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【J1:第31節 神戸 vs 山形】レポート:安堵の笛、無情の笛。神戸がJ1残留を決め、山形はJ2降格へ。(11.11.04)

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11月3日(木) 2011 J1リーグ戦 第31節
神戸 2 - 0 山形 (17:04/ホームズ/11,420人)
得点者:30' 吉田孝行(神戸)、44' ポポ(神戸)
スカパー!再放送 Ch184 11/4(金)後07:00〜
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ホームズスタジアム神戸に鳴り響いた試合終了の笛は、神戸にJ1残留を知らせ、山形にJ2降格を宣告した。昨季、最終節で奇跡のJ1残留劇を経験している神戸の選手たちはピッチ上で笑みをこぼし、山形の選手たちは泣くでもなく、うなだれるでもなく、ただ呆然と立ち尽くした。はるばる山形から駆けつけたサポーターの中には、涙を流す者もいれば、怒りのやり場に困惑する者もいた。試合後、山形のキャプテン宮沢克行は「サポーターのみんなも色んな気持ちがあると思う。それを自分たちは受け止めて進んで行くしかない」という気持ちで、最後までゴール裏のサポーターたちと対峙していた。

前半の立ち上がりは、山形の早いプレスを神戸がワンタッチパスで交わしながらリズムをつかんだ。5分過ぎには、右サイドからのクロスを大久保嘉人がヒールで中央へ流し、吉田孝行がミドルシュートを放つなど山形DFを翻弄。9分には右後方から大屋翼がこぼれ球をダイレクトで中央へ折返し、ポポの足下へピンポイントでパスを通すなど質の高いプレーも披露。前半の15分間は、完全に神戸がゲームを支配した。

だが、神戸は攻め続けながらも1点を奪うことができず、徐々に山形に流れが傾いていく。18分には、山崎雅人と古橋達弥が巧みなボール交換で神戸DFのマークを外し、最後はスペースに走り込んだ古橋がノーマークでミドルシュートを放つ。無情にもボールはバーに嫌われたものの、このプレーで山形が勢いづき、持ち味のサイドアタックも機能し始める。神戸にとっては嫌な時間帯がしばらく続くことになる。

そんな悪い流れを一蹴したのは、キャプテンの吉田だった。30分に、大久保が落としたボールを吉田が相手DFとの間合いを取りながらキープし、大久保が相手DFを引きつけた瞬間、一気にドリブル突破を仕掛けてミドルシュートを放つ。重い弾道がゴールネットに突き刺さると、吉田はベンチへと走り、和田昌裕監督に抱きついて喜びを爆発させた。

山形・古橋のシュートはバーをたたき、神戸・吉田のシュートはネットを揺らす。このゲームを象徴するシーンだった。
その後、神戸は44分に朴康造のCKからポポが追加点を決めた。グラウンダーでマイナス気味に入れたパスを、ポポがダイレクトで蹴り込む練習通りの見事なゴール。スタジアムのボルテージは一気に上昇し、熱気に包まれながら神戸が2点リードで前半を折り返した。

2−0と優勢で後半を迎えた神戸だったが、後半は立ち上がりからJ1残留に望みをつなぎたい山形の猛攻に苦しむ。53分には山形・太田徹郎のミドルシュートがバーを叩くなど、肝を冷やすシーンも。1点返されれば形勢を逆転されかねない状況だったが、神戸は河本裕之と北本久仁衛を軸に身体を張ったディフェンスで最後までゴールを死守し、完封勝利でリーグ戦3試合を残してJ1残留を確定。これで神戸は10位に浮上し、今季の目標である一桁順位にも大きく前進した。

試合後の記者会見。神戸の和田監督は「まだ残り3試合ありますが、来年もJ1で戦えることが今日、決まったことを非常に嬉しく思っています」と安堵の表情を浮かべた。
逆に山形の小林伸二監督は「厳しい状況でも自分を信用し、指揮官として使ってくれたクラブに感謝しています。(J2降格の)こういう状況でもサポーターは勝つことを待っていると思うので、残り3試合と天皇杯で1つでも勝てるように、いい準備をしていきたい」と無念さをにじませた。

もちろん、この1ゲームのみで天と地が分かれたわけではなく、ここまでの歩みが結果となって表れたのは言うまでもない。だが、まだ残り3試合ある。一桁順位へ向けて神戸は挑戦し、サポーターに勝利を捧げたいと願う山形の熱い想いは続いていく。

以上

2011.11.04 Reported by 白井邦彦
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