スカパー！生中継 Ch173 後06:50〜
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試合が終わったと思えばあっという間に次の試合がやってくる。過酷な５連戦の第４ラウンド。取材者としてもマッチレポートを書き上げたら、ホッとする時間もないままプレビューの締め切りが迫ってくる。観戦する側も疲れてしまうのだから90分間に渡って戦い続ける選手たちの疲労は計り知れない。そんな状況でもゲームはやってくる。草津、横浜FCともに選手たちの疲労はピーク。今ゲームは戦術や技術を超えた部分に勝点3という報酬が待っている気がする。
４−２−３−１の草津の新システムの生命線は後藤涼、小林竜樹、林勇介の平均身長１６７センチの３シャドーだ。千葉、岐阜、北九州の３戦で草津が奪った得点は９。そのうちの７点に３人が絡んでいる。アジリティとテクニックのある彼らがリンコンの周囲を流動的に動くことによってボールを引き出し、攻撃のバリエーションを増やしていた。だが岐阜戦の後半から３人の運動量が明らかに落ち始め、北九州戦でもシャープな動きは影を潜めた。「こっちから動かなければいけないのに受けてしまった」（小林）。
北九州戦翌日の練習で副島博志監督は控え組のパフォーマンスに目を光らせた。「良い動きをしている選手がいないか常にチェックしている」と指揮官。この３連戦で草津は出場停止のセンターバック以外に先発メンバーを代えていないが、指揮官は３シャドーの疲労回復と他選手のパフォーマンスを考慮して横浜FC戦のメンバーを決めることだろう。継続かチェンジか。いずれにしても３シャドーがゲームのカギを握ることは間違いない。
草津は警告累積で欠場したセンターバック御厨貴文、中村英之の出場停止が解けてDFラインはメンバーが揃う。最近３試合で２勝１分としているものの計６失点。セットプレーからの失点も目立ち守備が安定しているとは言いがたい。守備の再整備が課題のひとつとなるが副島監督は逆転の発想で選手を鼓舞したという。「１試合に２点を取られているが裏を返せば３点取れば勝てる。攻撃には勢いがあるので、どんなときもゴールを狙っていけ」（副島監督）。草津は守りに入るのではなく、攻撃的なサッカーを貫いて連戦無敗突破を狙う。
対戦相手の横浜FCは８月27日に三ツ沢で草津を倒して以来、約２カ月間も勝利から遠ざかっている。リーグ戦は最近９試合２分７敗で現在も４連敗中、天皇杯ではJFL松本山雅に敗れるなど低迷が続いている。だがカイオら攻撃のタレントは揃っているだけに一つのきっかけさえつかめば目を覚ます可能性は高い。草津はそのきっかけを与えないことが求められる。横浜FCのベンチには魔術師フランサが控えるため、やっかいなことになる前にゲームを決めたいところ。主将松下裕樹は「横浜FCは結果こそ出ていないけど個の能力がありチーム力は高い。うちは前回負けているのでチャレンジャーのつもりで引き締めていく」とリベンジを誓う。
北九州戦の翌日２４日の練習で疲労を抱えながらも気合を入れている漢がいた。いまや草津に欠かせないプレーヤーとなった右サイドバック古林将太だ。古林は千葉戦で萬代宏樹の決勝ゴールをアシスト、岐阜戦でもリンコンの先制ゴールを演出、北九州戦でもリンコンの同点ゴールをアシストした。怖いもの知らずの特攻野郎コバショーは「もちろん疲れはあるけどそんなことは言っていられない。チームの中でオレが一番若いので、気合でガンガン攻めていく」と疲労を吹き飛ばすほどの闘志をみなぎらせた。今の草津に守るべきものは何もない。ゴール、そして勝利を目指して闘い抜くだけだ。そんな選手たちの背中をファン・サポーターが支えてくれるはずだ。
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2011.10.25 Reported by 伊藤寿学
