「鶴ちゃん(主務・鶴田好樹)、安間さんって前に来たときは(富山の)監督やったったけ?」
「違いますよ。あの時は楚輪(博)監督で、安間さんはコーチですよ」
「そうやったっけ?」
「そうですよ〜」
「ええこと聞いた」
ということで、今節は“安間貴義監督”としては初の甲府入り。16日(金曜日)のスポーツ新聞には「富山の黒部光昭が全治約6週間のケガ」というニュースが出るなど、ケガ人が多くてチームの台所事情はかなり苦しいようだが、前からボールを奪いに行く富山の速いサッカーをホーム・山梨中銀スタジアムで見ることができるのは楽しみ。富山と京都が3回対戦して3引分けの理由をあれこれ考えると、“楽しみ”なんて呑気なことは言っていられないが、独特の着眼点を持つ指導者が率いるチームなのでサッカー面白さを高める内容の試合をしたい。骨折から戻ったボランチの平出涼がフィットし始めるなどプラスの面もあり、逆境でも笑う男・安間貴義は“台所事情が苦しい”では終わらせないはず。富山が一番苦手な対戦相手はフィジカルの強さをゴリゴリに出してくるチームだが、甲府は前からボールを奪いに行くサッカーとダヴィのフィジカルを活かしたゴリゴリの両面を見せ付けたい。
どこが相手でも勝つのはホーム・甲府なんだが、甲府はチーム内の競争に刺激を与える布陣になりそう。前節は守備の要のドウグラスが出場停止だったが、それが明ける今節に彼にポジションが用意されているとは限らない。前々節の千葉戦での2失点に絡んでいるだけに、城福浩監督は指定席がないこととプロフェッショナルの高い意識と強い責任感を求めるための決断をするかもしれない。前節センターバックでコンビを組んだ津田琢磨(31歳)と冨田大介(35歳)の中堅・ベテランコンビで勝っていることも、その決断を後押ししているのだろう。人情で使うのではなく、実力で使っているだけ。試合に出られるかどうか分からないときでもプロとして準備を怠らない彼らのことを「甲府の宝」と城福監督は敬意を込めて呼ぶ。
津田は「試合では先に点を取られることは絶対にやったら駄目。そうならないように立ち上がりは特にアラート(注意深く)に戦う。でも、引いて守るということはしない。個人的には(中3日の試合でも)コンディションにはまったく問題ない。いつでもいけるように準備している。ケガがなければ身体の準備をするのは当然だけど、気持ちの準備もいつでもしてきた。大げさかもしれないけれど、夜中に起こされて『今から試合に出ろ』って言われてもやれるくらいの気持ちで準備してきた」と、超戦闘モード。 その思いの中には「チームに対する貢献」、「試合への渇望」などもあるが、一番は「J1に戻ってプレーしたい」という思いが強くある。06、07年のJ1での経験とレギュラーではなかったことによる渇望感が強いのかもしれない。後ろでプレーするGKの荻晃太は「(津田)琢磨さんや冨田さんがディフェンスラインを高く保とうとしているが、それは(高い位置でボールを奪って)点を取るために守備をしているということ。守備と攻撃は表裏一体。人が替わっても(同じコンセプトで)続けることが大事。『チャンスを作っているのに、相手のワンチャンスで失点する』ということは無しにしたい」とゴールデンウィーク以降の課題克服に対する意欲を強く持っている。守備的なポジションの選手にとって針の筵(むしろ)みたいな時期が続いたが、そろそろそれを綿の座布団に変える時期だろう。
攻撃的ポジションにおける変化としては、ダヴィとコンビを組んできた高崎寛之が先発を外れる可能性が挙げられる。しかし、生真面目に責任を背負いすぎてきた高崎にとって、ゴール前では気迫だけでなく、遊びや意外性の要素のなかに局面打開や相手の裏をかくヒントがあることを再確認するチャンスになるかもしれない。そう悪くないこと。代わってチャンスを手にするであろうピンバは、「ブラジルでは5試合くらいFWでプレーしたことがあるけれど、ゴールはない。ダヴィとの距離が近くなるからラストパスを出せるチャンスも増えると思う」と1ラインポジションが上がることをまったく苦にする様子はない。サイドハーフには攻撃的だが、タイプの違う堀米勇輝と柏好文が入りそうなので富山の守備陣もやりにくくなりだろう。05年から甲府のコーチに就任し、大木武監督(現・京都監督)を3年間サポートし、08年から09年の2シーズンは監督として昇格を目指したものの、僅かの差で昇格を逃した安間監督。当時は育成の練習にも顔を出していたし、富山の米田徹コーチも以前は甲府の育成からトップまで経験しており、堀米にとってこの2人がベンチにいる富山戦で活躍することは恩返し。ちょっと停滞してしまったが、甲府育成の至宝・堀米が恩人率いるチーム相手に凄みを見せる展開に期待だ。富山にケガ人が多く出ていることで「勝てそう」という雰囲気が広がることが怖いが、津田や堀米という安間時代を知る選手の「渇望」や「思い」、そして「そんなの関係ない」ダヴィやピンバの躍動が今節はチームのエンジンになって勝点3を毟り取ることに期待したい。
以上
2012.06.16 Reported by 松尾潤
J’s GOALニュース
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