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【J2:第20節 栃木 vs 横浜FC】プレビュー:中位からの脱却を目論む栃木にとって重要度の高い一戦。ファーストチャンスで好調・横浜FCを確実に仕留められるか。(12.06.17)

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中位からの脱却を目論む栃木は、17節の水戸戦から内容と結果がリンクせずに足踏みを続けている。梅雨入りした6月、モヤモヤはなかなか晴れない。その間、団子状態だった集団は徐々にばらけだし、第1、第2、第3集団が形成された。第1集団の最後尾に付ける8位・岡山(勝点33)と、12位・栃木との勝点差は7。これ以上、先頭集団から遅れるわけにも、中位に埋もれ続けるわけにもいかない。少しでも上位との差を縮めるためにも、今節の11位・横浜FCとの直接対決の重要度は極めて高いと言える。折り返し地点が目前に迫る中、第2集団でいたずらに体力をすり減らしている暇はない。いま最も波に乗っているチームを蹴落とし、急浮上へ向けた足掛かりを作りたいところだ。

「点が入らないことには、サッカーに優勢勝ちはないわけだから何の意味もない」とは、水戸戦後の松田監督の弁。ここ数試合、描いたゲームプランは実行できているし、内容も悪くない。しかし、水戸戦も岡山戦も、そして前節の北九州戦もファーストチャンスを逃していることが結果に大きく響いている。相手を仕留め損ない、逆に失点を食らうケースが繰り返されている。いい試合も必要だが、それよりも今は勝点3が欲しい。“一本勝ち”を収めるには、勝負所で確実に相手を仕留めなければならない。連勝がストップしたとはいえ、横浜FCには勢いが残っているはずだ。機先を制するためにも先制点を奪い、栃木本来の相手が嫌がる戦い方に引きずり込みたい。

先手、先手で試合を運び栃木がイニシアチブを握るには、当然だが守備は疎かにできない。「守備で先手を取って相手の起点を潰さないといけない」と當間建文が言えば、大和田真史も「ガツンと行って怯ませたい」とファーストコンタクトから仕掛けていく気満々だ。田原豊、大久保哲哉、カイオと横浜FCの前線3枚はワイルドだが、「(ペナルティエリアの)中でのガチンコ勝負はお互いの見せ所。しっかり勝負したい」と大和田。クサビが入った時の応対はもちろん、制空権争いで後手に回るようだと苦戦は必至となるだけに一歩も引く気はない。クロス対応は前節の北九州戦の反省材料のひとつ。数的不利に陥った終盤も跳ね返す作業自体に問題なかったが、クロスの供給源への寄せが甘く、質の高いボールを上げられてしまった。前半に招いた失点はフリーでクロスを供給されたことが原因。クロスを入れられなければ高さは無力となる。失点のリスクを減らすためにもボールの出所はしっかり抑えたい。

横浜FCも北九州同様にボールを大事にする。前節はプレスに行くのか、それともブロックを形成するのか、センターバックとボランチの4人で判断の部分にズレが散見された。そのため、プレスに関して功罪両面が出た。飛び込み過ぎたことで失点を食らい、一方で前から取りに行ったことがゴールに結び付いた。今節はポジティブな部分だけが出るように、「共通の考え方を持つことが大切」(パウリーニョ)。試合までに修正を図りたいところだ。

クロスゲームを制しながらクラブ初の6連勝を達成した横浜FCだが、前節は“連勝ストッパー”大分の前に僅差の敗戦を喫した。だが、内容自体は悲観するほどのものではなく、ピンチは失点シーンのみと、ほぼ思い通りに試合を進められた。精神的な落ち込みは少ないはずだ。山口素弘監督就任後、ゴールを意識したポゼッションが浸透。ボールを動かしながらリズムを作り、2トップへの縦パスを合図に2列目が効率良く絡む形からチャンスを生み出している。前述した前線の3人はもちろん脅威だが、復調した武岡優斗は影のキーマン。果敢なドリブル突破から攻撃にスパイスを加え、躍進の原動力となっている。好調な攻撃陣に加え、前任の岸野靖之監督時代から継承されている「粘り強さ」も大きな特長。4‐4‐2同士のマッチアップは我慢比べの展開が続く。音をあげずに自分達の色を出せるかが勝敗の鍵を握るだろう。

「チームとしてだいぶ固まって来た。後半戦、チーム(の成績)は必ず良くなる」
そう断言するのは、完全復活間近の闘将パウリーニョ。前半戦のMVP候補チャ・ヨンファンがトレーニング中に骨折し、久木野聡も故障者リスト入り。怪我人は絶えないが、ようやく11対11での紅白戦が可能になり、好調な選手を松田監督がセレクトできるようになった。チームが正常に戻ったことでポジションごとに競争原理も働き始めている。闘える環境は整った。あとは成績を残すだけだ。前半戦のホームラストゲームを勝利で飾り、凱歌「県民の歌」で団結力を深め、7月1日に“グリスタ”からスタートする後半戦へ向けたモチベーションを一層高めたい。

以上


2012.06.16 Reported by 大塚秀毅
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