10月30日(日) 2011 J2リーグ戦 第33節
横浜FC 0 - 1 岡山 (16:03/ニッパ球/4,270人)
得点者:69' 植田龍仁朗(岡山)
スカパー!再放送 Ch184 10/31(月)後01:00〜
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この試合のプレビューで触れた通り、遅攻の横浜FCと待ちかまえて速攻を狙う岡山の、両者のスタイルが戦術的に噛み合う形で膠着を生む。両チームともに90分の中で訪れるチャンスをどこかで決めて先制さえできれば勝利を得られるという試合展開だった。そして、ちょっとした試合の流れの変化の中で、その先制点が予期せぬ形で岡山にもたらされ、勝敗を決めることとなった。
試合は、岡山・影山雅永監督が「横浜FCのボールの動かし方が我々のシステムの嫌なところというか、そういう動かし方をした」と振り返るように、前半立ち上がりから横浜FCが得意のポゼッションとビルドアップで岡山を圧倒する。横浜FCの前半最大のチャンスは、20分に左サイドをワンタッチで崩し、荒堀謙次のクロスにカイオが合わせた場面。しかし、カイオのシュートは枠外に外れる。30分までは、岡山が狙いとする速攻を仕掛ける場面は皆無だった。しかし、30分を過ぎると岡山が前からプレッシングを仕掛け、岡山の守備ゾーンが前に上がる。「この並びで起こることは、これまでの経験もあって大体想定できるもの。その対応を選手がやった」と影山監督が振り返ったが、この「ペースチェンジ」で36分、38分、45分と岡山もシュートの場面を作るようになる。横浜FCが遅攻を仕掛ける基調は変わらないものの、岡山も糸口を掴みつつある状況でハーフタイムに入る。
そして、岡山が守備の整理を行って臨んだ後半になると、横浜FCはパスミスが増えて、前半のポゼッションのリズムが徐々に失われていく。このちょっとしたリズムの変化が、徐々に横浜FC全体に伝播していく。そして、68分に予兆のような関憲太郎のパスミスから金民均のシュートがあった直後のプレー、関のゴールキックを植田龍仁朗のヘディングによるクリアが雨で濡れたピッチで大きくバウンドしたこともあり関の頭上を越えてゴールイン。両チームにとってのどから手が出るほど欲しい先制点は岡山にもたらされることになった。横浜FCも、藤田祥史、野崎陽介、フランサと選手投入で流れを変えようとするものの、一度崩れた攻撃の流れを取り戻すに至らず。基本的には戦術的には膠着をした中で、岡山が、幸運な点ではあるものの、1点を守りきるという当初のゲームプランを実行し、勝利を収めた。
岡山のカウンター攻撃さえ抑えれば90分間の中で必ず決めるチャンスがあるという戦略で臨んだ横浜FCにとっては、カウンター攻撃へのリスクマネジメントもしっかりなされ、崩された場面はほとんどなかったという意味では「戦術戦略に問題なし」という岸野監督の言葉はある意味当たっている部分がある。戦略的には、怪我人が多く、出場停止の選手を多く抱え、先発にも控えにも時間限定でしか使えない選手が少なくない中では、前半ペースを握っている時間の決定機を決めることが最大の勝ち目だった。その決定機を逃したことが最大の敗因だったと言える。5バックで守ることを厭わない相手からゴールをもぎ取る集中力をいかに取り戻すか。ポゼッションだけではなく、最後のゴールを奪う集中力を高めることが大きな課題となった。「90分戦ってきて良くなっている部分はあって、手応えはある」(高地系治)、「相手のチャンスはそんなになかったし、(失点)0で行ける自信もあった」(井手口正昭)というように、選手が感じている実感と結果のギャップを埋めるためのもう一歩の努力をサポーターに届けることが、残り5試合のテーマだろう。
岡山にとっては、ゴールこそ幸運なものであったが、立ち上がりの劣勢を自ら跳ね返し、ゲームプランを完遂してのアウェイでの勝利という点で大きなものとなった。劣勢の場面での自己修復力の高さは、岡山というチームが積み上げてきたものの確かさを証明していると言える。さらに、ホームの横浜FCのほうが先にリズムを崩したように、チームとしての粘りでも相手を上回った点は称賛に値する。もちろん、幸運が続いて起こるわけではなく、この流れを自らの実力向上に繋げるための大きなステップとしたい。
前半の決定機を外したこと、ヘディングがゴールに吸い込まれてしまったこと。岸野監督が「サッカーはろんなことが起きる」と振り返ったように、細かな1プレーの集中の大事さが浮き彫りになるゲームだった。
以上
2011.10.31 Reported by 松尾真一郎













