FC町田ゼルビアは前節・岡山戦で3連敗となり、“勝点3”から8試合も遠ざかっている。順位は22位で、J2の最下位だ。見るに値しないサッカーかと言われれば、断じて否定する。ただ“内容はいいのに結果が出ていない”理由がやはりある。
「細かいことを大事にすることで、チームが変わる」と、浮上のヒントを語るのは藤田泰成選手。内容で完敗するならともかく、ボールを支配し、チャンスの数で上回ったような試合を落とす、取りきれないのは、確かに“細かい”部分で改善点があるのだろう。
町田は前節・ファジアーノ岡山戦から[4−5−1]のフォーメーションで戦っている。1トップの後方に4人が並び、アンカーにコリンマーシャル選手が入る攻撃的布陣だ。岡山戦はこれがある程度は奏功し、「色んなアイディアを使ってボールが回っていた」(北井佑季)、「この何試合かの中では一番チャンスを作れていた」(鈴木崇文)という展開だった。
北井、鈴木崇の両サイドは独特の動きをする。この2枚が「FWの近くにいる」(北井佑季)、「中に入って絡んでいく」(鈴木崇文)という意図を持って動くから、前線は選手間の距離が近づく。狭いスペースの打開には難しさもあるのだが、町田はクリエイティブな崩しを披露できていた。少ないタッチでボールを目まぐるしく動かし、3人目・4人目がスペースに抜け出す。そういうフットボールの醍醐味とも言うべきパスワークが、今までになく増えていた。
一方で選手には反省もある。たとえば北井選手は「もっと簡単にシュートを打っていい」と口にする。「簡単に打つから、アイディアを使ったプレーに相手がついて行けなくなると思う」からだ。岡山は中央後方をしっかり閉じて、町田にプレーするスペースを与えなかった。そういう選手たちにミドルシュートを意識させ、“出てこさせる”必要がある。
他の選手にも考えはある。鈴木崇文選手は「何人も敵がいるのに無理に仕掛けて取られるのが多かった」と振り返る。「足元ばかりになっていたので、2列目から抜け出して、相手のDFを惑わすような動きも必要だ」と改善策を語る。庄司悦大選手は「中だけで崩そうとしていた時があったので、サイドチェンジなどで、逆サイドを早く使う必要がある」と言う。
守備はまた別の課題がある。町田はDFに負傷者が相次ぎ、田代真一、薗田淳、津田和樹と主力が離脱している。そう遠くない時期に復帰できそうだが、山形戦の出場は難しい。そういう中の5戦7失点という数字は、そう悪い結果でないのかもしれない。しかしセットプレーの守備は改善が必要だ。最終ラインの最長身が太田康介(175cm)というハンデこそあるが、“細かい部分”を詰めることで失点はかなり減らせる。
町田は相手のセットプレー時に、ゾーンディフェンスで対応する。長身選手が少なく、守備範囲の広いGKがいるというチームにおいて合理的な選択だが、“クリアした後”の対応に難しさがある。GKの修行智仁選手は「クリアした後に、人へ付かなきゃいけなくなるけど、みんながボールを見てしまう」と課題を口にする。前々節・草津戦の1失点目がまさにその形だった。ディフェンシブな選手が少ない中で、まず意識付けが必要な部分だ。岡山戦後の練習で、選手たちは繰り返しこのポイントに取り組んでいた。
山形は直近の2戦こそ勝点3から遠ざかっているが、昨年までJ1を3季経験し、今季のJ2でも現在“三強”の一角に入る強豪だ。町田が自分達のサッカーを崩すことはないだろうが、「すべてにおいて精度が高いチーム」(太田康介)に対して、“細かい部分”の修正は必須。山形は売り出し中のボランチ宮阪政樹が警告の累積で欠場するが、石川竜也の左足はセットプレーにおいて脅威になる。石川と東京Vでチームメイトだった藤田泰成も、「いいボールが入ってくるので気をつけたい」と警戒する要注意ポイントだ。
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