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【J2:第31節 札幌 vs 鳥栖】レポート:上位同士の直接対決は鳥栖に軍配!序盤に奪った虎の子の1点を見事な守備で守り抜き、2位へと浮上した。(11.10.17)

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10月16日(日) 2011 J2リーグ戦 第31節
札幌 0 - 1 鳥栖 (13:04/札幌厚別/8,674人)
得点者:7' 豊田陽平(鳥栖)
スカパー!再放送 Ch184 10/17(月)深02:00〜
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試合終盤、札幌は上原慎也、岡山一成という長身選手を前線に上げ、パワープレーを敢行して得点を狙う。鳥栖もカバーリング力のある浦田延尚を投入して最終ラインを強化。鳥栖ゴール前での激しい攻防は幾度も繰り返され、厚別競技場のスタンドは大声援でホームチームの攻撃を後押しした。しかし、最終的には鳥栖の粘り強い守備が上回り、0−1のスコアのままでタイムアップ。この結果、勝点はともに53ながらも得失点差で鳥栖が札幌を上回り、2位に鳥栖、3位に札幌という並びになった。

試合開始時の順位は札幌が2位で鳥栖が3位。どちらも勝点を伸ばしたいが、一方で昇格争いのライバルに勝点3を与えてしまっては大きな痛手となる。そう考えると、上位対戦であるが故に、お互いがリスクマネジメントを意識した堅いゲームになることが予想された。

しかし、シチュエーションは早々に変化する。7分、スローイン後のプレーで岡本知剛がペナルティエリア内で倒れて鳥栖がPKを獲得。そしてこれを豊田陽平が決めて1−0のスコアとなる。そしてここからは1点をリードとした鳥栖が守り、リードを負う札幌が得点を狙うというハッキリとした展開へと移っていく。

鳥栖は4−4−2のフォーメーションで3ラインを形成し、この守備が安定していた。岡本と藤田直之の守備的MFがバイタルエリアをしっかりと埋め、札幌が狙う形である、1トップのジオゴへのクサビを入れさせない。ロングボールを蹴られても最終ラインには高さのある選手が揃っているため、しっかりと跳ね返す。マイボールになれば、シンプルに左右MFのキム・ビョンスク、早坂良太に預け、リスクのあるパス回しなどは行わない。そうやって波風を立てずに時計の針を進めることで、うまく試合全体をコントロールしていたのだ。

同時に、札幌の攻撃にも拙さがあった。早い時間帯に失点をしてしまったのは残念だが、逆に言えば残り時間はたっぷりとあるわけで、どこかのタイミングでうまく得点し、そのまま勝点1を分け合うという現実的な試合運びでも全く問題はなかったはず。しかし、札幌はまるですぐにでも同点、逆転をしたいかのように攻め急いでしまい、ミスを重ねてしまっていた。後半中ごろにはジオゴが二回目の警告を受けて退場となってしまい、さらに状況は厳しいものに。そして試合は冒頭で記した局面へと突入していく。

試合後の会見で尹晶煥監督は「1点差の勝負になるだろう、と思っていた」と振り返る。そして実際にそのような展開となった。試合前に札幌の高木純平が「これから先は、先制点の重要性を意識していかなければいけない」と話していたように、昇格争いが徹底してシビアになるシーズン終盤は、先制点の持つ意味というのはとにかく大きくなっていく。厳しい言い方になるかもしれないが、J1のように個人の力でフィニッシュが出来るストライカーがあまり多くないJ2では、先制点を奪って守りを固める相手から得点を奪うのは非常に難しい。

先制点を奪えば一気に優位に立てるが、焦って奪いに行くと逆にカウンターから失点するリスクがある。そうしたジリジリとした探り合いが、ここからシーズン終了までは続いていくはずだ。

そしてこの試合をあらためて振り返ると、鳥栖が序盤に得たPKはちょっとしたファウルから。決して札幌の守備を崩して奪ったものではない。だが、そのちょっとしたプレーが試合の流れを大きく左右してしまう。それがシーズン終盤の試合の難しさである。

僅かな出来事から試合の結末は様変わりする。ある種、不条理とも取れる出来事もあるかもしれないが、それらを乗り越える力のあるチームだけが、J1への切符を手にすることができるのだ。

ラスト9試合。チームの総合力が試される場面へと、リーグは突入していく。

以上



2011.10.17 Reported by 斉藤宏則
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