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上位を追撃するチャンスだった前節の札幌戦は0−3。9から6に縮めたかった札幌との勝点差は、逆に12に開く結果になった。残り試合数を考えると、今季掲げた昇格という目標の達成は非常に厳しい。だが状況はどうあれ、ラスト5も目の前の1つ1つを全力で戦うだけだ。
今節迎える京都は、ここへきて4連勝中。順位は10位と熊本の1つ下にいるが勝点差は1で、結果次第では順位が入れ替わるという状況にある。前回対戦(第2節・6月29日)では、コーナーキックの流れからファビオの今季初得点となる美しいバイシクルシュートで1−0と勝っている相手。しかし、市村篤司が「結構(ボールを)回されたイメージがある」と振り返っているのをはじめ、熊本の選手たちがとらえている京都のイメージは、ポゼッションも含めて「上手い」という表現に集約される。ではそういう相手に対し、どう対応するか。それがこの試合の見どころだ。
前節の反省を踏まえ、「玉際や個のところで勝たないと押し込まれる」と廣井友信は言う。その言葉の奥には、1対1の局面も含め、まずは気持ちの面で負けてはいけないという思いも垣間見えるが、そこはあくまでベースの部分。「その上で、チームとしての戦いを全うしないといけない」と、廣井は続けた。熊本は4日のトレーニングを非公開で行ったが、「いい守備でボールを奪って攻撃につなげられるとリズムを作れる」との声も聞かれたように、おそらく守備の部分で、チームとしてのボールを奪い方に重きが置かれたのではないかと予想できる。
高い技術を土台に、細かく動かしながら片方のサイドに相手を集めつつ、そこからの突破、あるいは薄くなった方へのサイドチェンジという展開が、京都の特徴のひとつにはある。今節はボランチのチョン・ウヨンがロンドンオリンピックアジア予選の韓国代表強化合宿に参加して不在となるようだが、代表経験もある工藤浩平ら、中盤へのケアが熊本にとっての大きなミッション。前の3人がファーストディフェンダーとしてアプローチするタイミングと合わせ、MF陣とサイドバックが連動してプレスをかけてはめ込みたいところ。とは言え、単純に追い回すのでは消耗させられるリスクもあるため、どんなタイミングでその判断を共有するかが重要。さらにサイドチェンジに対しても、ボールサイドと逆側に、常に注意を払っておく必要があるだろう。
奪ってからのポイントになるのは切り替えのスピードだ。京都も攻守の切り替えは早く、攻撃時の選手間の距離が近い分、ボールを奪った後の展開に時間をかけてしまうと、囲まれる可能性が高い。そこで再びボールを奪い返されるようだと、場所によってはピンチに直結しかねないため、熊本としてはできるだけ高い位置で奪って早めにフィニッシュまで持ち込みたい。90分間プレスをかけ続ける事は難しいが、プレーエリアや周囲の状況、時間帯といった要素を踏まえて、早めにアタッキングゾーン、あるいはリスクの低いエリアに運ばなくてはならないのか、それとも落ち着いて動かすべき場面なのか、その判断の精度やバランスも求められる事になる。
前節の札幌戦も、無得点に終わったもののシュートは11本とほぼ互角の本数を放った。現時点で得点数はリーグ最少となっているが、夏場以降に時間を割いてきた攻撃の形については、試合の中でも表現できる場面が増えている。「シンプルにシュートを打つ事も考えないといけないけど、確率で見ればつないだ方がいい場面もある。その判断がうまくできれば」と武富孝介。状況次第では積極的な仕掛けや大胆なミドルシュートなども有効になるはずで、相手にとって怖さや守りにくさを感じさせる意外性のあるプレーを織り交ぜ、攻撃にアクセントをつけられるかにも注目したい。
ラスト5試合の内訳は3試合がホーム、2試合もアウェイとは言え九州内での試合。今シーズン取り組んできた事をサポーターに見せる時間はまだ、450分以上残っている。
以上
2011.11.05 Reported by 井芹貴志













