11月6日（日） 2011 J2リーグ戦 第34節
岡山 1 - 2 岐阜　（13:04／カンスタ／6,431人）
得点者：13' 妹尾隆佑（岡山）、53' 押谷祐樹（岐阜）、90'+2 押谷祐樹（岐阜）
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岐阜の前・後半の戦い方に、岐阜というチームの修正力を見たゲームだった。しかし、岐阜・木村孝洋監督は、「（ハーフタイムに）誰々が持ったら、誰々が行きなさいと、シンプルに明快にして、前線からのプレスをわかりやすくした。それが我々にとってはいいリズムを生んだ。守備のいいリズムが攻撃のリズムにつながり、比較的高い位置でボールを奪って、シュートに持ち込むことが出来た」と話す。

対する岡山・影山雅永監督の「前半の終わりから、前線の動きがちょっとずつ落ちて、奪っても全体の動き出しが遅くなり、つなげなかった部分があった。自滅し、立て直せなかった」。このゲーム、前半のほとんどを岡山主導でゲームを進め、先制点を奪ったのは、前回の対戦と同じく岡山の妹尾隆佑。しかし、後半、岐阜が押谷祐樹のゴールで追いつき、ついに後半アディショナルタイムに劇的な逆転に成功した。

岡山の自滅は、「（岐阜は）もともとバイタルエリアにつけるのが上手いのに、それをある程度捨てながら、ロングボールを使ってきた。それを何度か防いでいて、奪ったところから全くボールを動かせなくなってしまった。奪った選手もですが、受ける周囲の選手の動きが少なくなっていった、そしてチームとしてのリズムを失っていった。ひとつの理由ではなく、徐々に岐阜がボールを持ち、ゲームをコントロールする時間が長くなっていったのだと思います」（影山監督）。

前半立ち上がり、岡山は今季初めてトップに入った石原崇兆、シャドーの妹尾隆佑、金民均がスピード感ある仕掛けを繰り返した。後方との連動が機能し、雨に濡れたピッチとボールも味方にできた。そして前半13分、DF一柳夢吾からのロングボールに金民均が追いつき、金のマイナスのクロスに妹尾が頭で合わせて、岡山に先制点が生まれた。その後も田所諒の上手いタイミングでのミドルシュートや、前半終了間際の石原の決定的シーンがあった。追加点は奪えなかったものの、後半への楽観・期待はあり、そこが岡山の甘さと言えるかもしれない。

岐阜・押谷のゴールは、誰が見ても素晴らしいものだった。２ゴールともに、岡山の弛みを突くカウンターから生まれた。1ゴール目は後半8分。岡山のクリアミスを岐阜・嶋田正吾が拾い、クロスを送る。「ちょっとトラップしただけで、狙いどおりに」（押谷）、左足でトラップしてボレーシュート。2ゴール目は、「ドリブルして、ひとり交わした時に、味方の動きにつられているDFもいたので、前が空いて、後はゴールが見えたんで打つだけでした」（押谷）。ここ４試合で５得点を挙げたそのしなやかさは、今の岐阜を象徴する。

互いに追加点を奪うために交代枠をすべて使いきり、追加点が奪えたのが、岐阜。奪えなかったのが、岡山。岐阜は「失点しても奪い返す」しなやかさ（したたかさ）を、先週の鳥栖戦に続いて発揮した。押谷はこれで今季８得点となり、昨年の９得点を越えることも難しくない。

岡山は、気持ちの弛み、甘さを突かれた部分がある。前半に逃したシュートチャンスもあるが、石原のいる前線３人は金の360度方向への動きがさらに活性化されて面白いものだった。また、7試合ぶりにピッチに立ったチアゴのいる前線も限りない可能性を感じさせてくれた。笑っても悔しがっても、残り４試合。せっかくだから、笑う時間の多いシーズン終盤を迎えようじゃないか。

以上

2011.11.07 Reported by 尾原千明