大型連休が明けてリーグ戦が通常のスケジュールに戻るこの第10節。札幌ドームでは勝点4で18位の札幌が、同15で暫定8位(ACLとの兼ね合いで消化試合数が少ないため)のF東京と対戦する。
ホームの札幌は前節、アウェイで横浜FMと対戦して1−2のスコアで敗戦。先制されながらも古田寛幸のゴールですぐに同点としたが、後半に守備にミスが出てしまい敗戦。前々節にC大阪に快勝しており、連勝して流れに乗りたいタイミングだっただけに手痛い敗戦となってしまった。
あらためて横浜FM戦を振り返ると、苦戦を強いられている今シーズンを象徴するような試合だった。ちょっとしたミスから失点し、同点で迎えた後半もチャンスを決めきれず、そこで再びミスが出て失点。多くのチームと接戦を演じながらも、勝ち切れない。リーグ戦でここまでわずか1勝しか挙げられていない背景には、好機を逃したことでリズムを失い、逆に自分達にミスがでるという悪循環があったと言える。
ただし、逆に言えばチャンスをモノにさえしていれば、状況は大きく変わってくるとも考えられる。攻撃の軸を担う前田俊介も「決めるべきところで決めていければ、成績は上向いていくはず」と意気込む。ここ最近の試合では両サイドから良い形でクロスが供給される場面が増えるようになり、チャンスも増加中。流れを変えるチャンスは十分にあるし、変えなければいけない。
対するF東京の前節はこちらもアウェイで新潟と対戦し、2−0で勝利。ACL(AFCアジアチャンピオンズリーグ)では難敵との競り合いに勝って決勝トーナメント進出を決めていたが、国内リーグでは3連敗と苦しい状況だった。しかし、そうして迎えた新潟戦ではチーム全体がアグレッシブさを発揮し、危なげない試合運びで完勝。「賢く、クオリティーの高いゲームができた」とランコ ポポヴィッチ監督は手放しで自チームを賞賛。アジアの厳しい戦いもあるなかで、チームが良いコンディションを保つのは決して容易ではない。しかし、新潟戦を見る限りでは、そうした厳しさを経てチームは一皮剥けたような印象がある。
新潟戦を終えて梶山陽平が「内容が良く、結果も出した」と言えば、谷澤達也も「連敗を止めたので、これから自信を持ってプレーができる」と手応えを口にする。F東京はリーグ戦でも浮上の契機を得たのかもしれない。ここからの戦いぶりには大きな注目が集まることになる。
さて、そんな両チームの対戦だが、互いの特徴が真正面からぶつかり合う形となりそうだ。札幌が高い位置から積極的にボールにプレスを仕掛け、そこからショートカウンターに転じるスタイルのチームであるのに対し、ポポヴィッチ監督率いるF東京は、早いタイミングから縦にボールを入れることも、後方からしっかりとパスをつなぎながら、3人目、4人目の動きも加えて連動もできるスタイル。札幌のプレスがハマるのか、それともF東京のパスワークがそれをかいくぐるのか。プレスとパスワーク。それぞれ連動性が試されるゲームとなりそうだ。
札幌のほうはイメージというアドバンテージも生かしたい。札幌ドームでのこのカードは、昨年12月3日に行われたJ2最終節以来。その試合というのは、すでに優勝を決めたF東京から、札幌が内村圭宏の2発で勝利を手にし、地元で劇的なJ1昇格劇を演じたもの。むろん、F東京のほうは監督も変わり、アジアのステージを戦っているという自負も加わっているはずだが、岩沼俊介は「こちらとしてはいいイメージが残っているし、相手にとっては逆のイメージが残っているかもしれない」と言う。
ホームチームが昨年末のイメージをそのまま生かすのか、それともアウェイチームが払拭するのか。注目の試合は12日の13時にキックオフされる。
以上
2012.05.11 Reported by 斉藤宏則
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第11節 札幌 vs F東京】プレビュー:札幌のプレッシングとF東京のパスワークとの全面対決。札幌は昨シーズンJ2最終節のイメージそのままに、浮上のきっかけを掴み取りたい。(12.05.11)
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