キックオフから13分が経過した頃、試合前からの青空がどんどん暗くなっていき、大きな雷の音が響いた。それを合図のようにして大粒の雹(ひょう)が猛烈な勢いで降ってきたために、ユアテックスタジアム仙台での1位・2位直接対決は試合を中断せざるを得なかった。
「正直言えば、嫌な間ではありました」と、この試合で今季初先発とフル出場を記録した梁勇基は振り返った。14時に試合は中断のタイムから再開できることとなったが、選手達それぞれに心身のコンディション調整は難しかったことだろう。だが清水のアフシン・ゴトビ監督が「(中断している間に)序盤の保守的になってしまったメンタリティを変えようとしました」と試合後に明かしたように、双方にとって気を引き締め直す契機ともなっていた。結果、両チームとも最後まで走り抜き、上位対決にふさわしい攻防を見せてくれた試合だった。
このゲームは、清水が両サイドに広がってピッチの横幅を使い相手を揺さぶりにかかる一方で、仙台がその広がった相手の間を縦のカウンターで突くという、“横対縦”の構図で前半は進んだ。表記した順番の通りに両チームが主導権を握り合うかたちだった。そしてその流れの中で、40分、高木俊幸の左サイドからのクロスに対して逆サイドの大前元紀が頭で合わせるという“横”の攻撃により、清水が先制に成功した。
1点を追う仙台は、配置変えと選手交代によって攻撃にいろいろな変化を加えながら清水の守備を崩しにかかった。ウイルソンを1トップにして、梁をトップ下、太田吉彰をFWから右サイドに移す4-5-1をはじめ、武藤雄樹投入後に梁をボランチに入れたり、終盤のように中原貴之を最前線に入れてパワープレーを狙ったり、と“縦”中心だけでなくいろいろな攻撃のかたちを作り、仙台ベンチは打てるだけの手を打った。だが、「清水にはボックス(ペナルティーエリア)の中で集中力を切らさずに守りきる力があった」と手倉森誠監督も認める清水の粘りが、1点のリードをタイムアップまで維持することとなった。
清水は68分にカルフィン・ヨン・ア・ピンを退場で欠いていた。「(2人が退場した)F東京戦の時は9人でできたので、意外と冷静にできました。みんなが粘り強さで対応してくれていたので、キーパーとしてはすごくやりやすかった」と、この日何度もシュートを止めた林彰洋は振り返る。彼の好守はもちろんのこと、集中した全員守備で、これまた集中した仙台の全員攻撃を食い止めたことで、清水は敵地で貴重な勝点3を手にした。
大型連休期間の変則的日程の3戦目、しかもこの荒天という悪条件も加わったなかを全力で戦った両チームの選手・スタッフは見事だった。そして、アクシデントの中で適切な行動をとった運営スタッフなど、試合を無事開催し、終えるために努力したすべての方々にも感謝したい。人の力ではどうしようもない自然現象はあるけれど、そのなかで無事にフットボールの試合を楽しむことの尊さを、また知った試合だった。白熱の上位対決ということ以上に、この試合の持つ意味は大きい。
以上
2012.05.07 Reported by 板垣晴朗
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