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【J2:第38節 鳥取 vs 愛媛】愛媛側レポート:勝利への渇望と男の意地。気力に満ちた愛媛が今季最多得点で14試合ぶりの勝利を収め、2011シーズンを締めくくる(11.12.04)

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12月3日(土) 2011 J2リーグ戦 第38節
鳥取 2 - 4 愛媛 (12:33/とりスタ/2,504人)
得点者:6' 福井理人(鳥取)、12' 大山俊輔(愛媛)、33' 齋藤学(愛媛)、54' 齋藤学(愛媛)、61' 池田昇平(愛媛)、69' 丁東浩(鳥取)
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6月のホームの鳥取戦と同じく、今回も追いかける展開で始まった。クロスボールを押し込まれ、開始わずか6分で失点を許した。前節の草津戦から、各ポジションで計5人の先発を入れ替えて臨んだ愛媛のリーグ最終戦。厳しい試合展開の中で連係にはぎこちなさも垣間見え、90分間を振り返れば必ずしもベストゲームとは言えない内容ではあった。それでも、終わってみれば今季最多の4得点で快勝。シーズンを通じて「こういう試合をしなければならなかった」と愛媛の選手たちが口をそろえたように、この一戦には勝ちたい気持ちがピッチに充満していたように思う。

その思いが、すぐさま同点ゴールに結びついた。雨でぬかるんだピッチコンディションにも徐々に対応すると、まずは前半12分。この試合では攻撃的なポジションで起用された大山俊輔が利き足ではない左足を振り抜いてネットを揺らす。
33分にはスーパーゴールが生まれる。「トレーニングでは3人でやっていたけど、あんなに上手くいくとは。自分でも、鳥肌が立つゴールだった」と得点を決めた齋藤学は振り返ったが、ゴール前のダイレクトプレーは思わず息をのむ美しさ。石井謙伍と大山、齋藤のパスワークで鳥取ディフェンスを振り切り、最後は齋藤がきっちりと逆転ゴールをねじ込んだ。

さらに、後半9分には齋藤が鳥取のミスを突いて加点。すると、続く後半16分には勝ちたい気持ちにプロの意地が加わる。今季限りでチームを去ることになった池田昇平が、セットプレーに頭で合わせて4点目を奪った。「プロの世界では仕方のないこと。今季はいい結果を出せなかったし、今から思えばベテランとしてチームを引っ張ることもできなかった」と試合後に池田はシーズンを振り返ったが、「プロならやはり勝利が必要。切り替えて、今日は気持ちで負けなかった」という男の意地でチームの勝利を決めるとともに、自らのプライドを結果で示した。

終盤は鳥取の反撃も許したがリーグ戦で14試合ぶり、そしておよそ3カ月ぶりとなる勝利をつかんだ愛媛はようやく長いトンネルを抜けてシーズンの終わりを迎えた。しかし、会場を後にする選手たちの表情に笑顔はなかった。様々な思いが交錯したシーズン最終戦。別れが訪れるセンチメンタルな部分もあるだろうし、「今はうれしいけど、本当はもっと勝っていないといけないチーム」と齋藤はシーズンを振り返ったように、最後の1勝では満たされない悔しさもあるだろう。リーグ戦を終えたばかりの今は、心のどこかにぽっかりと穴が開いた状態かもしれないが、幸いにも2011年の愛媛はまだ戦える舞台が残されている。2週間後の天皇杯4回戦、浦和戦(12/17@熊谷陸)。今、選手が抱える思いはそれぞれかもしれないが、全員が考えるべきことは1つ。このチームで1日でも長く戦うこと。そのためにまずはあと2週間、もう一度ひとつになろう。

以上

2011.12.04 Reported by 近藤義博
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