ドローには持ち込んだ。徳島は残り時間が少なくなった後半終盤に途中出場の津田知宏が値千金の同点ゴール。9節以降ケガで戦列を離れていたエースの復帰弾によって何とか勝点1を手にするには至った。
しかし、だ。小林伸二監督も「あまりにも質が低過ぎたと思います」と振り返っていたように、徳島の見せた内容は非常に低調なものと言わざるを得ない。苦しみの末に前節ようやく挙げた10試合ぶりの勝利を勢いへ繋げなくてはならない重要な一戦であったにもかかわらず、チームには雑さと活性の少なさがあまりに目立ったのである。もちろんハードな日程の4連戦目で選手たちには大きな疲れが蓄積されていたのだろうが、それを差し引いても厳しい評価にしかならない戦いだったと言う他ないだろう。
実際立ち上がりから徳島は攻守両方で目を覆いたくなるようなミスが続く。開始間もない2分に三木隆司のハッキリしない対応を引っ掛けられて決定的なシュート場面を作られると、続いて7分には花井聖のペナルティエリア内でのクリアミスからヒヤリとするフィニッシュを放たれる。さらに15分には最終ラインの橋内優也が低い位置で軽いキープをしてしまい、あわやショートカウンターかと思われるシーンも。熊本のプレスがファールと判定されてそこでは事なきを得たが、それでも相当に不用意なプレーだったことは間違いないと言えよう。
また徳島のミスは前線の攻撃面でも多く発生する。マイボールにしてこれから崩しに入ろうかという大事なところで連携のズレを起こしたり、イージーなパスにも精度を欠いたりと、選手たちは丁寧さを欠くプレーを連発させた。その中でもFWキム ジョンミンのプレーは攻めの大ブレーキに。敢えて厳しく言及させてもらうが、くさびのボールが供給されてもなかなか収め切れない上、収めたかと思っても判断の遅さから熊本の寄せにボールを奪われ、切り替えて押し上げようとするチームに幾度となく再びの守備負担をかけてしまっていた。
と、このように徳島は厳し過ぎる戦いぶり。試合後の指揮官は「キーマンやベテランがそこでミスをしてしまうとチームとして収拾がつかなくなってしまう」とも語っていたが、個々の出来の悪さが幾つも合わさり、それによって組織としての力をほとんど出せない状態が続いた。
ただ、だからと言って一度もいいところがなかったかと言えばそうではない。53分、中央バイタル付近でキムの落としを宮崎光平が受けて左へ流すと、そこでボールを受けたジオゴがブロックに来たDFを完璧に外して決定的チャンス。完璧と言っていい形で熊本守備陣を崩してみせた。狙いすぎたことで至近距離からのシュートがポストに叩くミスとなり、そこからの速攻で先制点を許すという皮肉な結果にはなったものの、チームとしては納得いくワンプレーだったと言えよう。
そして津田が投入された60分以降は何度か組織的展開も見られるようになる。左右へ積極的に流れてボールを引き出す背番号11の動きがボールの流れを良くし、効果的なスペースも生み出し始めた。すると、その活性向上の結果として80分の同点弾が生まれる。チームのカンフル剤となった津田自らが花井の絶妙スルーパスを受けて冷静にネットを揺らしたのだ。
その後の逆転までには届かなかったが、とにかくこうして徳島は勝点1を手にした。が、述べてきた通り内容は全く褒められるものではなかった。「何が出来る、何が出来ないを見極めて作っていく必要があるのかなというようなゲーム展開だったと思います。その辺は少しいい形で整理して、自分が選手に落とさなければならないなと思います」と小林監督は会見を締めくくったが、連戦の疲れを癒す一旦のリフレッシュ後、その小林監督のもとチームがどう自分たちを奮い立たせるのかは注目される。ある意味、選手たちは生まれ変わるくらいの変化をもって今後に挑まなくてはならないだろう。
さて逆に熊本に関しては、白星なしのトンネルこそまた伸ばしてしまったものの、ひとつ今後へのステップとなるドローゲームだったと言っていいのではないか。実際チームは7試合ぶりのゴールだけでなく、それ以外でも好パフォーマンスを披露し、高木琢也監督もゲーム後には選手たちの戦いに高い評価を与えていた。とは言え、今節のゲームは開始早々に得たビッグチャンスをはじめ幾つかの決定機を決められていたならワンサイドゲームにも出来ていたような展開。そう考えればまだ得点力の部分の課題は根深いものとも言えるだけに、選手たちには継続した技術向上の取り組みが求められる。「続けることが一番重要」という高木監督の言葉そのままが熊本の今だろう。次節(5/13)はホームに強敵・甲府を迎えるが、今節のこの一戦をどう活かすのかが注目だ。
以上
2012.05.07 Reported by 松下英樹
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