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【J2:第20節 東京V vs 千葉】プレビュー:いざ、頂上対決!得点力の東京Vと、守備力の千葉。J2屈指のハイレベルな攻守両極対決を見逃すな!!(12.06.17)

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東京Vの選手たちは、今節を「前半戦の中で一番大事な試合になると思う」と位置付ける。おそらく、それは相手にとっても同じ思いではないだろうか。
シーズンのちょうど半分を次節に控え、東京Vは現在2位につける。そして、相手として迎える千葉は、首位。つまり今節、現時点での頂上対決ということである。両チームの勝点差は「2」だ。東京Vが勝てば順位が入れ替わる。ここまで、山形、湘南、京都といった上位チームには繰り返し苦杯をなめさせられているだけに、宿敵を討ち、「前半戦を首位で終わりたい」(和田拓也)。

前節、岐阜に4−1と大勝を収めながらも、試合内容に満足の声は聞かれなかった。中でも、川勝良一監督が最も課題として大きく指摘したのが、「点を取った後、良い時間帯があったのに、それを自分たちでボリュームを落とした」ことだった。それは、「見る人によっては油断、隙にも見える。次の千葉戦でも、そこはものすごく重要」とも同監督。当然、先制点は奪いに行く。だが、仮に先制できても、大事なのはその後である。先制の可否にかかわらず、いかに全員が90分間、単独ではなく"連携”したプレーを連続することができるのか。「1点を取ったら、2点目、3点目とたたみかけたい」(飯尾一慶)こそ、この試合最大のテーマだ。

その、連携の連続の先には、やはり『ゴール』がなければ意味がない。そこで、この試合最も注目したいのが、阿部拓馬vs山口智の初マッチアップである。J1の強豪・G大阪で11年間、幾多の経験を積み重ねてきた元日本代表DFも、東京Vの新星FWとの対戦を楽しみにしているに違いない。阿部もまた、相手の力が上であればあるほど燃えるタイプである。全力で挑み、今の自分に何ができて、何が足りないのか。この対戦の中からも、恐らく今後へつながる大きな刺激を受けるに違いない。
千葉が、ここまで「10失点」という鉄壁の守備を築き上げてこれているのは、間違いなく山口智の加入のおかげである。その存在感は、最終ラインにいながらにして圧巻である。一方で、東京Vもリーグ屈指の得点力を誇っているだけに、チーム全体としての攻守の攻防も非常に見応えがあると言えよう。

もう1つポイントになりそうなのが、サイドの攻防だ。圧倒的な守備力に加え、千葉は東京Vに次ぐリーグ2位の得点力も兼ね備えている。それを支えているのがサイド攻撃と言っていいだろう。東京Vにとって最も厄介な存在となりそうなのが、田中佑昌と兵働昭弘の両ワイド。加えて、武田英二郎、大岩一貴の若い両サイドバックが仕掛けてくるサイド突破、クロスの精度は非常にハイレベルで、その折り返しに対して中央で待っているのがFW藤田祥史である。
この攻撃を、東京Vがいかにして止めるかだが、受け身に立つつもりは毛頭ないことは改めて書く必要はないだろう。当然、自分たちが主導権を握ることを目指すはずだが、東京Vが思い通りのサッカーを披露するためには、やはり森勇介のサイドからの崩しがいかに重要かは、大分戦での快勝を振り返れば明らかではないだろうか。サイド突破からのクロスはもちろんだが、西やボランチとサイドで絡んでいながら、ラストは中央での崩しへともっていく機転、機を見て放つミドルシュートなど、森が思い通りのプレーができれば、東京Vはより一層アイデア豊富な攻撃ができるだろう。また、サイドからの崩しが多い千葉に対し、飯尾、西の東京V両ワイドは、中央にも入って勝負するタイプと、スタイルの差も面白そうだ。

千葉の堅守を前に、仮に阿部が封じられたとしても、その周りの杉本健、西紀寛、飯尾一慶が上手く関わり合い、こじ開けていけばいい。また、前節も途中から出場したジョジマール、小林祐希が見せたように、控えメンバーも出場&得点を非常に渇望している。そして、千葉戦といえば、やはり忘れてはならないのが巻誠一郎である。古巣への感謝の思いは永遠に変わることはないだろう。前回の対戦では、決勝ゴールも決めた"モッてる男”は、間違いなく今回も虎視眈々と狙っている。

千葉にとっても、東京V相手という意義は高そうだ。というのも、現在首位。特に第11節からは6連勝と結果が出ているが、連勝した相手はすべて下位のチームであり、自分たちがJ1レベルのチームとして力をつけてこれているのか?本当の意味で確認するのに、同じく今季の至上命題として昇格を目指している東京Vという相手は、まさに絶好だろう。全員がテクニックに長け、パスサッカーに徹底的なこだわりを持つチーム相手に、自分たちのスタイルを激突させることで、どんな結果が待っているのか。その先に見えるものは?
このカードは、毎回本当に緊張感高く、ハイレベルで激しい好ゲームとなる。首位決戦として迎えられるこの一戦も、楽しみで仕方がない。

以上

2012.06.16 Reported by 上岡真里江
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