スカパー!生中継 Ch180 後05:20〜
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3月5日に開幕した2011年シーズンも、いよいよ33試合目。様々な出来事と向き合いながら戦ってきた福岡は、今シーズン最後のホームゲームを迎える。34試合を戦うリーグ戦では、いずれの試合も重要度に変わりはない。そういう意味では、この試合も、あくまでも34分の1の試合にすぎない。しかし、レベルファイブスタジアムに集うファン、サポーターとともに、監督以下、今のメンバーで戦う最後のホームゲームに特別な想いが浮かぶ。ともに歓喜の声を挙げた試合。ともに悔し涙にくれた試合。その一つひとつが走馬灯のように駆け巡る。振り返れば、悔しい思いが多かった2011年シーズン。しかし、力の限りに戦ってきたシーズンであることは間違いない。胸を張り、頭を上げ、これまで以上の気迫をピッチとボールにぶつけ、それをチームを思う熱い気持ちで支える試合。11月26日17:30。今シーズン最も熱い戦いが始まる。
「戦う姿を90分間見せないといけない。残留がかなわなかった中で、ファン、サポーターの皆さんは、そういった姿をチームが見せることを期待している。まずは90分間走って、しっかり戦って、そういう部分が見える試合をしたい。ここまでやってきた我々の戦いを、最後の最後まで出しつくしたい」と話すのは、今シーズ限りでチームを離れることが決まっている浅野哲也監督。そして城後寿は、自分たちが背負っているもののために戦うと力強く話す。「応援してくれる人がいる以上、その人たちのために何かを感じてもらえる試合をしなければいけない。また、苦しい状況の中、チームの指揮を取ってくれた浅野監督が、今シーズンの結果について一番悔しい思いをしているはず。監督のやりたいサッカーを選手が上手く表現できなかったことが降格の要因。気持ちを前面に出して戦うことが監督の想いに応えることになるはず。そして、マコ(田中誠)さんにとっては、現役最後のシーズン。チームが勝つことで花道を用意したい」
その想いは、27人の選手全員に共通する思いだ。雁の巣球技場には緊張感が張り詰め、紅白戦では激しくやり合う。コンディション不良で東北遠征に参加しなかった選手たちもピッチに戻った。「選手たちは集中して良くやってくれている。浦和戦が楽しみ。いつも通り、90分間戦えるメンバーを選ぶことに変わりはないが、誰を選ぶか迷うほど」と浅野監督も目を細める。
しかし、迎える浦和は強敵だ。2試合を残して15位。勝点3差に迫る16位の甲府と激しい残留争いを展開するなど、今シーズンは不本意な戦いが続いているが、個々のポテンシャルが高いのは誰もが認めるところ。ヤマザキナビスコカップ決勝戦では鹿島と白熱した試合を展開したが、それこそが浦和本来の姿だ。現在、残留に向けて崖っぷちに立たされているからこそ、持てる力の全てを発揮し、目の前の1戦の勝利だけを考えてレベルファイブスタジアムに乗り込んでくる。併せて、早々とアウェイ・ゴール裏自由席のチケットが完売したように、Jリーグでは1、2を争う真っ赤なサポーターも大挙してやってくる。チームとサポーターが一体となってうねりを上げる浦和の戦いが、数多くの勝利を生んできたことは誰もが知っている。そして今回もまた、勝利を手にするためにありったけの力を発揮することは間違いない。「前の選手は、個の力で突破できるばかりではなく周りとも絡める。そこへ2列目からの選手が絡む攻撃力は脅威」と浅野監督は話す。
個々の力で劣る福岡に求められるのは、グループでいかに連動して守れるかということ。押し込まれる時間帯が多くなることが予想されるが、攻守の切り替えで相手を上回り、正しいポジションに素早く戻り、粘り強く守ってフィニィッシュに持ち込ませない戦いをすることで勝利を呼び寄せたいところ。両CBとボランチの2人の連携が鍵を握ることになりそうだ。
さて、この1週間で福岡のフロントに動きがあったように、クラブは来シーズンに向けて確実に動き出している。しかし、チームがやらなければならないことは来シーズンを考えた戦いではなく、今まで通りに目の前の勝負にこだわり、目の前の勝負に勝つためだけに準備をし、死に物狂いで勝点3を奪いに行くこと。それが、それぞれの選手の成長の糧になり、引いては来シーズンに向けて備えることにつながる。残念ながらJ2への降格は決まったが、まだまだチームとして、選手として、積み上げなければならないものがある。それが何なのかを掴み取るのがホーム最終戦。浦和が力を結集して戦いに来るのなら、福岡もそれ以上の力を結集して戦いたい。その先に、それぞれの未来が見えてくる。
以上
2011.11.25 Reported by 中倉一志













