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ホーム3連戦のラストを飾るのは、今季初の富山との同期ライバル対決だ。現在、勝点差が１で岡山のすぐ後ろにつける16位の富山だが、10月に行われた5試合の成績は、鳥栖と対戦した天皇杯でのPK勝利も含め、3勝2敗と悪いものではない。Ｆ東京（8月28日・第26節1−0）、栃木（9月18日・第28節2−1）に勝利した戦いからもわかるように、上位チームの隙もしっかりと突けており、J2全体で見ても、夏以降の富山はかなり厄介な存在、脅威となっている。
富山は３バックのフォーメーションを採用し、前線から激しくプレッシャーを掛け、攻守の切り替えをポイントにしているチームだ。チャンスメイクの中心的存在であるMF朝日大輔、ゴール前の落ち着きが光るFW黒部光昭、スピードと俊敏性を誇るサイドアタッカー・MF木本敬介らが機動力を生かし、縦に素早い攻撃を仕掛けてくる。実際に22日の東京V戦では、縦に速く、ダイレクトに入れてくるシンプルな狙いが、東京Vを後手に回らせた。もちろんこれは球際やセカンドボールへの反応、全体的な運動量で、富山が東京Vを上回ったからこそ可能になった展開だ。
岡山・影山雅永監督は、富山を「走るチーム」と捉え、「富山の今のプレーは、安間貴義監督らしくないというか、ボール奪って裏に蹴って、というスタイル。苔口卓也、大西容平、朝日、ソ ヨンドクと、個の力を持つ４人のダイヤモンドが素晴らしい。そのメンバーが前からプレッシャーを掛ける。これを今の富山は、命がけでやっている」と話す。岡山と同じ「3バック」で「前線からのプレッシャー」をかける富山との対戦のポイントを影山監督はこう話す。「ガチンコだと、互いのポジションのやり合いになりがちになる。どういうふうに受け止めるべきか、もしくは…そこはまだ検討中」。
今節、岡山はMF澤口雅彦とDF竹田忠嗣が、富山はMF吉川健太が出場停止。岡山は小林優希と近藤徹志が膝を痛めており、復帰にはまだ時間がかかりそうだ。メンバーは互いに悩みどころだが、岡山は「今まで控えに回っていた選手のコンディションがいい。入れ替えて臨んだ方が、全体として大きな力が出せるかもしれない」（影山監督）。
「ボールが回ってきているところは高めて、守る、攻めきる、といった時間帯に応じたプレーをチームで出来れば」と一柳夢吾。「どこでも出番があればチャンスを掴んでいくだけ」と篠原弘次郎。前節、出場停止だったボランチ・仙石廉は「疲労自体はないので、みんなより走ってチームを助けたい。富山とは今季初対戦なので、特徴を頭に入れて、自分たちのペースに持っていくためのボールの動かし方、プレスのかけ方などが自由になってくればチャンスは作れる」と話す。
連戦の中で大切なのは、攻守において集中力をなくさないこと。どちらが集中力を保って90分間をやりぬくことが出来るのか。富山は中３日の利を生かし、岡山はホームの意地をかけて、ホーム3連戦最大の山場にふさわしい好勝負が繰り広げられることは間違いない。岡山は観客一丸となって、3連戦勝点7を狙いたい。
以上
2011.10.25 Reported by 尾原千明
