ついにリーグ最少失点を維持してきた水戸の堅守が崩壊した。58分にキム ヨンギがこの日2枚目の警告を受けて退場処分となり、30分以上数的不利の状態で戦い続けた水戸。粘り強く耐え続けていたものの、85分にサイドを崩されて先制を許すと、88分にはダメ押しゴールを決められる。今季初の複数失点を喫して敗れることとなった。
勝負の分かれ目となったのはキムの退場であった。東京VのFK時、相手が蹴ろうとしていたところ、スタートを遅らせようとしてボールの上を飛び越えた。それを遅延行為と判断され、この日2枚目の警告を受けて退場処分を受けてしまったのだ。あまりにも軽率なプレーであった。これが水戸にとって大きなハンデとなったことは言うまでもない。中2日の4連戦の最後の試合、選手たちの疲労の蓄積を考えると、30分以上数的不利という条件で戦うのはあまりにも酷であった。
自慢の堅守を披露し、東京Vの強力な攻撃に対して粘り強い対応を見せていたものの、時間とともに水戸の選手の足が止まって行く。1対1の仕掛けに対し、後手に回るようになり、85分に右サイドを崩されて失点すると、88分にはカウンターから追加点を奪われてしまう。開幕から13試合目となるが、ここまで動けない水戸を見るのははじめてだった。それほど連戦の疲れと数的不利の疲労とがのしかかっていたことだろう。選手たちは歯を食いしばりながら戦ったものの、最後の最後に力果てたのであった。
ただ、前節まで4連勝を挙げ、この4連戦を3勝1敗という成績で終えることができたことは「決して悪い結果ではない」(ロメロ フランク)。最終戦で敗れはしたものの、下を向く必要はない。とはいえ、自分たちのサッカーを見つめ直さないといけないのも事実。連戦の初戦で首位の湘南と壮絶な攻防の末、勝点3を手にすることに成功したが、その後の3試合は疲労の蓄積により、動きの質が落ちたため、湘南戦で見せたような攻撃的な姿勢を見せることができなかった。「連戦中は内容よりも結果」(本間幸司)を追い求めて、第11節徳島戦以降は守備を重視した戦いをした結果、徳島戦と岐阜戦で勝利をおさめたが、それは水戸の目指すべきサッカーではなかった。
「リーグ最少失点」という言葉がここ最近水戸にはついて回っていた。そのため水戸は「守備的なチーム」という印象を持たれていた。しかし、それは違う。「いい守備がいい攻撃をするために必要」という柱谷哲二監督の哲学が示すように、守備を基調としながらも、いい攻撃を繰り出すことが水戸の目指すべきサッカーである。「攻撃は最大の防御」という言葉があるが、守備を固めるのではなく、いい攻撃をすることによって失点を減らすことも水戸の狙いである。連戦前まではその戦い方ができていた。
今節、スリッピーなピッチと相手の激しいプレスに遭い、効果的なビルドアップができずにロングボール主体のサッカーとなってしまったことが悔やまれる。中盤で起点を作れず、前線に入るボールが単調だったため、東京Vの守備を崩すことができなかった。スリッピーなピッチ状態でも卓越した技術を見せる東京Vに主導権を握られることとなってしまったことが勝敗のすべてであった。完全な力負けである。だからこそ、「リセットして元のパスサッカーにチャレンジしたい」と本間は言う。「J1昇格」を目標に掲げながらも水戸は成長していくチーム。この敗戦を糧にしていかなければならない。もう一度自分たちの足元を見つめ直し、水戸の目指すサッカーの質を上げていくことが上位再浮上のために求められる。次回の対戦で東京Vを上回るパスワークを見せて勝利できるように、再び水戸は前に進まなくてはならない。
東京Vにとっては大きな1勝だ。「これまで上位に勝てなかったので、勝ててうれしい」とダメ押しとなる2点目を奪った梶川諒太が顔をほころばせたように、下位には勝てるが、上位には勝てないというレッテルをはがすことができたことは選手たちにとって自信となったことは間違いない。「J1昇格」を果たすためにも上位との直接対決で相手を倒していかなければならない。その第一歩を踏み出せた。また、これまで複数失点したことのない水戸から2ゴールを奪ったことも攻撃的なパスサッカーを繰り広げるチームとしての面目躍如。これで3位に浮上。最高の形で連戦を締めくくり、これからJ1昇格に向けて猛進していく。
以上
2012.05.07 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
一覧へ- 開幕特集
- 開幕招待
- 国立招待
- J.LEAGUE ALL-STAR DAZN CUP
- 熱き一枚を手に入れろ
- ベイブレードコラボ
- 明治安田のJ活
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 2025 移籍情報
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- NEXT GENERATION MATCH 2026
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE
















