10月15日(土) 2011 J2リーグ戦 第31節
栃木 0 - 3 湘南 (13:03/栃木グ/3,122人)
得点者:21' 坂本紘司(湘南)、30' 坂本紘司(湘南)、35' 高山薫(湘南)
スカパー!再放送 Ch184 10/16(日)深02:00〜
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あまりの衝撃の大きさに声を失い、スタジアムは静まり返った。堅守で鳴る栃木が、前半に強みを持つ栃木が、わずか45分間で今季最多の3失点を喫して敗れ去った。グリスタで立ち上がれないほど打ちのめされたのは、J2での1年目の2009年に鳥栖に0‐5で敗れて以来だ。前回の対戦で0‐2と、まさに手も足も出ない完敗を喫した湘南は、見事にリベンジに成功し、試合後は駆け付けたサポーターと歓喜のダンスに酔いしれた。成すすべなく惨敗し、言葉を失った栃木側とは残酷すぎるほど対照的だった。
「立ち上がりは相手の守備の穴を突き、上手くサイドから攻撃を仕掛けてゴール前まで迫れた」と河原和寿が振り返るように、栃木の序盤の試合運びは久々の勝利を予感させるに足るほど抜群だった。サイドアタックに、中央でのコンビネーションプレーを織り交ぜて湘南を攻め立てた。しかし、「クロスの精度やアイディアが不足した。それで相手に圧力を掛けられなかった」(河原)。アタッキングサードにボールは運べたが、フィニッシュの形まで持って行けなかったことで次第にリズムを失っていく。
対照的に湘南は前半だけで6本のシュートを放つことになる坂本紘司がミドルレンジから果敢に狙った。ここ数試合、先制点を許している反省から坂本はチームを勢い付けるためにゴールだけを見据えた。結果的に、多少強引にでもシュートを撃ち込んだ坂本の攻撃的な姿勢は奏功した。坂本のアグレッシブさに引っ張られるように湘南はセカンドボールワークで主導権を握ると、一気に流れを引き寄せる。最後尾から試合の趨勢を見つめていたGK西部洋平は、「上手く跳ね返して、セカンドを拾って、ショートカウンターになるパターンが選手の中で見えてから急にリズムが良くなった」。21分、アジエルの浮き球のパスを坂本が左足のボレーシュートで合わせて先制。30分にはCKから田原豊のシュートのこぼれ球を再び坂本がプッシュして2点目。さらに35分には高山薫がクロスのルーズボールを叩き込んだ。先制を許してパニックに陥ったままの栃木に対し、湘南は畳み掛けて攻略。雌雄は前半だけで決した。
「栃木は序盤に得点を多く取っているし、前回も早く点を取られた。『そこは絶対に取られてはいけない』と監督から言われていた」(高山)
誰もが立ち上がりの重要性を口にし、まさにそれが湘南の勝因となった。栃木に押し込まれはしたが、シュートは打たせなかった。危険なパスやクロスを許さなかったのは、「目立たないけど最後のところでDFが体を張った」(西部)証拠だ。守備陣が踏ん張り、その思いに攻撃陣がゴールで報いる最高の形で得た勝利と自信を手に、湘南は10月末まで続く連戦での巻き返しを図る。
「我々の方がその時と比べてパワーがなかった」
快勝した前回との違いを問われ、松田浩監督はそう答えた。攻守両面でのパワー不足が、前回と全く逆の結果をもたらした。確かに立ち上がり15分、栃木には勢いも迫力もあった。その時間を長く継続できなかったことに加え、先程も触れたようにシュートを打つことで相手を威圧できなかったことが響いた。逆に湘南はテンポが悪くても坂本が無理矢理にでもゴールを狙い、それがリズムを生む要因となった。サッカーはゴールを守り合うのではなく、互いのゴールを奪い合うことに醍醐味がある。失敗を恐れないエースのリカルド ロボでさえ、ゴール前でシュートを躊躇うシーンがあった。苦しい時だからこそ結果を求めてより確実な選択をしてしまいがちだが、苦しい時だからこそガムシャラにシュートを選択してもいい。球際で後手を踏んだことが失点に直結している以上、今以上に激しく、貪欲に食らい付かなければいけない。現状で勝点3を掴み取るには、まだまだ足りない。サポーターのために、自分自身のために精根尽き果てるまで戦うしかない。
以上
2011.10.16 Reported by 大塚秀毅













