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【J2:第8節 山形 vs 富山】レポート:前半終了間際のコーナーキックを決めた山形が連勝で5位浮上! 富山はまたも一瞬の隙に泣く。(12.04.16)

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左コーナーアークに宮阪政樹がボールをセットしたとき、すでに前半はアディショナルタイムの予定1分を消化しようとしていた。マンマークを基本とする富山はニアに187cmの西川優大、中央に188cmの福田俊介と2枚のストーンを置いていたが、弧を描いて鋭く落ちる宮阪のボールは福田の背後を襲い、密集の外からタイミングを遅らせて飛び込んだ西河翔吾がヘディングで仕留めた。「どフリーでしたね。うまく合わせることができて、うまく入って、よかったです」と西河は会心のゴールを振り返った。じつは28分のコーナーキックでも、宮阪が同じ左から蹴っている。そのときはボールがニアの西川に跳ね返されていたが、ここでもやはり遅れて入った西河はマークをすり抜けていた。

前節で3試合ぶりの勝利を挙げたホーム山形も、前節で連勝とホーム初勝利がならなかった富山も、初対戦のピッチ上には前節と同じ11人を送り込んだ。

山形は試合の入りが注目されたが、立ち上がりに右サイドから崩し、フォワード3人のコンビネーションから最後は中島裕希のシュートでコーナーキックを獲得するなど、スロースタートからの脱却の兆しが明確に見られた。それでも、直後のプレーでソ ヨンドクにラインを突破され、逆にコーナーキックを与えたのを皮切りに、西川と木村勝太の2トップへのロングボールと、中盤の隙を突いたソのミドルシュートへの対応を強いられることになった。

清水健太が「あそこまでハイプレッシャーで来るとは思ってなかった」という富山の戦術に対して、それでも山形の対応は落ち着いていた。2トップへしっかりとプレッシャーに行き、セカンドボールへの対応でも後手を踏むシーンはそれほど多く見られなかった。ただし、奪ったあとは相手のプレッシャーを受けた状況も考え、中盤を省略。これまで無理につなごうとして痛い思いもしてきたことによる判断だが、この試合では富山の3バックが山形のフォワード3枚に対する準備を怠らなかった。さらに、浮き球勝負となれば180cm台をそろえる富山に分があり、「3トップに崩されたというイメージはそんなにはない」(池端陽介)と富山もオープニングシュート以外は決定的な場面をつくらせなかった。そのなかで、山形は「自分たちの得意な形であるパスをつないで連動して動いていくというシーンを、前半最後のほうに何度か見せることができてきた」(奥野僚右監督)という流れをコーナーキック、そして先制点につなげた。

キックオフ時の気温は18.4度。「どんなに鍛えてもきついと思うんですが、本当によく走り、よく粘ってくれたと思います」という富山・安間貴義監督も、「僕らのチームのレベルだと、0-0でいって、相手はうちみたいなチームに引き分けてもいけないですし、勝たなきゃいけないですし、そこからバランスを崩したときに仕掛けたかった」とギリギリで差しきるゲームプランをしのばせていたが、それも前半の失点で難しい状況に追い込まれた。

「あのサッカーが90分続くとは考えづらいので、そのなかで前半すごく我慢できたというのがすごくよかったです」(清水)と好機を待っていた山形の攻撃は、富山の運動量が落ちた後半、徐々に本領を発揮していく。あいにく、後半開始とほぼ同時に逆風となったが、52分にはコーナーキックの流れから中島の右クロス。萬代宏樹が空中で競った裏に石井秀典が飛び込んでいた。その11分後には、宮沢克行のスルーバスに合わせた山崎雅人がギャップを突いてフリーでのシュートシーンを迎えたが、ここは逆を取られながらも右手を伸ばしたGK鶴田達也の懸命のセービングに遭った。

攻め込みながらも追加点が奪えない山形は、残り20分で2枚替えを敢行。萬代、宮沢を下げ、比嘉厚平と船山祐二を送り込んだが、「交代した選手のみならず、それ以外の選手でもちょっと機動性に欠けたなという部分があったので、形を変えることで入ってもらったわけですけれども、その形に対して自分たちが柔軟に対応できなかった」(奥野監督)と効果は薄く、ボールを支配してペースを握り、相手陣内に押し込みながらも思うように決定機をつくり出せず、追加点も最後まで奪えなかった。

富山は前節で流れを変えゴールを挙げた明堂和也や、怪我から5試合ぶりの復帰となる平野甲斐が投入され、39分には右スペースに走り込んだ明堂のクロスから西川のシュートはヒットせず、その奥で拾った加藤弘堅がシュートを放つ。さらにアディショナルタイムにはソの2本の空砲のあと、平野のミドルが枠をとらえたが、ここは清水の好セーブに防がれた。

ゲームプランを概ね遂行しながらも、富山には結果としてセットプレーでの1点が重くのしかかることになった。「一瞬を研ぎすますというか、90分をとおしてやっていかないと勝点というのは奪えないというのはここ数試合でわかったので、一瞬のプレーを、こだわりを持って突き詰めていかないといけないと思います」。この試合でもっとも悔しい思いをしたであろう吉川拓也が、自戒を込めて語った。順位は一つ下がって19位。課題の克服に全力を注ぎながら、次節に今季ホーム初勝利を懸ける。

両者の戦力や状況を考えれば、得点がコーナーキックの1点のみ、追加点もなくホームゲームを終えた山形の内容は、開花を宣言する段階には至っていない。もどかしい試合が続いている。ただし、勝点3を得た蕾が縮んでしまうこともない。連勝で5位に浮上し、試合の入りで先手を取るなど課題を改善が向かっている部分も見られている。「ボールがないところの人の動きの質もそうですし、ボールに携わった人たちの数センチの正確性とタイミングだったり、角度、精度を上げていく作業を日々取り組んでいくということの繰り返しだと思います」(奥野監督)。無理な形ではなく、一歩ずつ手順を踏んで、チームの開花は促されている。

以上

2012.04.16 Reported by 佐藤円
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