11月6日(日) 2011 J2リーグ戦 第34節
草津 0 - 0 富山 (13:05/正田スタ/2,200人)
スカパー!再放送 Ch183 11/7(月)後07:30〜
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ゲーム序盤からぷんぷんと漂っていたスコアレスドローの予感は時間の経過とともに現実味を帯びていった。13位草津と16位富山の対決は、時計が90分という時間を刻んでも互いのゴールネットは揺れることなく勝点1を分け合う結果となった。雨のピッチコンデションを考慮しても内容的には不完全燃焼だった。
ガチャガチャしたゲームだった。キックオフ直後は雨による影響だと思っていたが、それは事実ではなかった。それが富山のリズムだったのだ。草津は、コーナーの狭いスペースへと追い詰めてくる富山の守備戦術を十分に把握していた。前半は、今季初先発となった山田晃平が相手のプレスをかわしてドリブルでチャンスを演出していく。10分には山田の突破からアレックス、37分には古林将太のクロスから山田が決定機を迎えるなど、リズムは必ずしも悪くなかった。
だがゲームの進行とともに攻撃の歯車が少しずつ噛み合わなくなっていく。1トップ苔口がサイドへ流れてボールを受ける富山の攻撃にじわじわとラインを下げられると、ボールを奪う位置が自然と低くなり圧力をもろに受ける展開となる。草津は、スリッピーなピッチでどうしてもセーフティを選択せざるをえなくなり攻撃が組み立てられない。
後半に入るとその流れはさらに顕著になっていく。富山の出足が早まるにつれて草津は押し込まれてポゼッションがままならなくなっていく。草津は、富山の展開するサッカーに付き合う形で自分たちのスタイルを失っていく。「後半はだんだんミスが増えていってシュートまで持っていくことができなかった」(小林竜樹)。
ゲーム終盤、萬代宏樹とリンコンを投入した草津だったが前線にボールが収めることができず、ゴールが遠く霞んでいった。草津は失点こそ凌いだが、後半のシュート数はわずかに2本。ゲームメーカー熊林親吾は「今日はオレのところでゲームをコントロールできす力不足を痛感した。ゲームを落ち着かせて変化をつけなければいけなかった」と振り返った。この日の草津からみればスコアレスドローによる勝点1は悪くない報酬だった。
富山は、1トップ2シャドーのスタイルを貫き草津にポゼッションサッカーを演じさせる場所と時間を与えなかった。「切り替えの速い展開は、うちにとってはやりやすかった。うまい、下手関係なく走り抜くことがベースのサッカーができたと思う」(安間監督)。就任1年目で13位を目標としている富山は、走り抜くというチーム基盤を築き上げつつある。試合自体は勝点1をシェアする結果となったが手応えをつかんだはずだ。
4試合連続引き分けとなった草津は、負けなかったことだけ評価できるが内容は乏しい。雨のピッチという条件を差し引いても、闘うという意味においては物足りなさが残る。降りしきる雨の中、応援を続けたサポーターを満足させることができたか疑問だ。J2は昇格レースの最終局面を迎え、上位クラブは必死の戦いを続けている。もし草津が昇格を争う順位にいたとしたら今日と同じ戦いをしただろうか。このドローに悔しさを表した選手が何人いたのか。勝点1で満足したらチームの成長は止まってしまう。
以上
2011.11.07 Reported by 伊藤寿学













