前節のアウェイ・川崎F戦(5/3)を3-4で落とした磐田は、星取表に今季初めて黒星が2つ続くことになった。ここまでヤマザキナビスコカップを含め公式戦の連敗はなく、今季初黒星を喫したリーグ・清水戦(4/14)の直後も強いリバウンドメンタリティーを見せ、その直後のヤマザキナビスコカップ・広島戦(4/18)、リーグ・横浜FM戦(4/21)を共に勝利している。ビルドアップに重きを置いた新スタイルを追求し、いまだ発展途上であることから相手にペースを握られる時間帯もありながら、それでも粘り強く、辛抱強く勝点を積み重ねてきたのが今季ここまでの磐田だった。
敗戦を喫した雨の等々力から中2日。フィジカル面はもちろん、メンタル面も切り替えは容易ではないだろう。今季初の連敗という目の前の現実を受け入れつつ、同時に今季始動から見据え続けている自らのスタイルをさらに継続できるかがこの試合の焦点の一つである。磐田のリーグ3連敗は09年以来ない。
ただし、結果的に今季初の連敗とはなったものの、川崎F戦、その前のアウェイ・C大阪戦とここ2試合でいずれも自分たちの時間帯を持つことはできており、ボール保持率をある程度確保することもできている。この2試合で計5得点という数字は決して少ないわけではない。C大阪戦では4月下旬の日本代表候補合宿に初招集さればかりの山田大記が難易度の高いボレーシュートを叩き込み、川崎F戦では今節は累積警告で出場停止となるものの、山本康裕が2ゴールをマークし、気を吐いている。同じく川崎F戦では今季ここまで途中出場が多いものの、出場した試合ではことごとくチャンスに絡み、存在感を見せていた新加入・阿部吉朗が加入後初ゴールをマークしたことも大きい。ポストに激突しながら押し込んだ執念の1点はチームにとってもプラスになるだろう。
一方で、2試合で計7失点という数字は重くのしかかる。とりわけ、ここ2試合でビルドアップ時のボールロストからの失点が続いている点は見逃せない。特に川崎F戦の3失点目はショッキングなものだった。自陣ゴール前・左でマイボールにした金沢浄はバックパスを選択。守備から攻撃へ切り替え、全体がワイドになりかけた矢先のパスだったが、このバックパスを藤田義明とGK・八田直樹が見合う格好となり、ゴール前に攻め残っていた川崎F・田中裕介にカットされ、失点。結果的に失点につながっている以上、この一連のプレーは“ミス”と呼ばざるを得ないが、つなぐプレーを決断したこと自体は“チャレンジ“と捉えるのが磐田・森下仁志監督のスタンスである。
ややシチュエーションは異なるが、似た意味合いの失点は敗れた清水戦にもあった。1点リードで迎えた前半アディショナルタイム。相手のロングフィードを山本脩斗がコントロールミスし、ボールロスト。このプレーから清水・高木俊幸に同点ゴールを奪われたことが後々響くことになったが、森下仁志監督は試合後、「あの場面で『クリアしなさい』となれば、この1年間やり続けることが台なしになる」と前を向いている。
浦和戦では、川崎F・田中裕介に許したゴールの“残像”を振り切り、似た場面でリスクを負ってでもパスをつなぐ決断を下せるか、否か。このあたりが今の磐田の完成度を判断する基準となってくるだろう。
対する浦和は前節、横浜FMに1-2と敗戦。1点ビハインドで迎えた終盤に槙野智章の巧みなドリブル突破から同点に追い付いたものの、試合終了間際にCKから横浜FM・マルキーニョスにゴールを奪われ、接戦を落としている。第8節・名古屋戦ではアウェイで2-1と競り勝っているだけに、その直後のホームゲームを制し、一気に波に乗りたいところではあったが、連勝は叶わなかった。浦和は今季リーグ戦の連敗がまだないだけに、磐田と同様、敗戦直後の試合への“リアクション”を問われる一戦となる。
今季、両者はすでにヤマザキナビスコカップ(4/4)で対戦しており、その際には磐田がホーム・ヤマハで4-3と勝利している( /jsgoal_archive/game/2012/20120020010220120404.html )が、今節は前回の対戦から共にメンバーが異なることが予想されるため、それほど参考にはならないだろう。また、このカードは再び磐田のホームで開催されるが、今回の戦いの舞台はエコパである。ヤマハよりやや長めの芝が互いのボールポゼッションにどの程度影響を与えるかもポイントの一つとなるだろう。共に直近の試合から中2日で臨むというタフなスケジュールではあるが、GWの最終日にスタジアムへ足を運ぶ両サポーターに壮大なフットボールを見せてほしい。
以上
2012.05.05 Reported by 南間健治
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