10月23日（日） 2011 J1リーグ戦 第30節
新潟 3 - 1 福岡　（14:03／東北電ス／27,107人）
得点者：2' 本間勲（新潟）、64' チョヨンチョル（新潟）、82' チョヨンチョル（新潟）、88' 高橋泰（福岡）
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新潟が3-1で福岡を下して3連勝。勝点38で順位を11位に上げ、残留争いから一歩抜け出した。チョ・ヨンチョルが後半19分、37分と2得点をマークした。
福岡は今季J1に復帰したが、1年で降格が決定した。残り4試合全勝しても、15位浦和の勝点32に届かない。後半43分に高橋泰が1点を返したものの、力尽きた。

少し変わったパフォーマンスがチョの喜びの大きさを示していた。前半19分、ミシェウのパスをペナルティーエリア左で受けると、ダイレクトでループ気味のシュート。「GKの位置が見えていた」と頭を越えてマウスへ。その直後にゴール裏に向かって、小学生時代に習っていたテコンドーの突きと蹴りを披露した。

後半37分のゴールは、新潟のJ1ホーム戦通算200得点目。左サイドから切れ込んだブルーノ・ロペスのパスを中央で受けると、再びダイレクトで押し込んだ。すると、「ブルーノが転んでいたので、なんとなく」とブルーノ・ロペスの上に前転。駆け寄ったチームメートを笑わせた。

2試合ぶりの得点で、今季初の1試合2ゴール。「どちらもイメージ通りに打てた」と納得のゴールだ。前半2分、本間勲の先制ゴールも、左サイドからチョが出したパスを決めたもの。この試合は2ゴール1アシストと全得点に絡んだ。

この試合、スタンドでは日本に滞在中の父チェヒョンさんが観戦。試合前には父とハイタッチした。9月28日のナビスコカップ清水戦以来、「父が見たホーム戦は負けていないんです」。チェヒョンさんは試合前の2日間、練習見学にも訪れた。「父からは『いい雰囲気だったので、見ていて楽しかった』と言ってもらえた」。チェヒョンさんを喜ばせたゴールは、チームメート、そしてサポーターを同じように興奮させた。

新潟は順位、勝点を伸ばして残留争いからは距離を置く位置に。ただ、「まだ残留が決まったわけじゃないし、これからも気を抜かずに自分たちらしい試合を続けるだけ」。本間勲が言うようにチームに気の緩みはない。視界に入ってきたひと桁台の順位を目指す。

福岡は完敗だった。立ち上がりの失点でリズムが狂う。立て直そうと積極的に攻撃を仕掛けるが、ミスでボールを奪い返される。シュートに持ち込んでも苦し紛れの形が多く、新潟の守備陣を脅かすまでには至らなかった。

後半43分、途中出場の高橋が右サイドを突破して、ゴールを奪ったがここまで。「責任を感じています」。浅野哲也監督は1年での降格に、厳しい表情。成岡翔は「応援してくださった方々に申し訳ないです」と消え入りそうな声で話した。シーズン途中に浅野監督が就任後、ラインを押し上げ、前線からボールを奪い、流動的に攻める形ができつつあった。ただ、ミスから簡単に失点するもろさは、最後まで修正できなかった。

リーグ戦は残り4試合。新潟は柏、G大阪、名古屋の上位3チームに、残留争いをする甲府との対戦が待つ。好調を維持し、対戦相手が嫌がる終盤の台風の目になる。福岡は天皇杯を含めた今季の残りの試合で意地をみせるしかない。

以上

2011.10.24 Reported by 斎藤慎一郎（ニューズ・ライン）