崩れそうもなく、高い緊張感を伴う膠着状態が続いていく。
そんな中、ひとつのミスが試合の行方を大きく変える。時間は21分。それは福岡陣内、福岡の右サイドで起こった。成岡翔の山形辰徳へのリターンパスが力なく転がる。そこへ関口訓充が鋭く飛び込んでボールを奪った。関口は、その勢いのままにサイドを突破。ゴール前へ送ったクロスボールはGK神山竜一がはじいたが、そのこぼれ球に松下年宏が右足を振り抜いた。自陣ペナルティエリア付近の最も危険なゾーンで起こった福岡のミス。それは余りにも不用意なプレーだった。「あれでガクッときてしまった」(神山)。事実上の勝負は、この1点で決まった。
守備意識を高める仙台の前に、福岡はボールを持つことはできた。しかし、それは持たされていたと言った方が正しい。「ボールを持っていても、相手のブロックの周りで動かしていただけで、楔のパスも、ワンタッチのプレーも少なかった。相手は守備が堅く、ビルドアップの所で一つパスがずれると、すぐに守備陣形を整えてられて自分の所、あるいは次の所で苦しくなるので、そこは強く要求したが上手くいかなかった」とは鈴木惇。福岡にとっては閉塞感ばかりが高まっていく。
加えて、先制点を奪われたショックからか、2連勝中に見られたアグレッシブさが消えていた。「早く予測して動いたり、球際のところでもっと強く行ったり、我々は、そういったところでのハードワークで、ここのところ勝ってきた。ところが、1失点したことで悪い部分が出てしまった。また同じことの繰り返し」。そう語る浅野監督の表情に寂しさが滲む。2失点目は、右サイドでの中途半端なボールの奪われ方が原因で喫したもの。これも、戦前に浅野監督がポイントに挙げていたプレーからの失点。80分には山形に代えて田中佑昌を投入し、3バックに変更してリスクを負って攻撃に出たが、逆に、その裏を突かれて3失点目。福岡は何もできずに試合を終えた。
「内容は五つ星」。記者会見で手倉森監督は余裕たっぷりに答えた。この日の勝利で、チームはJ1では初となる6連勝を記録。J1昇格以来の目標であった「勝点50」も達成した。すべてがうまくいった試合に指揮官は上機嫌だった。しかし、満足はしていない。「追い抜きたいチームがまだ上にいるし、残留争いをしているチームが全勝を目指しているように、我々も、残り試合に、全部勝ちたいという思いを注ごうとしている。作れるときに、新しい記録を、どんどん積み上げて行きたい」(手倉森監督)。順位がひとつ上である4位横浜FMとの勝点差は2。ACL出場圏内も見えてきた。
そして敗れた福岡。仙台との間にある技術、戦術面での差は否めなかった。0−3の完敗も、結局は力の差と言える。しかし、悔やむべきは、失点を喫したことでメンタル的に落ちてしまい、戦う姿勢を見せられなかったことにある。技術、戦術面での差を認めざるを得ない福岡にとって、90分に渡って、あらゆる場面で戦うことが生命線。それがなければ戦うことはできない。次節の新潟戦は大きなプレッシャーの中での戦いになるが、まずは戦う姿勢を見せること。それがプロとしての意地であり、最低限の責任でもある。
以上
2011.10.16 Reported by 中倉一志













